<水中、それは苦しい>
(セクシーパスタ林三(ヴァイオリン)/ジョニー大蔵大臣(ギター&ヴォーカル)/アナーキー吉田(ドラム))
1985年に前身バンド「シネシネ団」が結成され、1992年にヴォーカル/ギターのジョニー大蔵大臣の加入によって「水中、それは苦しい」としての活動が始まる。
2003年にヴァイオリンのセクシーパスタ林三、翌年にドラムのアナーキー吉田が加入し、現在の構成となった。ギターヴォーカル、ドラム、ヴァイオリンという変則的なバンド構成だが、ヴァイオリンの音色がアコースティックとマッチし、深く、幅の広いアンサンブルとなっている。
バンド名を見てもわかる通り、楽曲の歌詞においてもすべて当たり前のこと、ありのままの真実を伝えることを信条としている。
自称「愛と平和以外を歌うシンガー」ジョニー大蔵大臣を中心としたアコースティックパンクバンド「水中、それは苦しい」の魅力をお伝えしたい。■アルバム「手をかえ品をかえ」収録曲「農業、校長、そして手品」
「農業、校長、そして手品」はギターヴォーカルのジョニー大蔵大臣の父親のことを歌っている楽曲だ。
実家が農家の元校長先生で、趣味で手品を始めた父親のことを、こんな爽快でかっこいいメロディーで歌うようなバンドを他に見たことがあるだろうか?一回聴いただけでサウンドのカッコよさと歌詞の意味不明さに心を鷲掴みにされる。
意味がわからなくても、何度も聴いてしまう中毒性があるのだ。
当たり前のことを歌うことを信条にしている通り、歌詞に小難しい言葉は使われていない。
手品じゃ、子どもは産まれないし、世界は変わらない。それは当然のこと。
だけどこう手品手品と言われると、手品そのものがなんだかとてもすごい力を持っているように思えてくる。
彼らの歌詞の真意はさておき、耳馴染みの良いメロディーに乗せられ、チョイスされた言葉たちは響きやゴロの良さですんなりと耳に入ってくる。
その疾走感のあるサウンドの核となるのが林三のヴァイオリンだ。
このヴァイオリンの旋律が一瞬にして曲の表情を変えてしまう。
軽快なリズムに合わせて爽快に走っていくサウンドが、一転、切なく叙情的なメロディーになるのである。
■アルバム「芸人の墓」収録曲「芸人の墓」
こちらはあの谷川俊太郎「詩人の墓」を基に作られた楽曲で、9分を超える大作だ。
「詩人の墓」の「詩人」を「芸人」、「詩」を「ギャグ」に変えたものなのだが、ただそれだけなのに、芸人と娘の哀しいラブストーリーとなっている。歌詞だけ見ればクスリと笑ってしまうシュールさがあるのだが、彼らの真髄はやはりそのサウンドのかっこよさにある。
この楽曲もアコギとドラム、そしてヴァイオリンが見事に調和して美しいメロディーを作り上げている。
娘の恋心、悩み揺れ動く様、激情、切なさを淡々とメロディアスに表現しており、リスナーはその美しく哀しいひとつの物語にどっぷりと浸ってしまう。
見た目や歌詞のインパクトで常々「イロモノ」的扱いを受けがちな「水中、それは苦しい」なのだが、彼らはストイックなまでに歌詞の面白さ、メロディーのかっこよさを追及している。
みうらじゅん、リリー・フランキーなど著名人もその独創的な歌詞とポップなメロディーに惹きこまれた。そんな彼らの楽曲を、ぜひ、一度聴いてみて欲しい。
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■公式Facebook■ライブ情報
「YATSUI FEATIVAL! 2016」
日程: 2016年6月18日(土)/19(日) 12:30開場/開演
(11:00よりリストバンド交換)会場 :TSUTAYA O-EAST / TSUTAYA O-WEST / TSUTAYA O-nest / TSUTAYA O-Crest / duo MUSIC EXCHANGE / 7th FLOOR / clubasia / VUENOS / GLAD / SOUND MUSEUM VISION and more...
料金:2日通し券:¥12,500 1日券:¥6,800
お問い合わせ: TSUTAYA O-EAST
(03-5458-4681)主催 : やついいちろう
協賛:株式会社イープラス制作:シブヤテレビジョン / トゥインクルコーポレーション / SALMONSKY
協力:ビクターエンタテインメント / duo MUSIC EXCHANGE / Culture of Asia / 7th FLOOR / 株式会社 グローバル・ハーツ