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午前四時、朝焼けにツキ――激情と哀愁の狭間で

午前四時、朝焼けにツキ――激情と哀愁の狭間で

muevo編集部にリクエストが寄せられた「気になるアーティスト」を紹介するmuevo pick up。今回は「ゴゼヨ」こと午前四時、朝焼けにツキの登場です。



最近のバンドはとにかく変わった名前のものが多い。muevoで紹介してきたバンドの中にも変わった名前を持ったアーティストがたくさんいるが、今回紹介するバンドもその一つ。その名も「午前四時、朝焼けにツキ」、通称「ゴゼヨ」だ。


新潟県を拠点に活動をする、5人体制のギターロックバンド。その編成は少し変わっており、ギタリストを3人擁している。実は、彼らは初めからこの体制だったわけではない。2015年1月、メンバー2名の脱退を受け、その後の活動続行が危ぶまれる事態となった。しかしすぐに新たなメンバー3人を迎え新体制を整え、わずか50日後に全曲新曲にて初ライブを敢行するという強さを持ったバンドだ。



彼らの楽曲の特徴は、どこか懐かしいメロディと、日本語のシャウト系ヴォーカル。ゴゼヨのメンバーはそれを「激情系『帰りたくなる哀愁ロック』」と呼ぶ。楽曲を聴いてみると成程、そのキャッチコピーは言い得て妙だ。例えば、昨年11月にリリースした最新音源『飴玉泣イタ』の2曲目「アイビス」。「空」をモチーフにしたこの曲は、澄んだヴォーカルと歪んだシャウト、伸びのある歌と細かに動くバンドサウンドの対比が耳に刺さる。疾走感のあるメロディは前向きなのに、時折叙情的な響きを持つ。中でもはっとするのは、最後のサビの前、1オクターブ下がる五十嵐一輝(Vo, Gt)の歌だ。抜けるように澄んだ声が一瞬だけ、切なげな色を帯びる。哀愁を纏ったその歌が、静かに胸に沁みる。



もう少し、彼らの楽曲の紹介を続けよう。まず、「因呶羅」。インドラ、と読むこのタイトルはインドの神の名前だが、その楽曲は意外なほどに“和”の響きを持つ。さらに印象的なのは、中元秀哉(Vo, Ba)の繰り出すシャウト。〈僕は僕を辞められない〉と繰り返す叫びは、猛々しくもどこか切ない。



YouTubeにてLIVE MVを公開している「染マル」は、2015年3月にリリースしたデモCD『スタミナ三國志 ep』の収録曲。終盤のコーラスは、童謡のように馴染みやすいメロディだ。3本のギターとベース、ドラムが絡み合って放つ強いエネルギーは、さながら朝焼けのよう。「午前四時、朝焼けにツキ」という奇妙なバンド名は、彼らの音の特徴をしっかりと表しているのである。



最新作のタイトル『飴玉泣イタ』は、新潟の方言で「飴玉が溶けてひっついて離れない」という意味だという。様々な色や味を持つ飴玉を人々の心に例えた今作は、たしかに聴く人の心を捉えて離さない1枚である。新体制になって約2年、厚みを増し続けるゴゼヨの音楽に注目だ。

文・小島沙耶


午前四時、朝焼けにツキ
五十嵐一輝(Vo, Gt) 、中元秀哉(Vo, Ba) 、三宮広大(Gt, Cho)、渡邉翼(Gt, Cho)、中尾佳介(Dr, Cho)。2014年10月、初の全国流通盤となる1stミニアルバム『鉄也林部』をリリースし注目を集める。2015年、メンバー脱退~現メンバー加入を経て現在のスタイルを確立。全国各地でライブを展開し、各地のフェスやサーキットなどにも出演を果たし、話題となる。2016年1月に「ゴゼヨ第二章」として2ndミニアルバム『カワラズ』をリリース。全国ツアーを行い、ツアーファイナルの地元新潟でのライブのチケットは発売後2分という速さでソールドアウトを記録。その後もミリオンロックやOTOSATAをはじめとする各地のフェスやサーキットにも出演を果たし、知名度を一気に上げる。

午前四時、朝焼けにツキ オフィシャルホームページ

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