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め組――雰囲気を一変させる“音楽力”

め組――雰囲気を一変させる“音楽力”

muevo編集部にリクエストが寄せられた「気になるアーティスト」を紹介するmuevo pick up。今回は注目のポップロック・バンド、め組の登場です。

写真左から、出嶋早紀(Key)、大熊諒(Dr)、下山拓也(Ba)、富山京樹(Gt)、菅原達也(Vo, Gt)


大体の場合、バンドやアーティストには“らしさ”みたいなものがあると思う。「このバンドの曲ってこういう系統の曲だよね」みたいな。もちろん、バラードだったりアップテンポだったりと曲によって雰囲気は変わるのだが、「なんとなくこういう雰囲気」のようなものがあることが多い。しかし時々、「聴く曲によって雰囲気が全く違う」バンドに出会うことがある。今回紹介する“世界の雨打つ系リズムバンド”「め組」も、そんなバンドの一つだ。





彼らの公式サイトからいくつかの楽曲のMVを見ることができるのだが、どれもそれぞれ全く異なった魅力を持っている。例えばある放課後の風景を切り取って歌う「放課後色」は、夕暮れ時を思わすどこか懐かしい、優しげなサウンドが特徴的。Aメロの旋律が何度も繰り返されるけれど、裏で鳴るキーボードが動きを変えるだけでぐっと雰囲気が華やぐ。






他方、公式サイトで隣に配置された「余所見」は、軽快なイントロが小気味良い。〈この歌が終わったほんの数秒 僕との思い出が横切ればいい〉と「別れ」を歌っているのだけれど、しっかり意識していないと気付かないくらいに陽気な歌だ。





かと思えば、「悪魔の証明」という曲では、歌謡曲を思わせるメロディとダンサブルなギターが印象的。1曲1曲、「次は一体どんな曲なんだろう?」と期待を抱きながら再生ボタンを押すと、その都度、意外な展開に引き込まれる。おもちゃ箱をかき回しているかのような感覚だ。





彼らの既発表曲の中でも、私が特に好きなのが「マイ・パルプフィクション」。出嶋早紀(Key)の美貌を活かしまくったMVとその衝撃的な展開に目を奪われてしまうが、実はものすごく純情なラヴソングだ。菅原達也(Vo, Gt)の歌う詞は、〈あなたとなら人生無駄にしたい〉〈僕はずっと 君のルールで /満身創痍で 有罪さ〉と、手を替え品を替え、ロマンティックに愛を囁く。私が一番好きな歌詞は〈僕を殺すノリで 片目を鳴らしてくれ〉。そしてこの曲、メロディがまた、すごく良いのだ。MV込みで、とにかく一度観てみていただきたい。

そんなめ組の最新曲は、7月14日に配信された「お化けだぞっておどかして」。ちょっと和テイストのイントロで始まる曲は、半音や転調など、随所に「?!」となるギミックが散りばめられた楽曲だ。言葉数の多い歌詞に負けないくらい雄弁なギターソロも必聴。そして何より、切ないのに可愛い歌詞が耳に残る。〈僕らが持つ1こを/2人で1こにしようって/一緒になったはずなんだけど〉と歌う菅原の声は少し粘り気があって、だから余計、必死に訴えているように聴こえるのだ。





7月14日のシングルリリースを経て、ROCK IN JAPAN FESTIVALへの出演を控えているめ組。本当に、楽曲ごとに全く色を変えるバンドだ。そして、その七変化っぷりこそ“め組”らしさ”なのだと思う。大きな大きなおもちゃ箱から次はどんなサプライズが飛び出してくるのか、見逃せない。

文・小島沙耶


め組
2015年7月、菅原達也(Vo, Gt)を中心に、出嶋早紀(Key)、富山京樹(Gt)、下山拓也(Ba)、大熊諒(Ds)の5人で結成。2016年2月に1stシングル「500マイルメートル/マイ・パルプフィクション」をリリースし、各地のイベントやフェスに出演。同年7月には1stフルアルバム『恵』を発表し、9月にはTSUTAYA O-WESTにて初のワンマンライブ「恵の嫁入り」を成功させた。2017年7月14日には約半年ぶりとなる新曲「お化けだぞっておどかして」を各配信サイトでリリースした。

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