基礎練習って一人で黙々とメトロノームに向かいながらひたすら難しい運指を練習するというイメージがある。
もちろんそういう練習はひたすらに家でこなすものだ。
しかし「俺は家で基礎練5時間やってるからオーケー!」というわけではない。バンドでみんな揃ってやる時間も確実に必要なのだ。
やはりバンド全体で基礎練習がしっかりできているバンドはグルーヴもしっかり出ている。

そこでバンドで出来る基礎練の方法を紹介しよう。
基本的にメトロノームが必要なので、全員で聞けるようにスタジオのミキサーにつなぐことが出来るメトロノームとフォンケーブルを持っておこう。

①いろんなリズムパターン練習


ギター:単音ド
ベース:単音ド
ドラム:スネア
それぞれスタッカートで歯切れよく、思い切りよく鳴らすだけの単純な基礎練習だ。

A.4分音符
B.2拍3連
C.8分音符
D.3連符
E.16分音符
F.6連符
A→B→C→D→E→F→E→D→C→B→A
という順に1小節ずつ動いていく。
それをまずはBPM120から始めて、どんどん下げていく。
遅くなればなるほど難しいので最初はなかなか合わないかもしれないが、特に3連符や2拍3連などは各々の感覚でやってることが多いのでそのあたりを気合い入れて合わせていこう。

②音価練習



「ここはタッターターって感じね」
みたいなフレーズの作り方をすることもあるかと思う。
じゃあ、この最初の「タッ」は8分音符なのか16分音符なのか、最後の「ター」はどこまで伸ばすのか。
この短いフレーズでもそれぞれが共通した認識を持っていないとグルーヴは生まれない。
音価というのは、つまり音の長さ。
そこでこんな練習。クリックを鳴らしながら、

タ-ン タ-ン タ-ン タッ!

この最後の音符を4分音符、8分音符、16分音符と短くしていく。
恐らく「あれ、お前の8分音符なんか長くない?」「8分音符にしては短くない?」みたいなことが出てくると思う。
これを一致させないまま、ただ各々の感覚だけで「タッターターって感じ」で合わせようとしていたことがおかしくなってくると思う。

③難しいフレーズを半分の速さでひたすらループする


自分たちの曲でも難しいフレーズや、ここはミスれないというフレーズがあると思う。
もっとグルーヴに乗せたいリフだったり、歌と楽器の絡み合いが難しい箇所など色んなところに使える練習だ。
まずはそのフレーズを「ココからココまで」という場所を決め、BPMを実際の早さから半分に落としてひたすら繰り返しながら演奏するだけだ。
①②で合わせたノリのまま自分たちの曲に応用するようにしよう。

以上、ここまでをそれぞれ10分ずつくらい毎回のスタジオ練習で出来ればかなり意味があるだろう。
10分間ひたすら同じフレーズというのはなかなか長いので集中力がかなり鍛えられるという面もある。

「グルーヴ」という言葉を度々用いたけども、実は私もグルーヴって実際何だろうという感じである(笑)
「ノリ」や「盛り上がり」がグルーヴと言い換えられるのかもしれないが、我々の本業であるライブを基礎練のように黙々とこなしていたのでは本当の意味でのグルーヴは生まれない。
しかし「これだけ基礎練をやってきたんだ!」という自信には確実に繋がるので、きっとライブにも余裕が現れてパフォーマンスを突き詰めることができるのではないだろうか。
しっかりとしたバンドはやはりこういった地味で地道な基礎から成り立っているのである。


記事:ftmftm

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