約、2年前
「疲れた。」
そう言い残して音楽シーンからそっと姿を消した彼女はまだ記憶に新しいのではないのでしょうか。
アーティストとは、常にセールスとスピリットの間でもみくちゃにされる職業でもあり、契約のために無理矢理アルバムをリリースせざるを得ない状況などざらにあるものです。
そんなyuiも、音楽産業に押しつぶされて酸欠状態に陥った一人の芸術家。
彼女は、空白の2年間に、『シンガーソングライター、YUI』を封印し、自らリスペクトするメンバーに声をかけ、遂に新バンド、FLOWER
FLOWER(通称:フラフラ)を始動させました。
これでよかったんだ!と信じたい…。
満を持して出発したこのバンド、業界の評判も上々です。
【FROWER FROWER/素晴らしい世界】
既に各地でライブ活動を行っており、ネットでも話題になりつつありますが、
遂に、11月26日、第一弾オリジナル・アルバム『実』がリリース。
このアルバムには、椎名林檎の凄腕エンジニアである、井上うにを起用し、80年代プログレから前衛ポストロック、エレクトロまで、その味付けは奥深く、まるで創作割烹フルコースのような繊細さを味わえる渾身の一作。
色褪せることのないyuiのナイーブな歌声が、
喧騒感を脱ぐいきることのできない社会を凛と立ち続けようとする力強いサウンドとなって、
人々の日常的に起こる様々な思いを呼び起こさせてくれるでしょう。
FLOWER FLOWERの実は、今後どんな品種改良を経て、どんな実をつけていくのか。
一人のアーティストとして、yuiはあらゆる問題をどう肯定していくのか…。
確かに、人に届けてこその音楽かもしれません。
しかし、無理をすればするほど、傑作が遠のいていくジレンマは、いつの時代にもつきまとうのは世の常です。
ならば、その壁に立ち向かう代わりに、マーケットの構造そのものを受け入れて生きる方法を見出せた時、アートビジネスとしてのスタートラインに立ったのだ、と言えるのかも知れませんね。
記事:AMaster
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