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くるりというバンド界のブラック企業

くるりというバンド界のブラック企業



ブラック企業という言葉は今や普通の言葉として使われている。
待遇が悪い、残業は当たり前、上司は無責任、そして離職率が高い…
そんな企業に就職してしまったら大変だ!ということでこの「ブラック企業」という言葉が流行した。

そしてここに一組のバンドがいる。
京都出身のバンド、くるりである。

彼らは1996年に活動を開始して以来、幾度となくメンバーチェンジを繰り返している。
Wikipediaにはこのような表まで載せられる始末。





これだけブラック企業が非難されている現代で彼らのことを許していいのだろうか!
今回はそんなくるりを追ってみたいと思う。



京都の立命館大学の軽音サークル「ロックコミューン」で出会ったギター&ボーカルの岸田、ベースの佐藤、ドラムの森で活動を開始。
1998年に『東京』でメジャーデビュー。
ファーストアルバムの『さよならストレンジャー』のバンドスコアでは本人直筆の解説が書かれているが、その中にも『東京』について「レディオヘッドのクリープみたいにガコッガコッってやる」なんてことを載せているあたり、誰がわかるねんレベルのマニアックなことをやってくれる数少ないバンドだ。
蛇足であるが、友達のお姉ちゃんが立命館大学に通っていたことから、まだ全国的に有名というわけでもなかった時代にこの『さよならストレンジャー』とそのポスターを譲り受けたのが私とくるりとの出会いであった。

そして2枚目にして外国人プロデューサーを招いて制作された『図鑑』にしてメンバー間で若干の軋轢が生まれ始めたのだという。『青い空』や『街』など、もっとオルタナに近づいたアルバムとなった。
衝撃だったのは『青い空』のPVを見た時だ。
当時はまだ少年だった私にはこのセンスがぶっ飛びすぎて何が何だかわからなかったのである。

3枚目の『TEAM ROCK』ではダンスミュージック色を取り入れていくこととなり、ここで名曲『ばらの花』『ワンダーフォーゲル』が収録される。
上手くバンドとテクノとの融合を果たされており、新たなロックの新時代とも揶揄されたアルバムである。
さらに衝撃だったのが『リバー』のPVである。
これをPVと言って良いのだろうか。当然少年期の私には理解できなかった。



4枚目はさらに強烈である。
『THE WORLD IS MINE』と題されたこのアルバムは今でも名盤として語り継がれている。
収録されている『GO BACK TO CHINA』『男の子と女の子』なんかは高校生になった私が文化祭でコピーしたほどだ。
ここでギタリストとして大学の友人である大村達身が加入し、4人体制となるのである。
そして『WORLD'S END SUPERNOVA』のPVはかっこいい。

しかしここでドラムの森が脱退してしまうのである。



そして5枚目にして衝撃が走る。
外国人ドラムセットプレイヤーのクリストファー・マグワイヤの加入である。
アルバム『アンテナ』については岸田も「クリスのアルバム」と称している。
しかしこのクリスもこの『アンテナ』1枚でバンドを離れてしまうのである。
実はこのクリスが在籍した短い期間にくるりのコンサートに行くことができたことは未だに私の自慢である。
シングル『HOW TO GO』のカップリング『すけべな女の子』のPVのクリスが超かっこいい。



そして岸田、佐藤、たっしんの3人となり6枚目のアルバム『NIKKI』が制作される。
これはまたアコースティックな雰囲気からUKロック色の強いアルバムである。
この時期のくるりの良さは『Baby I Love You』に全て凝縮されていると私は勝手に思っている。

そしてここでギター大村が脱退する。

ここでくるりの歴史を凝縮したベストアルバム『Tower Of Music Lover』が発売される。
3枚組となっており、3枚目には未収録やボツとされた曲も収録されている。



私が一番好きなアルバムが7枚目の『ワルツを踊れ Tanz Walzer』である。
岸田と佐藤の2人体制であるが、アレンジに力を注いでおり十分な聞きごたえがある。
オーストリアのウィーンでレコーディングされ、ストリングスやホーンなどが多く入っていて今までとはがらりと雰囲気の変わるものとなった。

『魂のゆくえ』『言葉にならない、笑顔を見せてくれよ』と続いて、初期のくるりのような、岸田と佐藤がふたりで笑いながら作ってるような情景が思い浮かぶようなものであった。
森、大村が在籍していた頃のくるりを懐かしむような、それでも前に進む彼らの生きざまを見た気がする。

そしてここで確変である。
ギターの吉田省念、トランペットのファンファン、ドラムの田中佑司が加入し一気に5人編成となるのである。
一体何が起こったのか私にはわからなかった。
しかしこれが彼らの選択なのであればと覚悟していた矢先、ドラムの田中佑司が脱退した。



4人体制で作られた『坩堝の電圧』はすさまじかった。
正直あまり聞きこんでいるわけではないのだが、それほど聞こうと思うことにエネルギーが要されるアルバムである。
そしてこのアルバムを発売したのち、吉田が脱退する。

しかし2010年には「くるり・ザ・セッション」として大村、森も登場してくるりの曲を演奏するという一幕もあった。
バンドをやっていれば人間同士の軋轢や音楽性の違いなど諸々あるかもしれないが、くるりのこの多様な音楽を作り上げるためにはこれだけ多くのアーティストが関わることが何より必要だったのかもしれない。
くるりはブラック企業などではなく、「岸田と、相談役の佐藤」のふたりによるプロジェクトであると思っている。
次はどんなアルバムが、次はどんなと楽しみにな るアーティストである。

ファンファンを含める3人の状態で発表された「変な新曲」と称される『Liberty & Gravity』はこれまた衝撃的であった。
3人体制でのアルバム『THE PIER』が昨年9月17日に発売されたので是非聞いてようと思う。


01. 2034
02. 日本海
03. 浜辺にて
04. ロックンロール・ハネムーン 【チオビタ・ドリンク2013夏編CMソング】
05. Liberty&Gravity
06. しゃぼんがぼんぼん
07. loveless <album edit> 【チオビタ・ドリンク2013~2014 通年編CMソング】
08. Remember me  【NHK総合「ファミリーヒストリー」テーマソング】
09. 遥かなるリスボン
10. Brose&Butter
11. Amamoyo
12. 最後のメリークリスマス<album edit>
13. メェメェ
14. There is(always light)  【10月18日公開・映画「まほろ駅前狂騒曲」主題歌】
(通常盤)
VICL-64167 ¥2,900(+TAX)
2014.9.17





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