こんにちは、またらんのバンド・ワン・ステップアップ第6回です。


『またらんのバンド・ワン・ステップアップ』


テーマとしてはあなたのバンドの何か足りないもの、どこかパッとしない原因となっているであろうことを毎回色々な視点から探っていくというものになります。



またらん


都内某ライブハウスでPAエンジニアや照明スタッフとして働きながら自身もまたギタリストとしてバンド活動をしています。


またギタリストのための音作りbot(@gt_sound_making)、ギタリストのための音作りブログ(http://guitarsoundmaking.blog.fc2.com/)の管理人もしています。


さて今回は直接的な音楽にかかわる話ではありませんが、直接的でなくても非常に重要な点をテーマに書かせていただきます。


バンドのリーダーをやっていたり中心人物となる人にとっては常に悩みの種になりうる問題がメンバーのモチベーションつまりやる気です。



モチベーションの低いメンバーがいると積極的な動きができなかったり、ましてや他のメンバーのモチベーションをも下げてしまうことがあるかもしれません。


もちろんモチベーションが低いとどんな面でも最高のパフォーマンスが発揮されません。


下手したらバンドの解散につながりかねないこの問題ですがそれにうまく対処するのは非常に難しい事です。


メンバーを焚きつけようと厳しい事を言ったらもうバンドをやめるといわれてしまったりそういったことは往々にして起きることです。



しかしこれらのことを経験則で片づける人が非常に多いですが、


人によってさまざまな原因でモチベーションが低下してしまっているので誰かにうまくいったやり方でうまくいくとは限りません。


実は筆者は学生時代に動機づけ心理学を専攻・研究していましたのでそれに基づいてバンドを導く人がどのようにしていくのが良いのかについて考えていきたいと思います。


できるだけかみ砕いて説明しますがちょっとややこしい話にもなると思います。


でもバンドをよくしようと考えている人なら理解しようとするやる気があると思うので頑張ってついてきてください。



 



 



まずはメンバーの生活状況を見直そう。



マズローの欲求五段階説という理論があります。とはいってもこれをくどくど説明し始めても読んでいる方は面白くないし、いやになってしまうと思うので簡単にまとめさせていただきます。





この三角形のより下に位置する欲求が満たされればそれより上の欲求満たしたくなるという理論です。


生理的欲求とはお腹が空いたからご飯が食べたいとかトイレに行きたいとか眠いから寝るとかそういったものです。


また安全欲求とは自身の身の安全を図りたいというものです。



バンド活動に関しては上の図でいう精神的欲求に当てはまる(詳しくは後述)のでまずは最低限、この生理的欲求と安全欲求が満たされていないとバンド活動に対してやる気は起きないということです。


例えば発展途上国で明日生きるか死ぬかという生活をしている人は自分磨き(これは自己実現欲求に当てはまります)なんて絶対にしませんよね。



つまりあなたのメンバーはお金がなくて衣食住に困っていませんか?バンド活動のせいで睡眠時間が取れなくなっていませんか?ということになるのです。


もしここに問題があるようでしたらそのメンバーはバンド活動に本腰を入れることはできません。


下層の欲求が満たされていないためより高次な欲求を満たそうと思わないからです。


まずはメンバーの生活環境の見直し、またバンド活動が生活に対して極端な負担になっているのであれば活動ペースの見直しが必要です。



 



 



メンバーは何のためにバンドをやっていて何につまずいているのかを知ろう



 



おや、生活には問題はないはずなんだけどやる気を出してくれないんだよといった声が聞こえてきそうですね。


では次にこの理論から見つけられる問題点はどこにあるのでしょう。


先に下の欲求が満たされればより上の欲求に対する行動にやる気が起きるということを話しました。


ではバンドメンバーにとってバンド活動とは上の三角形のどこに当てはまるのでしょうか?


こちらは人によって異なります。



例えば


A 例えばバンドマンというグループに所属したくてバンドをやっているAさん(所属と愛の欲求)



B 周りにすごい人だと思われたいと思われたくてやっているBさん(承認欲求)



C より素晴らしいプレイヤーでありたいと思うCさん(自己実現欲求)


では到達したいレベルが違います。


メンバーのモチベーションが低いと感じる人はおそらくBさんやCさんのような動機でバンド活動をしている人でしょう。


そしてモチベーションが低いと思われているメンバーはそれより低い欲求のレベルにとどまっている人だと考えられるわけです。



例えば上のBさんがAさんに対してやる気がないなと感じている場合はBさんは溶け込めているけどAさんはバンドメンバーや周りのバンド仲間に溶け込めていない場合が考えられます。


その場合はAさんが溶け込めるように手助けしてあげれて溶け込むことができれば、その周りの人に認めてもらいたいと思ってAさんはBさんと同じレベルのモチベーションに引き上げられます。



次にCさんがBさんに対してモチベーションが低いと感じる場合はCさんは周りに良いプレイヤーだと認められているけれどBさんはプレイヤーとして認められていないということが考えられます。


これを引き上げるには周りがBさんを認めてあげなくてはいけません。


しかしBさんが練習をしなくてはうまくもなりませんのでどうすればいいかとなりますが何も演奏技術だけしか承認(つまり認めてあげること)しなければいけないわけではありません。


Bさんの努力などを認めてあげれば承認欲求が満たされ自己実現の方向へとモチベーションが向かうわけです。





メンバーのモチベーションが低いと感じる場合には自分と同じレベルの欲求を満たしたいと思うようにメンバーのモチベーションを引き上げていくように考えましょう。


そしてそのためにより基本的な欲求を満たしていく事が重要というお話でした。



より具体的なモチベーションをあげる方略はまた来週続けて書かせていただきます。



text by またらん



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