こんにちは、またらんのバンド・ワン・ステップアップ第3回です。


『またらんのバンド・ワン・ステップアップ』


テーマとしてはあなたのバンドの何か足りないもの、どこかパッとしない原因となっているであろうことを毎回色々な視点から探っていくというものになります。



またらん


都内某ライブハウスでPAエンジニアや照明スタッフとして働きながら自身もまたギタリストとしてバンド活動をしています。


またギタリストのための音作りbot(@gt_sound_making)、ギタリストのための音作りブログ(http://guitarsoundmaking.blog.fc2.com/)の管理人もしています。


 



今回はバンドの音圧の話です。



音圧がすごいとどうなるんでしょうか?


これへの答えは主観的なものになっちゃうと思うんですが


迫力が出て音が重厚な薄っぺらくないようになりますよね



音圧は特にメタルやハードコアなんかのラウド系のバンドだと重視されるポイントだと思います。


やっぱり迫力が大事なジャンルですからね。


でもラウド系なバンドじゃなくても音圧があるのは大事です。


ポップスなどではサビなど盛り上がるところでよりはっきり抑揚をつけることができたり


ダンサンブルな曲ならビートを強くしてより踊れるようにできます。



さてここまで読んでいただければみなさん、自分達も音圧のある音を出したいって思いますよね?


(もちろんそういったものが全く求められないジャンルもあります)



でも音圧ってどうすると出るんでしょうね?



さてこの答えを出すには音圧の正体を明かすところから始めましょう。



音圧を感じるときというのはより多くの情報をより効率よく同時に知覚したときです。



何やら難しいですね~


でもこの先の具体的な音圧の出し方の説明を読めば意味が分かるのでご安心ください。



その説明をするのに3つのカテゴリに分けていきましょう。



 



  


 まず一つ目は音作りの問題です。





逆説的に言うと音圧を出すのには音作りだけではダメということですがそれは後で説明するのでおいておきましょう。


音圧を出すために必要な音作りというのは他の記事でもたびたび言っていることですが各パートの音域を層を作るように分けるようにするということです。


ビジュアル的に説明すると以下のような感じです。





シンバル類


リードギター


サイドギター


ベース


バスドラ





このような音の層を作るようにイメージして各楽器のイコライザーを調整します。



よく音圧を出そうとして失敗する例として弦楽器がみんな低音を出しすぎてしまうということがあります。


そうしてしまうと何がダメなんでしょう?


上に倣って視覚的にこの失敗例を説明するとこうなります。





シンバル類



リードギター、サイドギター


ベース、バスドラ





シンバル類とギターの間に隙間が空いちゃっていますね。


こうなるとなにか物足りなく聞こえてしまいます。



これが音圧を定義した際のより効率よくという部分に当たります。


前者の例も後者の例もそれぞれ聴こえる楽器の数は一緒なんですが、前者の方がすべての楽器がはっきりと聞こえるのでより音が大きいように脳が認識するんですね。(もちろん適切な音量バランスがとれている前提です。



後は音作りの中では単純な音量の問題も音圧に関係します。


早い話音はデカい方が音圧を感じます。


でも上で説明したバランスが崩れてしまったらむしろ音圧が下がります。


ライブをする際には音量はPAさんと相談していくことになるでしょう。


各ライブハウスごとに出せる音量の限界はありますし、無理くり出すとバランスがコントロールできなくなったりしてしまいます。



 



 



では二つ目のポイントにいきましょう。


 二つ目のポイントは演奏です。





音圧が出るためには演奏がピタッと合ってないといけません。


これが同時にという部分に当たります。



音作りの問題を完ぺきにクリアしていてもバラバラな演奏では絶対に音圧は出ません。


プロの音圧がすごいバンドの機材をそのまま使っても初心者バンドでは同じ音圧は得られません。


なんとなく合ってるねなんてレベルじゃまだまだダメです。



例えばベースとギターがユニゾンするようなリフならギターとベースのタイミングが完全に合致して音が混ざってどこからがベースの音でどこからがギターかわからないくらいまでいきましょう。


もちろんそれにリードギターやシンバル、バスドラが合致しないといけません。


コンマ何秒の狂いもなくすべての音が(上で示した層)同時に出せるとすごい音圧を感じられます。


音圧を出したいバンドは次のスタジオからこれを課題に練習に励んでください。



 



  


 最後にその他の要素です。





ここではより多くの情報を知覚するというところに当たるところを説明します。


わざわざ知覚すると書いてあるわけですから音圧とは音だけの問題ではないということですね。


CD音源をどんなに爆音で流してもライブの音圧には勝てません。


人間の五感というのは脳でつながっていますので聴覚以外に訴えることによって聴いている人の脳がより音圧があると錯覚させることができます。



聴覚は今まで説明したとおりですね。



触覚はバスドラなんかのズンズン来る感じですね。



嗅覚、味覚は音圧と結びつけることが難しいですがライブを見てる人がライブの汗臭いような匂いから音圧を連想して音圧を感じるかもしれません。



プレイヤーが一番どうにかできる聴覚以外の五感が視覚です。


視覚で訴える要素にはパフォーマンスと照明があると思います。



パフォーマンスは要するに動きですね。


鳴らす音と合致した動きができると音圧を感じます。


アグレッシブに動きながらずれなく演奏できるように練習する必要があります。



次に照明ですが、バンドじゃどうにもできないだろうと思うかもしれませんがそんなことありませんよ。


リハーサルで時間があれば曲の中で肝になるキメを確認すればいいんです。


あとはライブの前にライブハウスの人に自分たちの音源を渡しておいて聴いておいてもらうなんてこともできます。


後は照明スタッフも人ですので印象が良い人には100%以上の仕事をしてくれたりします(PAにも言えることですね)んでその辺も大事だったりしますね(笑)



 



 



さてというわけで音圧を出す方法分かっていただけたでしょうか?


これ本当に大事なところなんで何度もこの記事を読み返してください。


あとはバンドメンバーにも読んでもらうと練習時の目的意識が明確になると思いますよ。



 



text by またらん 


 


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