こんにちは、またらんのバンド・ワン・ステップアップ第7回です。


『またらんのバンド・ワン・ステップアップ』


テーマとしてはあなたのバンドの何か足りないもの、どこかパッとしない原因となっているであろうことを毎回色々な視点から探っていくというものになります。



またらん


都内某ライブハウスでPAエンジニアや照明スタッフとして働きながら自身もまたギタリストとしてバンド活動をしています。


またギタリストのための音作りbot(@gt_sound_making)、ギタリストのための音作りブログ(http://guitarsoundmaking.blog.fc2.com/)の管理人もしています。


前回に引き続き今回もメンバーのモチベーションのお話を続けさせていただきます。


前回の記事を読んでいない方はこちら→またらんのバンド・ワン・ステップアップ【第6回】バンドメンバーのモチベーションが上がらない理由を考える



前回はどうしてメンバーの餅ネーションが低く感じるのか、どうすれば自分と同じレベルまで引き上げられるかというお話をしましたが前回の内容だけでは実際にバンド活動に対する更なる熱意を引き出すのは難しいです。前回のお話はあくまで最低限度メンバーが同じレベルでバンドに向き合うための考え方でした。


今回はそこからさらにバンド全体でモチベーションをあげていく方法を考えましょう。



 



理想像を共有する





今回のお話の中心になるのは可能自己という概念です。


専門的な説明は省くとして、とどのつまり将来自分がどうなりたいか、またはどうなりたくないかと自己理想像を描くことでモチベーションを高めるという考え方です。


バンド活動においては将来の自分の理想像とバンドの理想像の二元的なものとして考えることができるでしょう。


バンドメンバー個人として将来像をメンバーそれぞれが具体的に考え、またその将来像が集まったバンドはどのようなものになるのか、そしてどのようなシーンの中での立ち位置にいるのかと二重に考えることになるはずです。


もちろんバンドに対する理想像がメンバーの中で食い違ってくる場面を多くあるでしょう。


各メンバーの個人の理想像とバンドの理想像が共に実現するのが不可能に思えることを多くあるでしょう。


そこを未来の事だからどうなるかわからないしとうやむやにせずに納得がいくまで話し合うのです。


未来の事とはいえこのミーティングは大いに時間をかける価値があります。


朝まで白熱した議論を酌み交わすくらいの気概でやるべきでしょう。


ただ注意する点として前回の記事で書いたことがクリアできていない状態でこの話し合いをしてもかなりの高確率でバンドにとって悪い結末を導く原因のものとなってしまうでしょう。


結果を急ぐがためにバンドを崩壊させる必要はありません。一つずつ着実に問題をクリアしていきましょう。



そして将来の理想像を思い描く点において最も重要な点はより具体的にイメージをするということです。


例えばメジャーデビューしたいと漠然と考えるのではなく、メジャーデビューしてどうするのかということを綿密に想像するのです。


デビュー後の様子をまるで明日の事のように考えましょう。


例えばMステに出演することになったとして何時に撮影スタジオに行くのか、移動手段は何か、タモさんの楽屋に挨拶に行ってどんなことを話すか、番組のオープニングでの登場はどのような立ち振る舞いにするのか、座る並びはどうするかなどとできる限りで緻密な想像をするのです。



これらをバンドで共有することによってバンド全体の目標が明らかになります。


そしてその将来像を実現するために足りないものが見えてくるでしょう。



 



理想像と現状のギャップを認識する





ここまでがバンドで共有できたら後は難しい事はありません。


その理想像と今の自分たちとのギャップはわざわざ口にするまでもなくわかるでしょう。


そこが認識できるとそのギャップを埋めようとする心理が働きます。


しかしながらいつもガラガラのライブハウスで演奏している状態からMステに出ることを考えてもその差が大きすぎて実際には何をすればいいのかがわからないと思います。


そこで考えるべきはその理想像を最終的なゴールとしてそれに向かうための長期目標、中期目標、短期目標の設定です。


例えばMステに出るという理想像から考えると(わかりやすい例として集客を中心な話にします)


まずメジャーデビューしなくてはいけない(長期目標)



そのためには2年後にプレゼンライブをしてそこにお客さんを50人呼びたい(中期目標)



そのためにはまず年内に自主企画をしてトータル100人以上の動員のイベントにしよう(短期目標)


なんてところです。(かなりむちゃくちゃな例ですがあくまで考え方の説明ということでご容赦を)



ここにもちろん演奏力であったり楽曲力、人間性やセルフプロモーションの形態など色々な面が含まれてくるでしょう。


この目標が適切に設定できればそれぞれの目標をクリアするために具体的にどのようなことをしなければいけないか、そういったことを自然に考えられるようになるのです。


そしてそうなればメンバー個々がそれを実現するための行動を自律的にとるようになっていくという寸法です。


後は状況に合わせて各目標を微修正していく作業の繰り返しです。



最後に注意しておきたいことを述べさせていただきますとこれらの理想をバンドで共有できない場合は更なるモチベーションの低下につながってしまう恐れがあります。


メンバー同士しっかりと腹を割って全員がしっかりと納得できる目標を設定することでメンバーのモチベーションがより強固なものになりますので全員の意見をしっかりと共有し議論しメンバーの意見を汲み取った目標を立ててください。


一人の理想を押し付けるような形になってしまうとバンドの解散につながる事もありますので慎重に。



 



text by またらん



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