未完成アリスは、vo. 有栖川塁、Gt.唯依葉、Gt.晏、Ba.栞、Dr.和希の5人からなるヴィジュアル系ロックバンド。2017年、既に人気バンドのメンバーとしてそれぞれ活躍していた有栖川塁と唯依葉が“未完成な少女の心模様”をコンセプトに立ち上げた。

その後、サポートギタリストとして活動中だった晏もメンバーとして加わり、3人で活動を始める。さらに、初の音源となる両A面シングル「良音/2次元ラヴァーズ」の制作でサポートメンバーとして声をかけた栞、和希とも意気投合し現在の5人編成となる。

同年9月24日には、始動ワンマン「未完成な君との初めての出会い」を開催し、記念すべき1stワンマンはソールドアウトで幕を開けた。その後も、立て続けにイベント出演やワンマンライブを成功させ、驚異的なスピードで活動を拡大している。

最新音源は2018年9月26日発売、自身4枚目となるシングル「NaNa~繰り返す7人の私~」で、ツアーでは全国7都市を2周するワンマンツアーを開催予定。他にはない、アグレッシブな活動スタイルと確かなサウンドを武器に、V系シーンの台風の目となりつつある。

そんな彼らの確かな技術に裏付けされた名曲を、2曲紹介しよう。



●良音



未完成アリス1stシングルとなった「良音」は、始まりの歌に相応しく、力強いメッセージ性を持ったロックナンバーだ。バンドの生音にこだわって作り込まれたサウンドは線が太く、ロックスピリッツを感じさせる。

これからの活動に対する夢や葛藤をそのまま言葉にしたような衝動感が、気持ちの良い疾走感を生んでいるのだ。また、多彩なリズムパターンや転調が楽曲の展開にメリハリを生み、ストレートなメッセージをより際立たせている。

そして、なんと言っても有栖川塁の歌声が魅力的だ。クールな歌い出しとサビのエモーショナルな歌声のギャップに、心を奪われたファンは少なくないだろう。

活動を始めたばかりの彼らの魅力が、余すことなく凝縮された1曲だ。



●依存症パズル



どこか妖しさの漂うギターのリフが印象的な「依存症パズル」は、自身2枚目となったシングル曲だ。バンドコンセプトを体現したかのようなテーマの歌詞もファンの心を掴むのだろう。

前作からさらに進化した演奏陣のサウンドが、楽曲の妖しさを引き立てている。有栖川塁の歌声も妖艶さが増しており、ファンとの掛け合いも意識したユニークな言葉使いが面白い。

キャッチーなサビのリフレインもライブ感のある表現で、正にキラーチューンだと言える仕上がりだ。短い時間の中で急激な進化を見せる彼らのサウンドは、常にファンをワクワクさせているに違いない。

そんな彼らの音楽を生で体感して欲しい。そう思える1曲だ。


近年、楽曲の大部分で打ち込み音や飛び道具的なサウンドを駆使するV系バンドも多い中、彼らのサウンドは比較的ロックでスタンダードな部類ではないだろうか。プロモーションも無理があるように見えて、理にかなったものが多く、現に彼らは無謀にも思えるワンマンやセールスでも常に一定の成果を収めてきた。

さらに、そのハードルを少しずつ上げていくことで、短いスパンでバンドを進化させることに成功いている。誰よりも冷静に未完成アリスを分析し、前に進めてきたのは、他ならぬメンバー自身なのだ。

そんな経験から生み出した発想は新鮮で斬新だ。それは楽曲の中に、ライブの中に、プロモーションの中に生きている。

だからこそ、彼らのサウンドはいつも新しく、ジャンルの垣根を超えて聴く者の心を掴むのだ。簡単に出せる音よりも、確かな演奏力と分析力で導き出した説得力のある音をファンに届ける。

そんな誇り高い音楽家たちが作り上げる未完成アリスは、これらも新しい音色と活動でファンを楽しませてくれるだろう。今後の活動からも目が離せない。



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