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ヨルニトケル――最新ミニアルバム『perfect white fictions』リリースインタビュー

ヨルニトケル――最新ミニアルバム『perfect white fictions』リリースインタビュー

90年代の音楽の遺伝子を受け継ぎ、自らも「次の世代、そのまた次の世代を巻き込んで広げていきたい」と語る4人組、ヨルニトケル。そのビジョンに迫ったインタビュー。


写真左から布施達暁(Vo, G)、野月悠平(Gt)

4月30日に最新ミニアルバム『perfect white fictions』を発表したバンド、ヨルニトケル。「この4人でヨルニトケルなんだっていう名刺代わりの1枚」と語った彼らに、今作への想いと今後の活動について話を聞いた。

終わらない夢の中から現実を謳う。此の夜は僕らだけのもの。

――今回muevo初登場ということで、改めて自己紹介をお願いできますか?

布施達暁(以下、布施) ヨルニトケルのヴォーカル・ギターの布施達暁と申します。よろしくお願いします!
野月悠平(以下、野月) ギターの野月悠平と申します。どうぞよろしくお願いします。

――2人の仲はもう長いんですか?

布施 そうですね。メンバー4人の中でも、この2人は小学校1年生から友達なんで(笑)。中学も高校もずっと一緒で。でもクラスが一緒になったのは4年間しかないですね。気付いたら一番長い付き合いになってました。

――結成のいきさつは?

布施 元々は高校で、アジカンのコピバンとして活動してたんです。でもその前に、中学生の頃に野月くんから「ギターやろうぜ」と誘ってきたのがきっかけでした。
野月 お互いCDの交換とかして、その流れでよくカラオケに一緒に行くようになったり。
布施 しかも田舎だからカラオケも1〜2店舗しかなくて。
野月 そうそう、そこからバンドの話になって、お小遣いためてギター買おうって感じだったね。
布施 最初は、野月くんがヴォーカルで、僕がギターだったんですけど、カラオケに行ったら僕の方が歌が上手いってことに気付いて(笑)。その流れでこうなりました。そして他のメンバーとは高校1年生の時に一緒になって。文化祭に出てるバンドにムカついて、「あんなんじゃないでしょ!」ってことでバンドを組みましたね(笑)。

――お互いのCDを聴き合ったり、カラオケによく行っていたということですが、どんな音楽から影響を受けていますか?

布施 僕はずっとL’Arc-en-Cielが大好きです。
野月 で、僕はGLAYが好きですね。
布施 ちょうどその2バンドって絶妙に混ざり合わないじゃないですか。一定の距離感を保っているというか。田舎だから「良いアーティストを知ったらとりあえず共有する」ていうのをよくやってたんですよ。なのでお互いに色々オススメし合ってて、そこから仲良くなった、って部分もありましたね。

――他のメンバーはどうですか?

布施 ベースの木野くんはJ-POP育ちで、でも何故かLUNA SEAがすごく好きだったので、90年代のV系3大バンドが大好きな3人がまず集まって。ドラムの洋祐だけちょっと好きなジャンルが違っていて、アコースティックや生音系のアーティストが好きなんです。リズム隊の2人は僕らと比べて洋楽のアーティストも好きですね。そのおかげで、4人合わせて良いバランスになっていますね。

――なるほど。個人的にも、今回の最新アルバム『perfect white fictions』には皆さんが好きな90年代の音の影響って出てるなと感じました。

布施 今回メンバー4人が全員、作曲をしているのもあって、曲毎に各メンバーの影響が出てるのが面白いですね。

――アルバムのコンセプトはありますか?

布施 昨年末に以前兼任していたバンドを脱退して、ヨルニトケル一本になってから一発目のアルバムだったので、リスタートというか、好きなものをとにかく追求するっていうのを極めたアルバムになったかと思います。この4人でヨルニトケルっていうバンドなんですという、自分たちを紹介するための名刺代わりの一枚にしたいと思って作りました。メンバー4人がそれぞれ作曲したのも、その意向から来たものでしたね。

――それぞれの曲について教えてください。

布施 1曲目の「halation」は2016年の夏前には出来てて、最初は今回の作品に入れる気がなかったんです。ただ曲を作っていくうちに、アルバム全体を通してすごく暗い作品にしたくなったので、根幹となる曲として入れました。「halation」はヴォーカルである僕の声の一番低いところと高いところが全部入っているので、ある意味挑戦した曲というか。その割に歌詞は、救いがない曲なんですけどね。
野月 なんとなく「halation」を基準にして全部の曲が出来上がった感じでした。





布施 2曲目の「paranoia」は「halation」から地続きになっていて、この曲は「明日になってほしくない」という主張の一点張りな曲なんですよね。夜中の3時とか4時とかに起きてると、実は日付的には翌日になるじゃないですか。でも感覚としては前日の夜のままなんですよね。例えば翌日にめっちゃ嫌なことがある時って、その時間に起きてたとしたら「うわ、やだー」ってなるじゃないですか。あの気持ちをぶち込んだ曲ですね。だいたい僕の曲ってその時間帯に感じたことを書いた曲が多いです。非常にダークな気持ちで。

