パッと思いつくだけでもくるりの『東京』、桑田佳祐の『東京』、サニー・デイ・サービスの『東京』、イースタンユースの『東京』、ガガガSPに銀杏BOYZ、きのこ帝国、Mr.Children、平川地一丁目、THEラブ人間、、、と挙げればきりがないほどだ。
どのアーティストの『東京』にせよその曲への思い出を尋ねると地方出身者からよく返ってくるこたえは上京する時の思い出が多い。
上にあげた『東京』の中にも地方出身者が歌う曲も非常に多い。
やはり地方出身者にとって東京という町は特別な街なのだろう。
自分の将来に対する様々な期待を持って向かう街。
そして冷たいといわれるこの町に対する不安もあり、自分がこの街で暮らす中でいろいろな挫折を経験し、同じように夢を見て上京してきた仲間が夢半ばに敗れ地元に変えるさまを見たり自分も地元に帰ろうと決心したり、まだ自分はこの冷たい街の中で踏ん張ろうと決めたり。
そういった人それぞれにある思いを各アーティストたちは『東京』という言葉に込めるのだ。
そしてその思いに多くの人が共感をするのだ。
しかし自分はこれらの曲に共感することができない。
なぜなら私の出身は東京都下であり今もそこに在住だからだ。
すごくいい曲だなぁと単純に思ったり自分の周りにいる地方出身者はこの曲を聴いて何を思うんだろう?
上京してきて東京で知り合ったけれども地元に帰ってしまった友人もこんな気持ちだったのかなと考えることしかできないのだ。
そして東京の郊外に住んでいるため東京の中心地の息苦しさもリアルには知らないのだ。
しかしここで紹介したい『東京』という曲は私のような者にも共感できる『東京』なのだ。
今日紹介したいアーティストはwacciというアーティストだ。
「泣きっ面にワッチ」。聞く人全ての「暮らし」の中にそっと入り込んでいけるようなPopsを作るべく結成したバンド、wacci。泣いたあとにちょっと笑えるような、笑ったあとはもっと笑えるような歌を届けます。
2009年
12月:Vo.Gt.橋口を中心に結成。
2010年
04月16日:1stミニアルバム「ありがとう」リリース。後に完売。
2011年
11月30日:2ndミニアルバム「泣き笑らいふ」リリース。
2012年
04月:FMヨコハマにてレギュラーの生放送番組がスタート。
「wacci ドア開いてます!」毎週月曜日、22:00~23:20
11月07日:ミニアルバム「ウィークリー・ウィークデイ」でメジャーデビュー!
2013年
04月:「まっぴら!」がNHK BSプレミアム「七人のコント侍」エンディングテーマに。
07月24日:1stシングル「夏休み/誰ニモマケズ」(両A面)リリース
(NHK BSプレミアム ドラマ「ダブルトーン~2人のユミ~」主題歌)
09月04日:ワンマンライブ「君の夏はどこなの?ここでSHOW!」を渋谷CLUB QUATTROで開
催。
10月23日:『ハウスのシチュー』CMソング「君とシチューを食べよう」を配信リリース。
2014年
03月05日:2ndシングル「東京」リリース
「東京」はTBS系月曜ミステリーシアター「隠蔽捜査」主題歌として話題になり、
全国のラジオ38局でパワープレイされ、有線チャート1位を記録。
ラジオエアプレイチャート(全国FM/AM 総合)にて2週連続1位獲得。
04月~05月:初の全国ワンマンライブツアーを開催。ファイナルは渋谷O-EAST。
09月03日:3rdシングル「リスタート」リリース
(TBS系 火曜ドラマ「東京スカーレット~警視庁NS係」オープニングテーマ)
11月~12月:2度目の全国ワンマンライブツアーを開催。ファイナルは渋谷AiiA
Theater Tokyo 。
12月03日:4thシングル「キラメキ」リリース
フジテレビ"ノイタミナ"アニメ「四月は君の嘘」エンディングテーマとしてス
マッシュヒットを記録!
2015年
04月~05月:
3度目の全国ワンマンライブツアーを開催。ファイナルは恵比寿ガーデンホール。※公式HPより引用
Vo.Gt.の橋口洋平は東京都青梅市出身だそう。
青梅というと東京の中でも東京らしくない土地である。都会の喧騒とは無関係な街なのだ。
駅前の通りには個人商店が連なりその一部はシャッターを閉じている。
駅前にある都会的なものはセブンイレブンだけであり山に囲まれ、少し歩くと渓流に下りることができる。おそらく東京都聴いてイメージする"街"とは正反対な"町"であろう。
しかし大都会新宿に1時間半ほどで出ることもできる。
このような土地出身の橋口の描く『東京』とはどのようなものなのだろうか?
