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クアイフ――弾けるような音のきらめき

クアイフ――弾けるような音のきらめき

muevo編集部にリクエストが寄せられた「気になるアーティスト」を紹介するmuevo pick up。今回は名古屋発のポップバンド、クアイフの登場です。



「Qaijff」。彼らがインディーズ時代に使用していたバンド名表記だ。このというバンド名を初見で読める人は、そう多くないだろう。筆者も、初めてこのバンド名を目にしたときは「クァ……ジ……フ……?」と戸惑ったものだ。しかし、メジャーデビューが発表された彼らのことを覚えておいて損はない。知らなかった人はこの機会に覚えてほしいのだが、彼らの名前は「クアイフ」と読む。名古屋出身の“絶対的、鍵盤系ドラマチックポップバンド”を名乗る彼らは、音大でクラシックピアノを学んだという森彩乃を中心とするピアノ・トリオだ。





昨年12月にリリースした1st EP「snow traveler」は、失恋を描いた美しい楽曲。幻想的なイントロと、森の透き通った声が、冬の澄み渡った空気を思わせる。〈朝が来たら 雪が溶けたら 全部消えてしまうから〉と歌詞は切ないが、曲調はとてもポップで明るい。キラキラとしたピアノの音と、それを乗せたベースとドラムとが穏やかに曲を進めていき、最後は様々な楽器の音が華やかに入り乱れる。物悲しさと、前向きさとを兼ね備えた楽曲だ。





とにかく、弾けるような音のきらめきが印象的なバンドだ。昨年4月にリリースした2ndミニアルバム「Life is Wonderful」に収録されている「Wonderful Life」は、出会いや別れ、それを乗り越える強さを題材とした曲。森の歌声は細くやわらかだが、曲の最後で〈何度も 何度もはじまるWonderful Life〉と歌う声は思いの外力強い。声量以上に迫るものがあるから、聴き手の心に響くのだ。ピアノの音がスタッカートやグリッサンドで存分に遊んだ後、この曲でも特に迫りくるのは、やはり最後のサビの音の厚み。ゴージャスにさえ聴こえるその盛り上がりに、心が躍る。





最後にもう1曲、少し古い曲を紹介したい。2014年リリースの1stフルアルバム「クアイフ」に収録されている「クロスハッチング」だ。上2曲に比べるとバンドの音がシンプルで、森の声が際立つ。〈未来はきっとこんなもんじゃない〉と歌ったこの曲は、今にして思えば彼ら自身の未来を象徴していたかのようだ。まだまだ、このバンドは大きくなる。2017年4月に開催された東名阪ワンマンツアーも決まるをソールドアウトするなどノリにノッている彼ら、数多の先輩バンドのように、誰もが知っているバンドになる日はきっとそう遠くない。

文・小島沙耶


クアイフ
森彩乃(Vo, Key)、内田旭彦(Ba, Cho, Prog)、三輪幸宏(Dr)。2012年3月、音大クラシックピアノ科出身で数々のピアノコンクール受賞歴のある森彩乃を中心に結成。2014年3月に1stフルアルバム『クアイフ』、2015年6月に1stミニアルバム『organism』をリリースし、それぞれオリコンインディーズウィークリーチャート上位にランクインさせ注目を集める。その後『organism』が第8回CDショップ大賞の東海ブロック賞を受賞し、『Don’t Stop The Music』で名古屋グランパスのオフィシャルサポートソングを2016シーズンから担当するなど躍進。2016年4月にはTBS系テレビ「SUPER SOCCER」4月度・5月度エンディングテーマ「Wonderful Life」を収録した2ndミニアルバム『Life is Wonderful』をリリースし東名ワンマンライブをソールドアウトさせる。確実にその活躍の幅を広げる中、1st EP『snow traveler』を2016年12月7日にリリースし、USEN HITインディーズチャート ウィークリー1位を獲得。同シングルリリースを記念して行われた地元名古屋でのワンマンライブ(ソールドアウト)において、2017年にEPICレコードジャパンよりメジャーデビューすることが発表された。2017年4月に行われた東名阪ワンマンツアーも全公演SOLD OUTとなるなど、今後の活躍から目が離せない。

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