布施 次の「diva」は一転してポップな曲調になっています。アルバム全体が暗く重たくなっているので、唯一の休憩スポット的な存在というか。敢えて触れやすくしたというか。可愛らしい曲調なんですけど、実は歌詞が一番エグいんです。歌姫の失墜みたいな。新しいことに挑戦しようとして、さあ行くぞってなっても、いざ目を開けると眩しすぎて目が慣れるまで時間がかかるじゃないですか。人生ってそんなに上手くいくわけがないんですよね。だから壊していくしかないよなあって。そんな気持ちを書いた曲です。




布施 ここまでの曲は僕が書いてるんですけど、ここから先はメンバーそれぞれが作曲した曲で。次の「parade」はドラムの洋祐が作ってきました。アルバムの中で一番お洒落な曲になりましたね。僕らには今までにない曲調で、シティ感というか都会っぽくなっていて。俯瞰的に歌詞を書いてくれって要望があったので、夜中に近所の首都高の近くまで行って、すごい排気ガスが臭い場所で、途中でマック行ったりしつつ、iPhoneのメモ帳に一気に歌詞を書き上げました。

布施 5曲目の「conscious」は野月くんが作っているので、X JAPANを始めとする90年代のバンドの影響をかなり受けていますね。最初のデモから、ガチガチに作り込まれてきてました。
野月 今のギターロックシーンでツインギターのソロをがっつりやってるバンドってあまりいない気がしてたんです。布施くんはこないだまでギタリストでもあったし、元々ヴォーカルの割にかなり弾けるので。やったら面白そうだなと思って、実現しちゃいましたね。

布施 最後の「nightmare」はベースの木野くんが作ったんですけど、一番狂ってるメンバーなので……それが曲の構成にも表れていて。彼はいつも「本来ならこっちに行くはずなんだけど」っていうセオリーじゃない方に行くんですよね。だから今回は敢えてそれを木野くんが良いっていう方向に転がしていって出来上がった曲で。すごいアバンギャルドな曲になりました。歌詞とメロディだけは僕が担当して、その他の演奏の部分は全て木野くんが作りましたね。

――皆さん作曲出来るのは良いですね。

布施 楽しいですよ。今までは僕と野月くんでしか曲は作ってなかったんですけど、実はリズム隊の2人も元々ギターを弾けるんですよ。ソロとかは僕らより上手かったりもするし(笑)。それで、「ちょっと皆曲作ってみてよ」って言ったら、作ってきてくれて。原曲聴いたら、あ、これ使えるな、って。それで今回は全員作曲でいこうってなりましたね。




――完成したアルバムを聴いて感触はどうでしたか?

布施 暗いなぁと(笑)。
野月 暗いですね(笑)。
布施 売れている音楽を聴いて育ってきてるので、僕らも「売れたい」「広まりたい」っていう気持ちがあるにも関わらず、出来上がったのがこれっていうのは面白いですね。本当に売れる気があるのかっていう(笑)。でも逆に、音楽にせよ何にせよ、尖ってる部分を平たくされちゃったものの方が世の中には多くて、無難なものを押し出したがることが多いと思うんです。そこに少しずつ切り込んでいくには、こういう作品を作って鳴らし続けることも大事なのかなって。そういう意味も込めて、とても良いものになったと思います。
野月 全体的に救えない音楽にはなってるんですけど、暗い曲ってずっと長く聴いてられるんですよね。だから「あの時聴いてたな」って記憶に残りやすいんじゃないかなって。今聴いてもいいと思えるし、また何年後かに聴いてもいいと思えるような、そんな作品になりましたね。
布施 そうですね。息の長いものになったなって。30代、40代になってもこれやってたらかっこいいなっていう。

――リリースとツアーを通してバンドとしてどう成長していたいですか?

布施 こういう音楽を鳴らすバンドの現代の代表格になりたいですね。来年はこの規模をもっと広げたいです。今って、わざとらしくかっこつけてるギターロックバンドって少ないと思うんですよね。「流行ってないから」っていったらそれで終わっちゃうんですけど。そうじゃなくて、「元々そういうかっこいいものがあるんだよ」って僕らは思ってやり続けているので、最終的には次の世代、その次の世代を巻き込んで、広めていけるようになっていきたいです。

――最後に読者の皆様にメッセージをお願いします。

野月 まずは聴いてもらいたいですね。
布施 そうだね。こういう音楽があるんだぞっていうのを、少しでも知っていただけたら嬉しいです。まずは、触れてみて欲しいですね。

インタビュー・文 徳田菜摘(muevo)


ヨルニトケル


写真左から、木野浩之(Ba)、布施達暁(Vo, Gt)、高橋洋祐(Dr)、野月悠平(Gt)。2006年、青森県十和田市にて高校の同級生4人により結成。2011年より東京都に拠点を置き全国にて活動開始。ロッキング・オン・ジャパン主催「RO69JACK 2015 for COUNTDOWN JAPAN」入賞。2016年3月、渋谷club乙にて初ワンマン「pictured black heaven」を開催、ソールドアウト。2017年5月より「Tour 2017 “white sacrifice”」を敢行する。

ヨルニトケル オフィシャルホームページ

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