この『東京』も他の多くの『東京』と同じように自分のキャパシティを超える人々の数やそこでの挫折を描いている。それを描くのにその東京という"街"で共に暮らす"君"というフィルターを通して描いているのである。
この君は地方出身者であるかもしれないし東京という街で生まれ育った人であるかもしれないし橋口のように東京都下の人かもしれない。
そしてこの”君”は誰の中にもいるのだ。
たとえば私の地方出身の友人かもしれないし、東京という街に出て毎日仕事をしている恋人かもしれないし、夢半ばに東京から戻ってきて今は地元にいる人でも誰でもがこの『東京』のなかの”君”になりうるのである。
そういった点でこの『東京』は非常に多くの共感を呼べる名曲なのだ。
このような点からは彼らは音楽評論家の富澤一誠氏からサテライト・ポップスのホープという評価を受けている。
たしかに地方出身の地元へのアイデンティティであったり、東京出身のバンドの洗練されている何かとは違う。
しかしそれはそれぞれが欠落しているのではなく東京都下だからできること、感じることのできることが多くあるのだ。
自分のバンド経験と照らし合わせると逆手をとる(悪く言うと)と地方出身のバンドは仲間内のつながりが強すぎて身内ノリであったり強い野心から押しつけがましい面があったりする。
また逆に東京のバンドは人間的なつながりが希薄であったり最先端をいきすぎたりするのである。(もちろんすべてのバンドがこういった悪い面があるわけではない)
しかしwacciにはこれらの悪い面がなく程よく中道なのである。
そして彼らの音楽は、今まさに大きく評価されつつある。
8/5にリリースされるニューシングル『大丈夫』は7/9に放映開始されたドラマ37.5℃の涙(TBS系列木曜夜21:00~放映中)の主題歌に選ばれた。
余談だがこのドラマの原作漫画は筆者おすすめです。
"大丈夫"という言葉には個人的には押しつけがましさを感じてしまうことがある。
大丈夫だから(まだまだやれるでしょう?)というような印象を自分は受けてしまうのだ。
しかしwacciの"大丈夫"には「そのままで大丈夫なんだよ。」「傷ついたかもしれないけど無理をしないでいいんだよ」というメッセージがすんなり受け入れられるのだ。
またこの曲のこのようなイメージは『37.5℃の涙』にもピッタリだ。
『37.5℃の涙』の世界とwacciの世界が絶妙にマッチしている名曲だということは間違いないだろう。
wacciというバンドの活動によって新たなサテライト系バンドが注目されることによって音楽シーンが変わっていくのではないかという大きな可能性を秘めたバンドである。
是非今後も注目していただきたい。
wacci公式HP:http://wacci.jp/index.php
37.5℃の涙公式HP:http://www.tbs.co.jp/375namida/
おすすめCDの情報
5th single
大丈夫(通常盤)2015/08/05 Release
通常盤 ESCL-4494:¥1,000(税込)
収録曲
2「便り」
東京
2014/03/05 Release
ESCL-4176:¥1,165(税抜)
2「同じ空の下」
3「君とシチューを食べよう」
wacciライブ情報
2015/8/2(日)
「THANKS! 30th ANNIVERSARY みなとみらいKINGDOM SUMMER 2015」 クイーンズスクエア横浜1階クイーンズサークル
※みなとみらいで行われるFMヨコハマ主催のフリーライブです!
公演日:8/2(日)
会場:クイーンズスクエア横浜1階クイーンズサークル
時間:13:00~
料金:観覧無料
出演者:吉田山田、wacci、他
2015/8/8(土)
名古屋「TREASURE05X ~a great faith~」 ダイアモンドホール
公演日: 8/8(土)
会場 :ダイアモンドホール
開場/開演 :13:00/13:30
チケット :3,780円(+ドリンク代)
一般発売:6/6(土)
【プレイガイド】 チケットぴあ [Pコード:264-213] ・ローソンチケット[Lコード:47634]
出演者 :wacci、他
お問い合わせ:052-320-9100(サンデーフォークプロモーション)
2015/9/26(土)
「じん子の部屋 2015!秋<浜松> Guest wacci」 窓枠cafe AOZORA
公演日 :9/26(土)
会場 :窓枠cafe AOZORA
開場/開演 :17:15/18:00
前売/当日 :3,000円/3,500円(+ドリンク代)
出演者 :じんプラットホーム 、wacci
お問い合わせ :03-5720-2233(ボランチ)
【チケット】Peatixのサイトにて発売 http://jinko-room-fall15.peatix.com