仕事帰りのサラリーマンが、荒削りではあるがどこか哀愁感漂うメロウなサウンドにふと足を止め、日常の膿をさらりと洗い流してもらうような光景は、もう遠く昔のこととなりつつあります。
『表現の自由』という権利がありながら、同時に騒音問題や交通規制とのバランスについて論争を繰り返し、その結果、『道路交通法強化』により、路上でライブをする行為そのものが不可能に近い状態に陥ってしまいました。
渋谷や川崎では、開始早々注意が入り、新宿ではとうとう書類送検されてしまう始末…。
ゆずの故郷である、桜木町駅前でも、週末になると複数の若者がライブを開催していましたが、今ではほとんど見かけません。
そんな現代に、決して長いものに巻かれることなく、個人事務所主義で活動を続け、ファンに愛され続けているバンドをご紹介しましょう。
その名もStyle-3!(スタイルスリー)。
バイオリン、コントラバス、ピアノの異色スリーピースである同インストバンドは、2004年に結成され、以来川崎市、横浜市の地道な路上ライブで知名度をあげてきました。
彼らに学ぶことはあまりにも多い。
まず学びたいのは、路上だけでなく数々のコンテストに応募し、数々のタイトルに挑んでいること。
第6回、アジア交流音楽祭・日本代表、
厚木グランプリアーティスト・グランプリ、
東京バンドサミット・動員賞
桂座音楽賞・グランプリ、他多数。
地域開催から大きなコンテストまで、決して躊躇することなく挑み続けています。
それは、事務所無所属である以上、わかりやすい結果を所持することの価値を知っているから。
だからこそ、決して観客や時代のせいにすることなく、ひたむきに技を磨き続けられるのでしょう。
クラシックやジャズの枠を優に超えた独自のジャンルと圧巻のライブパフォーマンスを手に入れることができるのも、頷けるところです。
また彼らは、路上でCDやチケットを売るだけでなく、NHKやFM横浜、クロサワ楽器など、企業とのタイアップにおける努力をも自らが行っています。
ラゾーナ川崎でのライブは、通常事務所契約の案件でありながら無所属で出演できるのは、いうまでもなく、彼らの実力と粘り強い営業力に他なりません。
クロサワ楽器では、プロデュースバイオリンが発売されるほど!
【Style-3!/花雷】
当然のことながら、コンスタントなブログ更新、ライブ活動、グッズ販売など、ファンを飽きさせない努力も惜しみません。
アーティストとして売れるためには、良い事務所に入って…というステレオタイプな概念は、彼等には通用しないのです。
ここからは個人の価値観による領域ではありますが、
華やかな世界だけが音楽の生きる場所ではない、ただ自分達のサウンドを自分らしい方法で届ける。
そして、それにふさわしい対価を受ける。
これも、アーティストとしての一つの生き方であり、成功のカタチだと筆者は思うのです。
年月はかかるものの、誠実な活動をとおして聴衆の心を確実に掴み、今年、彼らは第六弾オリジナルアルバムのリリース、渋谷公会堂での公演を大成功させたのでした。
日本の音楽シーンはまだまだ明るい!!
記事執筆:AMaster
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