シングルコイルのギター(※ギターがわからない人のために、ざっくりいうとメタルではほぼ使われることのないタイプのギター)でメタルみたいな音楽をやったらおもしろそうだなぁとかメタラー使用のギターでギャンギャン歪ませてブルースを弾いてみたら面白いんじゃないかなんて考えたことのあるギタリストはいないだろうか。
筆者はそのようなことを考えたことのある一人だ。
高校生の時分にはひたすらと速弾きを練習しメタルなどの激しいミュージックにどっぷりだったが、ふとした転機で今ではほとんどシングルコイルのギターしか使わないようなギタリストになった。
メタルやラウド、メロコア等も大好きなため、自分のバンド(シングルコイルのギター1本のみ)でもそういった要素を取り入れられないか(ブレイクダウンを入れたり、ツービートにシンコペーションで合わせたり)試してみるのだが、やってみてもこれは本当に大丈夫なのか?となってしまい何曲もボツにしてきた。
こういったものもある意味、中途半端に年をとったせいで固定観念に縛られてチャレンジができなくなっているのかもしれない。
しかしながら若いバンドの中にはこういったチャレンジに積極的なバンドもいる。
多くの場合はやりたいことはわかるけど...というような評価に終わってしまうのだが、今回紹介するバンドはそうでない。
彼らの名前はナキシラベ
(L→R)
Dr / Chorus 西尾鷹宗(Nishio Takamune)
Support Ba / Chorus たけし
Gt / Vocal Ukyosas
Gt / Vocal いわさきゆりえ
【BIOGRAPHY】
2013年12月結成。神奈川県小田原を中心に活動を行う。メンバーチェンジを経て2014年4月頃現体制となる。
2014年6月より、自主製作CD 1st DEMO 「Cause&Effect」をライブ会場限定で発売。それに伴い発売イベント『クマナクサガス』開催。約200人強を動員しソールドアウト。
2015年6月より、3曲入りCD “haruka e.p.“をライブ会場限定発売。
エモ・ロックを基に、変拍子や複雑な展開といったプログレッシブ要素、そして超絶グッドメロディーが四人のわがままボディーから繰り出される。
自然にラウド系の音楽とロックを融合させている。
時折挟み込まれるテクニカルなフレーズや思わずニヤッとしてしまう変拍子がたまらない。
メタル的なブリッジがシングルコイル特有のヘヴィではない音で奏でられる。
演奏としてはヘヴィだが耳障りがいい。
また演奏面だけではなく男女ツインボーカルのかけあいも気持ちがいい。
絞り上げるような歌声と優しい歌い口のギャップがリスナーの心をがっちりつかんでいく。
そしてこの生々しい歌声が鮮明に感情を伝えるのだ。
まだ荒々しさもあるが、それこそが新しいことに挑戦する原動力、またそれの表れであろう。
こちらのPVの曲が収録されたCDに収録されたの他の収録曲もバランスよく彼らの魅力を伝える楽曲たちだ。
キャッチーなメロディでもセンスが光るし、 メタル的なアプローチだけでなくメロコア的なアプローチもありバラエティに富んだ印象の3曲だ。
しかしながら彼らの音楽はただごった煮にされただけでなくしっかりとその中心に芯が通っている。
ナキシラベらしさがしっかりと存在しているのだ。
まだまだ若い彼らの今後の成長が非常に楽しみだ。
・nakishirabe OFFICIAL SITE
ライブ情報
text by またらん
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