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学園祭シーズン、PAについてこれだけは知っておきたいこと

学園祭シーズン、PAについてこれだけは知っておきたいこと

現役音楽エンジニアの「またらん」による学園祭PAについてのスペシャルコラム。何の機材を選べばいいか分からないと困っているあなた、必見です!

ちょうど今、大学の学園祭のシーズンでしょうか? 自分が働いているライブハウスには音楽スタジオ併設されているのですが、大学生の深夜練習の予約が大量に入っててんてこ舞いです。

さて学園祭でやるライブといえば大きなステージの場合もありますが基本的には教室などでやることが多いと思います。スタジオ等で機材レンタルをしてそれにオペレーターがつくこともありますが予算的にそんなことはやれないというサークルや部活動の方も多いでしょう。そこでサークル内でちょっと機材に詳しいというあなたがPAをやらされてたり。


「でもちょっと待って、俺ギターの機材しかよくわからないよ!」といっても聞き入れてもらえません。だって他にやれる人もいないのですから。かくいう自分も学生時代同じような目にあいました。とりあえず任されたからにはしっかり仕事を全うしようと思ってPAについて調べてみても難しいことが書いてあるHPしか見つからなくて辟易したり。そういう人たちのために最低限度の知識をつけてサークルのライブに臨んでもらおうと、今こういった記事をかいているわけです。

まず前提としてですが、特別大きなスピーカー、卓、またはラックエフェクター類がない状態でPAをやるという前提で書かせてもらいます。といってもそういった環境の人たちにもためになることも書いていきますけど、エフェクトだとかそういった細かいところに関しては自分で調べてくださいな。

まず基本的な機材を繋ぐ順番としては



①マイク~PA卓~パワーアンプ~パッシブスピーカー


②マイク~PA卓~パワードスピーカー



ということは理解しましょう。



サークルの設備によってスピーカー類が違うと思うので2種類書かせていただきました。まずパワードスピーカーはスピーカー自体にコンセントを繋ぐところがあり、それをつなぐことによって音が出るようになるスピーカーのことです。以下の画像のようなタイプのもので裏にツマミなどがついています。










パッシブタイプのスピーカーは以下の画像のようなものです。



ツマミ等はついていなくてスピーカーを繋ぐ受け手があるだけです。この手のスピーカーを鳴らすにはパワーアンプというものが必要になります。








パワーアンプは以下の画像のものです。ここで音を増幅させてスピーカーから音を出します。






実質的にいうとパワードスピーカーはパワーアンプが内蔵されたスピーカーのこととなります。



さて、繋ぎ方をざっくり確認したところで実際的にライブのオペレーションをしていくなかで必要なことに触れていきましょう。

まずはどのようにマイクで音を録るのかという点。ドラムの場合は基本的には打点を狙うといいでしょう。基本的にはヘッド(打面)の中心部です。アンプの場合はスピーカーのコーンの中心部から少し外れたところを狙うといいでしょう。網がかかって見えない場合はスマートフォンのライトなどで照らすと見えます。演者が変わるごとにセッティングの位置が変わるためその都度調整をしましょう。

そして実際にマイクで音を録る場合には卓側のゲインのつまみでマイクの感度を調節できます。このマイクの感度を適切に調整することがキーです。といっても多くのチャンネル数の少ない卓では入力レベルがどれくらいか確認することはできないでしょう。



そのため重要視することはクリップさせないということです。ほぼすべての卓に入力信号に応じて各チャンネルに光るランプがあるかと思います。これが赤く光るとクリップした状態です。クリップしてしまうと音が歪んでしまい濁ってしまいますし、ギターのエフェクター等のコントロールされた歪みと違いスピーカーにダメージを与えてしまいます。最悪の場合スピーカーから音が出なくなる可能性もあるため絶対にクリップさせないようにしましょう。しかしかといって入力信号が小さすぎると音がほとんど拾えないので演者の音量に合わせて適度に調整しましょう。

また各チャンネルに限らず、卓のメインボリューム、パワーアンプ、パワードスピーカーにも同じようなランプがついています。



こちらも同様にクリップさせてしまうと音が出なくなるといったトラブルが起きますので、すべてをクリップさせないよう気を使いましょう。クリップしてしまう場合は各チャンネルのフェーダーを下げ音量を下げることかそれぞれの音量をコントロールするつまみを下げることで解消します。



また音を出しているチャンネル数が多くなればなるほどメインボリュームやパワーアンプがクリップしやすくなります。できる限り最低限のチャンネル数にするのが大事でしょう。ボーカルの音を出すのは絶対必要として、ほかにライン入力になるキーボードなどを優先し、ドラマーの音の大きさやギター、ベースの音量に合わせスピーカーから音を出す必要がない音はカットしましょう。



またイコライジングでもいらない音を切るようにするとクリップせずにだしやすくなります。例えば教室などでやる程度であればギターのローは思い切り削ってしまっても外音にあまり大きな影響はありません。

そしてミックスするという段階に移っていくわけですが教室の構造などによってPA卓を置く位置がステージ裏や横になってしまうことも多いでしょう。しかしそこで聴いて気持ちいいバランスに調整しても、ステージの正面で観ている人が聴いている音とはかけ離れたものになってしまいます。なのでしっかりとバランスを録るためにはステージ正面のお客さんと同じ位置で音を聴くことが大事になります。



実際、ミックスするってどうすればいいのかというところですが、本当に気持ちいい音を出すにはそれなりの経験が必要ですしそれこそプロの技になってしまいます。この説明だけでそんな環境で最高の音を出せたら自分たちは廃業してしまいます(笑)。それでもどうすればいいかというのにはできる限り自分の気持ちよく聴ける音に近づけるということです。聴いていてどの楽器がうるさいなと思えばその楽器を下げる。それだけです。正直中音(アンプから出ている音とドラムなど生の音のこと)がひどいバンドはどうにもならないです。そのバンドが出している音ができる限り気持ちよく聴こえるようにサポートしてあげましょう。

では、皆様の学園祭の成功を祈っております。




文・またらん

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