昨今、名前に強いインパクトを持つバンドは少なくない。メジャー・インディを問わず、一度聞いたら忘れないような名前のアーティストは多々いるが、今回紹介する「スーパーサルナンデス」もその一つといえるだろう。

“サル山をリストラされた猿たちが結成した、スーパーファンクソウルな演奏を披露する謎のバンド”、スーパーサルナンデス。その正体は、作曲家でありギタリストでもある森正明が中心となったプロジェクトだ。森は、ビリーバンバンの「また君に恋してる」の作曲者であり、数々のミュージシャンへの楽曲提供や共演のほか、「いいちこ」「いすゞ」などのCMソングの作曲を手がけた人物である。



転職ヒエラルキー(ロックンヒエラルキー)

スーパーサルナンデス feat. 谷本賢一郎

muevo entertainment
発売中



スーパーサルナンデスのファースト・アルバムは、NHK『フックブックロー』でお馴染みの谷本賢一郎をヴォーカルに迎えた『転職ヒエラルキー』(※ロックンヒエラルキーと読む)。表題曲は、ひょうきんなタイトルからは想像できない、お洒落なイントロに驚いた。金管楽器やパーカッションが効いたサウンドは、なんともソウルフルである。歌詞の随所では“ウキー ウキー”“犬は嫌いだ 負け犬なんかじゃない サルナンデス”と、バンドコンセプトのアピールも忘れない。




谷本賢一郎



加えて、同作に収録されたインストゥルメンタル曲も、ことごとくカッコいい。特に「スーパーサルナンデスのテーマ」では、サックス、フルート、ギターと次々に移っていく主旋律に耳を奪われる。お洒落な音楽を欲しているすべての人に、自信を持っておすすめする1曲だ。






一方、YouTubeで公開されている映像は違う意味で衝撃的。岡崎体育のMVを手がけ、お寿司のアニメーションで知られるイラストレーター・寿司くんによるアニメーションは、5匹(+α)のサルたちと谷本賢一郎が織りなす、ゆるくて脱力系の物語だ。思うに、このサルたちならリストラされても十分にやっていけそうである。


文・小島沙耶


スーパーサルナンデス 公式ツイッター

https://twitter.com/sarunandesu0803


谷本賢一郎
1974年4月23日生まれ。兵庫県佐用町出身。2004~2014年3月まで、社会風刺コント集団「THE NEWSPAPER」に在籍。NHK Eテレ『フックブックロー』けっさくくん役としてレギュラー出演し注目を集める。BS12で放送中のキッズアニメ『JELLY JAMM』主題歌、挿入歌を担当。2016年3月にはNHK『スタジオパークからこんにちは』に生出演。全国でのファミリーコンサート、アコースティックライブに加え、『FUJI ROCK FESTIVAL'15』『NEW ACOUSTIC CAMP'15』『ACO CHILL'16』など野外音楽フェスにも出演し、活躍の場を広げている『LOVE FOR NIPPON』など、ボランティア活動や、学校・保育園・幼稚園でのライブ活動もライフワークの一環として行っている。

谷本賢一郎 公式ホームページ

http://maimusic.net/