神奈川県出身のシンガーソングライター、江口侑。

作詞作曲だけではなく、アレンジやミックス、さらにはMVの制作やアートワークまでもすべて一人でこなす自立型のアーティスト。

幼少期より美術やモノづくりが好きだったという江口。そんな彼が音楽を始めたのは高校生の頃。DTMを使った作詞作曲やデザインなど、今の活動の原型ともいえる活動がスタート。その後多摩美術大学に進学し、ますます制作における感性が磨かれた。

今年の春からは、東京藝術大学大学院にて「サウンドデザイン」を研究する。

江口侑の魅力は、優しさ溢れる中低音と、空気をすり抜けていくようなナチュラルなファルセットにある。優しい中低音もナチュラルなファルセットも、響き的にセンチメンタルな性質を持つといえるだろう。そんなセンチメンタルな声で温かいメロディーの楽曲を歌うので、より感情が刺激される。
またサウンドの幅も広く、フォーキーで牧歌的な雰囲気の楽曲から、オルタナティブな要素を感じるような楽曲など、いろいろな性質の楽曲を聴かせてくれる。次にどんな曲を発表してくれるのか、楽しみになるアーティストだ。




・江口侑 – 想套 




フォーキーでポップなロックサウンドに乗せて、優しい気持ちになるような穏やかなメロディーを歌い上げる1曲。穏やかなメロディーでありながら、時に意外性が感じられるのもポイントだ。特に≪愛しさを忍ばせて/ふとした日々を≫≪つみきみたいにそっと/壊さぬように積み上げるよ≫と歌うサビのメロディー展開は秀逸。≪ふとした日々を≫でぐっとファルセットになるメロディーや、≪壊さぬように積み上げるよ≫と言葉をぎゅっと詰め込んでいるのに気持ちが良い運びをするメロディーには、ハッと耳を奪われる。 

「愛しているという言葉を使わずに、I LOVE YOUを伝えるにはどうすればいいのか。歌詞の部分は悩んで作っている。」という歌詞も、じっくりと堪能しながら聴きたい。




・江口侑 – sixteens summer 




頭の中で響いているような心地よいサウンドで始まるこの曲。次第に激しく歪んだギターが入ってくるが、そんな歪んだギターも心地よさの妨げにはならない。むしろその歪みが気持ちよく感じられるような歪み具体で、終始心地よいサウンドの曲だといえる。 

この曲のMVは、シーンの終わり(あるいは始まり)を静止画にし、それを映像内の画面に映すようにして次のシーンへと転換していくという面白い仕様になっている。それが連続して起こっていくので、最後まで飽きずに映像を楽しむことが出来るだろう。だんだんとその世界観に入り込んでいくことが出来るような、音楽も映像もどちらも高い吸引力をもった作品だ。




・江口侑 – アイリス 




サウンドにどことなくPavement的なUSインディーの切なさを感じる一曲。フォーキーなバッキングに対して、強めに歪んだサウンドで単音のフレーズを弾くリードギターが入ってくるという点が、そんな絶妙な切なさに繋がっているのだろう。日本的な切なさとは少し違い、明るい雰囲気なのに切ないという独特なムードが特徴的だ。 

MVは、「体全身が樹木で覆われてしまう女性を主人公は助けることができるのか」というストーリーの手書きアニメーションになっている。カラフルな世界観のアニメーションが、温かな彩りを感じるサウンドに抜群にマッチしているといえるだろう。こちらもやはり、MVも合わせて楽しみたい1曲。



今後は「現在アルバムの制作中なので、リリースを是非楽しみに待ってほしい」という彼。アルバムでもきっと、温かいムードの曲から切なさを感じるような曲まで、幅広 

いサウンドを聴かせてくれることだろう。
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