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パンパンの塔――言葉とサウンドの応酬

パンパンの塔――言葉とサウンドの応酬

muevo編集部にリクエストが寄せられた「気になるアーティスト」を紹介するmuevo pick up。今回は歌、朗読、ラップを駆使する異色のバンド、パンパンの塔の登場です。



音楽を語る上で、往々にして「言葉」は切り離せない存在だ。印象に残る詞にはっとさせられたり、切ない詞にほろりとなったりした経験は、誰しもあるだろう。今回紹介するのも「言葉」が印象に残るバンドだが、彼らの曲はほかのバンドとは一味もふた味も違う。


アコギ、ベース、ドラムという、通常のバンドとは趣の異なる構成の彼らの名は「パンパンの塔」。2010年に結成し、2011年にはRO69JACK11/12の優勝アーティストとしてCOUNTDOWN JAPAN 11/12に出演した経験も持つ実力派だ。2017年3月には、2年振りとなるミニアルバム『火曜11時45分』をリリースしている。





パンパンの塔の楽曲はどれも、歌詞の語感がすごく気持ち良い。『火曜11時45分』に収録された楽曲を紹介していくと、まず1曲目の「火曜日のサスペンス」からハマらざるをえない。軽やかなヴォーカルにはあまり表情や色はなく、ひたすらに言葉を積み重ねることで聴き手を惹き込んでいく。楽器のセッションと絡み合う言葉の応酬だけで十分に盛り上がるし、もっともっと聴きたいと思わされる。





続けて2曲目「ちょうちん」に圧倒された。こちらは曲の前半、ヴォーカルにメロディらしいメロディは無い。言葉に抑揚をつけ、ギターやベース、ドラムに合わせているだけなのに、非常に音楽的に聴こえる。歌と喋りのちょうど中間のような声音で、様々な風景が提示されては消えていく(すごい速度で繰り出されるのだ)。特に中盤、ブレスも無しにまくしたてられる言葉たちはあまりにも圧巻。こんな曲を歌いこなせるのは、日本中探しても小豆原”まめ”一朗(Vo/Gt)のみだろう。

ほかにも、陽気なイントロやリズムが楽しい「探検隊と穴ぐらおじさん」、ちょっと不思議な雰囲気を纏った「とりついた男」、やわらかな旋律だがどこか浮遊感のある「となりのあいつのきみょうなうた」など、『火曜11時45分』には一度聴いたら忘れられなくなるような曲が目白押しだが、最後に少し古い曲を紹介したい。





2015年にリリースされたミニアルバム『TOWER OF PANPAN』の収録曲、「眠り姫」だ。〈踊れ 眠り姫〉と歌うまめの声の伸びがとても気持ち良い、かと思えばお得意のまくし立てるようなフレーズが出てくる。サウンドの方も、アコースティックギターの甘美な音色を堪能できたり、ベースとドラムの鋭いリズムを味わえたりと、パンパンの塔の様々な側面が窺える楽曲である。

とにかく、本記事で紹介した楽曲を、まずは1曲でも良いから聴いていただきたい。きっと、忘れられない出会いとなることだろう。

文・小島沙耶


パンパンの塔
2010年11月にバンド結成。2011年暮れ「RO69JACK11/12」の優勝アーティストに選ばれ、COUNTDOWN JAPAN 11/12に出演。一躍シーンに躍り出る。2012年に現在の編成に。2017年3月には、4thミニアルバム『火曜11時45分』をリリースした。

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