大阪府堺市出身のサックスプレイヤー、清水玲奈。
6歳よりピアノ、13歳よりフルートを始め、高校生の頃にテナーサックスに出会う。2006年には神戸jazzソロオーディションに合格し、熱帯jazz楽団と共演。その後、朝日放送「musicるTV」などメディアにも多数出演を果たした。
2011年からはトート音楽院、三木ミュージックサロンで講師業もスタート。さらにアーティストのライブサポート、レコーディングにも多数参加。2017年に展開された松尾スズキ演出・長澤まさみ主演のミュージカル「キャバレー」では“キット・カット・クラブ・バンド”として、東京・神奈川・大阪・仙台・愛知・福岡など全38公演に出演するなど、その活動の幅は広い。
大きな特徴は「歌えるインスト」と評されるメロディックな音楽性にある。インストが苦手な人でも受け入れやすいそのメロディーラインは、ジャズやインストゥルメンタルミュージックの間口を確実に広げている。
2018年には、オリジナル楽曲全7曲を収録した初のリーダーアルバム『1031~イチマルサンイチ~』をリリース。さらにこの2020年7月にも配信限定シングルをリリースするなど、ますます注目度を高めているサックスプレイヤーだ。
・Always remix
2018年10月リリースのアルバム『1031』のトレーラー映像。その中でも特に注目したいのが、2分12秒頃から始まる楽曲「Always」だ。
「7〜8年目に作った楽曲であり、毎日繰り返していた日々に嫌気がさして、“抜け出したい”“前に進んでいきたい”そんな想いを込めた1曲です」というこの楽曲は、エネルギッシュでありながらもどこか心に染み入るバンドサウンドと、メロディックでありながらも切なげなムードを放つ主旋律が印象的。まさに閉塞感を覚える心と、それを打ち破ろうとする心が音になったような1曲だといえるだろう。
今まさに閉塞感を覚えている人には、言葉以上にぐっとくるものがあるはずだ。
・Switch
この楽曲「switch」は「これを聞くと気持ちが切り替わるスイッチになればいいなと思って作った1曲」だ。アルバム『1031』に収録されている。
跳ね感のあるノリの良いサウンドが気分を上げてくれる楽曲で、例によってメロディーラインは歌えるインスト仕様。思わず口ずさみたくなるようなメロディーラインであることは保証できる。
ジャズやフュージョン、電子的なダンスミュージック、さらには歌えるほどのポップネスをうまく混ぜ合わせたその音楽性は唯一無二で、聴いていると確かにスイッチが入るような感覚がある。
やる気が出ない朝、この楽曲で1日を始めればぐっと足取りも軽くなるだろう。
・サックスプレイヤー 清水玲奈new single「Thick Fog」 2020. 7.11 release. (※配信限定) Reina Shimizu
2020年7月に配信限定でリリースされたニューシングル「Thick Fog」のトレーラー映像。
「濃い霧の中を早く抜け出したいという想いが込められており、コロナの状況とリンクしている1曲」というその言葉通り、この楽曲にはムーディーな霧がかかった雰囲気と、それを打ち破ろうとする突破力が感じられる。電子音も入ってくるなど、やはりジャンルの垣根を越えて様々な音楽の要素を取り入れているというのも一つの特徴だろう。
「自分の色が出ている楽曲になっている」とも話しており、今の彼女を知るのにピッタリな1曲だといえる。
「歌えるインストをコンセプトに作っている。初めての人にも歌がなくてもとっつきやすいインストを作っていきたいです。一般的なジャズのイメージを変え、新しいサックスのイメージを作っていきたいと思っています」と話す彼女。
ジャズとは穏やかなバーでしっとりと聞く音楽だと思っている人もいるかもしれないが、きっと彼女の音楽を聴けばそんなイメージは変わっていくだろう。普段ジャズに触れない人にこそ、是非追いかけていってもらいたい。
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