現在人気大爆発中の四人組バンド、ゲスの極み乙女。
彼らが出会ったのは下北沢ERAでのイベント。ヴォーカルとギターを担当する川谷絵音、ベースを担当する休日課長は、indigo la Endのメンバーでもあり、すでにサブカルシーンではおなじみの顔ぶれによる異色ユニットです。
彼らは自身の音楽を『ヒップホップ・プログレ・ロック』と公言しています。
確かに、川谷絵音の歌い方はラップを意識した独特の歌唱はヒップホップのグルーヴを感じさせてくれます。実に新鮮ですよね?
【ゲスの極み乙女。/パラレルスペック】
しかし、プログレと聞いて、「なにそれ?」と、ぶっちゃけ首をかしげる若者も多いのでは?
せっかくですから、今日はその辺の味やルーツについて触れてみたいと思います。
プログレとは、プログレッシヴ・ロックというジャンルのことを指します。
少しややこしいですね。
ロックというだけでいいのに。そういう気持ちもわかります!!
しかし、ものは考え様。
音楽の歴史は長く、アーティストの数だけジャンルが存在するほどですが、聴きやすく整理するために、ロックというジャンルの中でも細かく仕分けされています。それを少しずつ理解してみると、なるほどジャンル分けもなかなか便利なものです。
そんなロックのジャンルのひとつ、プログレッシヴ・ロック。
直訳すると、『先進的なロック』。
そういった意味では、先駆者となるロック・アーティストは全て『プログレッシヴ・ロック』なのかもしれませんね。
そもそも、楽器がエレクトリック化してから10年の間に、ロックというジャンルがジャズやクラシックなどの手法や精神を継承した新しいジャンルを作ろうとした時期がありました。
1970年に発表されたピンク・フロイドというバンドが『Atom Heart Mother』を発表したときがはじまりだと言われてます。
【Pink Floyd/Atom Heart Mother】
ピンク・フロイドがイギリスのバンドであったこと、またその後、ザ・ナイスや、ザ・フーなどのヨーロッパ出身のロックバンドが精力的にプログレッシヴな作品を発表していたことから、ユーロ・ロックとも呼ばれているそうです。
【The Who/Tommy】
こうして聴いてみると、当時のプログレ・ロックといえば、クラシックや当時の前衛音楽の影響を含んでいるという解釈が妥当かも知れませんね。
【ゲスの極み乙女。/キラーボール】
ゲスの極み乙女に戻って聴いてみると、なるほど通じるものがあります。
特にキーボード、ちゃんMARIさんのメロに感じる要素を多く含んでいます。
彼女が元々所属しているバンド名『CRIMSON』は、有名プログレ・バンド、キング・クリムゾンに肖ったのでしょうか。
ゲスの極み乙女。
若くして60年代、70年代のユーロ音楽を彼ららしく解釈し、現代人の感性にフィットさせるセンスは、なかなか素敵だと思う筆者でした。
そんな彼らのニューアルバム『魅力がすごいよ』は、これまでのエンタメ色とは一変、クリエイティブで奥深い川谷絵音の葛藤と肯定感をマキシマムに詰まった渾身の一作。必聴です!
(AMaster)
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