「カワイイは正義」という言葉はなかなか真を突いたものだと思うが、ならば「かっこいい」もまた正義であるはずだ。「かっこいい」に名乗りをあげるのは勇気がいることかもしれないが、今回紹介するバンドは、自分たちの名前にその言葉をしっかりと冠している。


phatmans after school、略称は“pas”。“phat”はアメリカ英語で「かっこいい」を意味するスラングであり、つまり“phatmans after school”は「放課後に輝くかっこいい男の子達」という意味だという。彼らは2010年に札幌にて結成、2011年11月にミニアルバム『ボクノバアイハ』でメジャーデビューを果たした。その後もコンスタントにシングル及びアルバムのリリースを重ねており、2017年4月にはミニアルバム『未完成フューチャー』をリリースする。




『未完成フューチャー』(初回限定盤)
4月12日発売
BUDDY RECORDS



彼らが武器とするのは、メロディアスな楽曲、爽やかながらもアグレッシヴなサウンド、そして聴き手が思わず自分を重ねて合わせてしまうような、等身大の葛藤を描いた歌だ。今作の表題曲「未完成フューチャー」は、まさに彼らの未来を示すかのような楽曲。差し込む光のように煌めくギター、疾走感溢れるベースとドラムにヨシダタクミの深みのある声が合わさり、どこまでも広がるかのような、明るく壮大な音楽を生み出していく。





この曲のセルフライナーには「僕達の人生はまだ未完成で、いつだって予定は未定だ。だからこそ、生きてみようかと思うのだ」と書かれている。「僕達の」という言葉が示すように、曲中の〈どこまでも 行こうぜ〉というメッセージは前向きだけれど、「着いてこい」と背中を見せたり、反対に後ろから背中を押したりするわけではない。「一緒に行こうよ」と隣で声を掛けるかのような、そんな優しい強さを持った曲だ。

1月にリリースしたミニアルバムの表題曲「過去現在未来進行形」でも、pasは未来への想いを歌った。〈夢は過去未来現在進行形 志ある限りはing〉と強い言葉を用い、“夢”を諦めずに生きていく決意を表している。今作の「未完成フューチャー」は、さらにその先を歌っているように感じる。pasの鳴らす音はシンプルで、それだけに個々の音と、何より歌が際立つ。聴き手自身も自分の”夢”を思い出し、“未来”へと想いを馳せずにはいられない。ヨシダは〈叶えるのは 誰かじゃない 自分の手で 掴み取れ〉と歌うけれど、それはずっと夢を追い続けた進行形の未来でしか叶わないのだ。

pasはこの曲とともに、〈未曾有の大航海〉へと漕ぎ出していく。その姿は名前に違わず、とにかくかっこいい。さあ、この曲を聴いた我々はどうだろうか。ミニアルバムを聴き終える頃にはきっと、各々の描く〈最大級の夢の中〉への一歩を踏み出す準備ができているはずだ。

文・小島沙耶


phatmans after school
2010年結成、札幌出身の3人組バンド。2011年5月、BUDDY RECORDSよりデビューミニアルバム『phatmans after school』をリリース。同年11月にメジャーデビュー。以降、2枚のアルバムと3枚のシングルを発表。ギターロックをベースに、自由なバンドサウンドでライブ活動を展開。2016年のワンマンツアー後にホンマアツシ(Dr)が脱退、新たにサポートDrを迎えて活動中。2017年1月にミニアルバム『過去現在未来進行形』を、4月12日には最新ミニアルバム『未完成フューチャー』をリリースする。
https://phatmansafterschool.com/

■phatmans after school ワンマンツアー2017 〜near near near〜


6月9日(金) 広島 SECOND CRUTCH

6月10日(土) 福岡 LIVE HOUSE CB
6月21日(水) 大阪 心斎橋Music Club JANUS
6月22日(木) 愛知 名古屋SPADE BOX
6月29日(木) 宮城 仙台HOOK
7月1日(土) 北海道 札幌Sound lab mole

7月13日(木) 東京 渋谷CLUB QUATTRO


チケット
前売り:3,300円(税込) *ドリンク代別途必要
ファンクラブ先行受付(抽選):3月17日(金)12:00 - 3月31日(金)18:00
*ファンクラブ入会はこちらから → https://phatmansafterschool.com/sp/

インストアイベント


4月16日(日) タワーレコード難波店 13:00 START
4月23日(日) タワーレコード名古屋PARCO店 13:00 START
5月11日(木) タワーレコード新宿店 19:00 START