①前歯がない
ロックスターたるもの喧嘩のひとつやふたつやみっつやよっつはする。
1日にそれくらいの喧嘩をこなしていれば前歯に一発いただくこともあるだろう。
しかし前歯がないくらいが歌いやすいからちょうどよいのだ。
ただし喧嘩でなくても車で電柱に突っ込んで前歯がなくなったという人でもオーケーだ。
②家がない
ロックスターはギター一本あればどこでも暮らしていける生き物だ。
ロックスターの住まいの第1位は「よく知らない女の家」であり、自分の城などは構えないのだ。
ちなみに第2位は「サウナ」だ。
③お金がない
ロックスターの中には共通のルールがある。
「宵越しの金は持たねぇ」
つまり今日稼いだ金は今日使うという意味だ。
その結果毎日何処かで誰かと飲み、そしてよく知らない女の家に消えていくのである。
④肝臓が半分くらいない
ロックスターは毎日酒浸りの生活をしているので、肝臓が完全にやられているので過去に一度くらい切除手術をしているものだ。
しかし肝臓は再生能力があるので特に気にしていない。
⑤人望がない
ロックスターとは常に孤独な人間である。
わざわざ人に媚びたりもしないので、仕事以外では関わろうとする人は少ない。
しかしよく知らない女には優しくしてもらえるのでそれで十分なのだ。
ちなみに一緒にサーフィンをしてくれるベーシストだけは確保しておく必要があるので注意しよう。
⑥音楽ってよくわからない
音楽理論というのは突き詰め始めるととても奥が深く、幼少時から英才教育を施されているクラシック畑の音楽家などにはとてもかなうものではない。
しかしロックスターはそんなことは気にしなくてもギターのコードAとEとDがわかっていればいいのだ。
適当に弾いているうちにセブンスの音がたまたま入ってしまえばとそれはそれでとりあえずブルース風に聞こえて超かっこいい。
それこそがロックスターたる所以なのだ。
⑦喋らない
ロックスターはその佇まいだけで十分な魅力がある。
下手に喋ってしまえば「あれ、なんか言ってること薄っぺらくない?」と思われかねない。
かの有名なロックシンガーは「ロックンロール!」ととりあえず言っておけばいいと思っているがまさにその通りである。
「どうやって作曲するんですか?」みたいな記者の質問には「集中すればできるよね」くらいクールな回答を返そう。
⑧ライブに出ない
ロックスターであるからにはライブこそが大きな収入源だが、そのライブに出ないということも時には大切である。
原因はなんでもいい。
体調不良というのも良いが、やはり「メンバーと喧嘩して母国に帰った」なんて理由はロックスターらしくてとてもポイントが高い。
ライブを楽しみにしていたファンも「やっぱりあいつロックだわ!」と許してくれるだろう。
⑨どこにもいない
ロックスターは神出鬼没である。
時にはメンバーやスタッフからも離れてみることが大切だ。
しかし連絡先だけは明確にしておいて、バンドのリーダーから「帰っておいで」とたくさん留守電を入れておいてもらおう。
⑩ロックって何かよくわからない
そもそもロックスターはロックを地で行くわけなので、いちいち「これはロックっぽいかな」なんて考えて行動しない。
そういう意味ではロックなんてよくわからない。
黙ってろ!俺がロックだ!くらいの心持ちがちょうどよい。
しかし時にはポップな曲を作れるということを小出しにしておけば、バンドの全盛期が終わったあとでもアニメソングやタレントからタイアップのオファーがあるぞ!