ロック、ヒップホップ、ジャズ、R&B・・・音楽をジャンル分けしようとするのは、もしかすると愚かな行為かもしれない。もちろんそのようなカテゴリが必要な場面もある。しかし、音楽に常識は似合わない。音楽の本当の姿は常識とは無縁の自由さにあるはずだ。なぜだか、彼らの音楽を聴くとそう思わされてしまうのだ。その名も UHNELLYS(ウーネリーズ)。今回は彼らの魅力を紹介したい。



Vocal, Baritone guitar, Trumpetを自在に操る男 kim



そして、Drums, Chorusでサウンドの土台を支える女 midi



この男女2人組ユニットがUHNELLYSだ。



2007年、ヨーロッパツアーでのライブを収めた『Live in Europe』、翌2008年にはアルバム『MAWARU』発表。Soul Coughingのボーカル、Mike doughtyのジャパンツアー招聘や、アメリカ音楽番組への出演を経て、2009年、プロデューサーにzero db(NINJA TUNE)の名で知られるTHE OKI BASSを迎え、ブレイクビーツに特化したミニアルバム『PIKA mood』をリリース。更にTOKIEによるプロデュース・全曲アップライトベースでのコラボを実現させた、ミニアルバム『BE BO DA』リリース。



2010年には、オーストラリアの大型フェスOne Movement festivalへの出演、3都市を回るカナダツアーなど、活動を確実にステップアップ。2011年3月、ライブと音源の距離を限界まで近づけ、尖った空気感をそのまま収録した3rd album『to too two』を発表。以後、FUJI ROCK FESTIVAL、ARABAKI ROCK FESTIVAL、neutralnation、SYNCRONICITYと全国の大型フェスへの出演を果たす。



2012年、自主レーベル"I'mOK"を設立し、ライブ盤『Ladies and Gentlemen』、NYツアー後には4thアルバム『UHNELLYS』を発表。2013年、『体温』を含むEP『SCREAMER』をリリースし、2度目のFUJI ROCK FESTIVALへ出演。



そして2014年、最新アルバム『CHORD』をリリース。初のアジアツアーも敢行。唯一無二のスタイルとライブパフォーマンスで、海外からも高い評価を得ている。



彼らに常識を壊される快感を教えられてしまった一曲がこちら。今年2月に約2年ぶりの公開となった最新MVと共にご覧いただきたい。



 



https://youtu.be/aJBIJE3qxQk



 



 



ギターのサウンド、コーラス、そしてそこに重なるドラムによってイントロが展開されるのだが、ここにまさか日本語のリズムを存分に活かした軽快なリリックが乗っかるとは思いもしなかった。そこから一気に捲し立てられるようにUHNELLYSのサウンドに飲み込まれた。聴いても聴いても、無駄が何もない。そこに在るべくして奏でる音たちの重なりが、ここまで心地良く身体中に染み渡るとは。



聞けば聞くほどクセになる。まさに自分の常識を後悔させられる一曲だ。



結成19周年を迎える彼ら。結成当初はkimとmidiのユニットではなく、バンドだったという。その頃kimはボーカルではなく、前任者がいた。しかし紆余曲折ありボーカルが脱退。kimが歌うことになった。新しい形態になったUHNELLYSを見せるべく、そのわずか一週間後に控えたライブを、なんと全曲新曲でやってのけたという。こんなエピソードからも常識を壊すエネルギーが感じられる。



 



 



続いて、UHNELLYSの曲のメッセージにフォーカスを当ててみたい。



https://youtu.be/2FoXnkIfvNg



この楽曲が産声をあげたのは、ちょうど日本で「原発問題」が勃発していた頃だ。言わずもがな、この楽曲の中にもその背景が散りばめられている。



少し過激に、そして冷静に、人々が他人事と名付けては目を背けがちな真意を歌っている。しかしこの曲は何かの結論を提示するのではない。私たちに「自分の頭」で考えさせるのだ。私たちの誰しもが、目の前にあるドアを見て見ぬ振りしていないだろうか、と。常に問題は私たちの目の前にある。しかし、そんな壁も目を背けていてはいつまでも壁のままだ。自らの力で壁をこじ開けていけば、それは次のステージへのドアになる。



「ドアを開けたらまたそこにドア、開けたらまたドアがあるぞほら」と繰り返すメッセージは、終わりのない葛藤の繰り返しを歌う絶望ではない。彼はこうも言う。「切り開こう次の展開」と。つまり、希望なのだ。私たちはあらゆる問題に自分の頭で考え、無限のドアを開け続け、進んでいかなければならない。その時、自ずとこの曲が流れ出すだろう。彼らの音楽に込められたメッセージはそうして刻まれていく。



 



 



そして最後に少し曲調を変えて、温かい一曲を紹介する。



https://youtu.be/qYbE0QpNwLA



CHORD とは、音楽的には主に和音を指す言葉として使われる。しかしCHORDという言葉にはもう一つの意味がある。「心の琴線」だ。まさしくこの曲は、温かく 柔らかく 流れるように心の琴線に触れる。あなたは曲中に登場する「君」とは誰のことを想像しただろうか。この曲は誰か大切な存在、「君」を前提に歌われる。その「君」は愛しい恋人か、青春を共にした親友か、あるいは時を隔てても唯一であり続ける自分自身か。あなたなりの答えを探しながら聞いてみてほしい。



そんなUHNELLYSのライブであなたも是非、常識を壊される快感を感じていただきたい。




THE INSPECTOR CLUZO vs.UHNELLYS



「Double Twin Rockers Tour」






日仏のDIY二人組ロッカーが日本で激突!



フランスはガスコーニュから自らオーガニック農園を営み、野菜、ガチョウ、アヒルを育て、自宅のスタジオで音作りを続け、『Fuckin’ Bass Player』 という自身のレーベルを拠点にライヴのブッキングやリリースした作品のプロモーションまでを自分達でこなすジ・インスペクター.クルーゾーが来日。そんな彼らをウーネリーズが迎え撃つ!



5.12.THU. @ 渋谷 CLUB QUATTRO



UHNELLYS / The Inspector Cluzo



open 18:00 / start 19:00



adv ¥4,500 (+1D)



[Info] 03-3444-6751(SMASH)



Guest:Jinny Oops!



5.14.SAT. @ 東心斎橋 LIVE HOUSE soma



UHNELLYS / The Inspector Cluzo



open 18:00 / start 19:00



adv ¥4,500 (+1D)



[Info] 06-6535-5569(SMASH WEST)



Guest:Jinny Oops!






 



そしてもう一つ、ボーカルのkimが連載しているコラムも必見だ。



▼Qetic  http://www.qetic.jp/author/uhnellys-kim/



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