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CLOW――誰かを救うための歌

CLOW――誰かを救うための歌

muevo編集部にリクエストが寄せられた「気になるアーティスト」を紹介するmuevo pick up。今回は北海道出身のシンガー、CLOWさんの登場です。


“音楽や芸術に救われた”という経験を持つ人は珍しくない。美しい音楽や真っ直ぐな音色はときに、疲れた心を癒やし、傷を埋める役割を果たす。今回紹介するシンガー・CLOWもそんな一人だ。今度は自分の音楽で誰かを救いたい、傷を癒やしたいという想いから、彼女は歌っているのだという。


北海道札幌市出身、23歳。2013年に上京し、独学でギターを始めると、翌年夏から東京都内を中心に活動を始めた。2016年2月にはMUSICAや、A-sketch、SPACE SHOWER TV、HIP LAND MUSICが主宰する「MASH A&R」2月度優秀アーティストに選出され、さらに同年3月にはCOLUMBIA U-25 AUDITIONの最終審査を通過。6月には「Shimokitazawa SOUND CRUISING 2016」に公募枠で出演するなど、アーティストとしては順調なキャリアを重ねてきた。しかし、彼女の中高生時代は決して華やかなものではなかったという。CLOWは、中学・高校時代はずっと一人で勉強ばかりしており、「問題集が友達だった」と話す。大学生になり、アコギを手にしたことで彼女は変わったのだ。




1月18日にリリースされた1stミニアルバム『DEAR FRAME』に収録された「スクロール」の歌い出しは、〈今日 僕が大好きなバンドが解散するらしい〉。CLOWは日常に訪れるちょっとした出来事を、淡々と、呟くように歌う。指先で”スクロール”すれば簡単に流れていってしまう〈誰かの日常〉だが、きっと自分の〈僕の「日常」〉も同じ。他の誰かにとっては、スクロールで流して消してしまう存在なのだ。救いがないようにも聞こえる曲だが、歌うCLOWの声は柔らかく、どこか優しい。土砂降りの雨を思わせる激情的なアコギの音も、柔らかな雰囲気を崩さない。〈僕の心はスクロールされない こんな気持はスクロールできない〉と歌い叫ぶ後半を、ぜひ多くの人に聴いてほしい。




ミニアルバムには他にも、頷きながら聴きたくなる楽曲が並ぶ。2曲目の「Hair Make」は、誰かにあわせながら生きていく気持ちを〈前髪〉になぞらえた1曲だ。どこにでも見られる風景を切り取り、ハッとするような歌を紡ぐCLOWは、より強い“共感”を招くために自らのルックスを明らかにしていない。彼女はあくまでも「どこかの誰か」であり、「一人きりのあなた」なのだ。




『DEAR FRAME』の3曲目は「みんな同じ恋の歌ばっか つまんない」。〈みんなと同じなら 別にあなたじゃなくてもいいでしょう〉と没個性を批判しながらも、〈とりたてて違うところなんて 何一つ見つかんない〉と自らを省みる。軽快なアコギの音とは対照的な言葉は、もがきながら生きていく人々の姿そのものにも見える。


CLOWのライヴでは手拍子や歓声が起こらず、オーディションは張り詰めた静寂の中で彼女の歌に聴き入るという。 やわらかな歌声のどこにそれほどまでの迫力があるのか、ライブハウスで確かめていただきたい。


文・小島沙耶



CLOW

北海道札幌市出身。2013年4月、上京。2014年8月、都内を中心に活動を始める。2015年、ヤマハ主催ミュージックレボリューション東日本ファイナル出場。モナレコード主催『モナレコ女子!』ファイナリスト。2016年、『MASH A&R』2月度優秀アーティストに選出。2017年1月、ミニアルバム『DEAR FRAME』をリリースした。

http://clowofficial.wixsite.com/clow

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