平林純は1993年生まれの東京都世田谷区出身のシンガーソングライターだ。2009年から路上ライブでの活動を始め、2010年以降はライブハウスでも精力的に活動し、2015年にはTBS系列『Sing!Sing!Sing! 3rd season』に出演し自薦3500組の中からTOP3になるなど実力は折り紙付きだ。
『Sing!Sing!Sing! 3rd season』ではカバー曲を披露しその歌唱力をいかんなく発揮したがそこでは彼女のシンガーソングライターとしてのアーティスト性は十分には見ることができなかった。彼女の音楽性の端的なものは毒が強いということだ。病んでいるとかそういった意味ではなく語気の強さであったり歌詞のテーマであったりという点においてだ。女性アーティストの楽曲というと優しい言葉遣いであったり恋愛的な綺麗な面であったり悲しみに打ちひしがれたりと当たり前ではあるがいろいろなテーマで歌われるがその多くが理想的な女の歌であり、まさに綺麗に縁どられた”女性”アーティストの楽曲なわけだ。とはいえ実際の女性には少し汚い言葉を使うような人もたくさんいるし、恋愛的にもより男らしい女性なんかもたくさんいる。平林純の楽曲はそういった意味で非常にリアルであり、飾っていないのだ。その着飾らなさが非常にすがすがしくてその毒気とのバランスがいい。
2016年5月に発売された1st mini album『PLAYGIRL』に収録された「さよならbaby」からもその点がよく見てとれるだろう。
「誰でもいいんだよ恋人なんてさ」
「使い捨てるから恋人なんでしょ」
「恋愛ごっこに飽き飽きしてる」
「うるさいな」
「面倒くさい」
という歌詞が並ぶこの曲は決して理想的な女性を歌った曲ではないかもしれない。しかしそこにある言葉は生々しくて突き刺さるのだ。
tr-2「愛しているよ」ではアコースティックギターの弾き語りで親について歌い上げる。その歌いだしではいきなりバットで殴られるかのような衝撃を受けるがその先にある愛に涙が零れそうになる。tr-3「勘違いボーイ」は「さよならbaby」のように恋愛に関しての歌で元カレへの苛立ちを刺々しい言葉で綴る。女子会での元カレへの愚痴のような内容なのだがこういった歌詞を歌ってきたアーティストというのはあまりいなかったため非常に新鮮だ。
tr-4「ナイトライダー」もアコースティックギターによる弾き語りで彼女の持つ優しさがあふれる。彼女の楽曲はその語気の強さがインパクトとして強いが、その言葉の裏に潜む彼女の優しさであったり弱さが見え隠れする点が人間臭さを出している。ただ汚い言葉を使うだけでなくその言葉を選んだ気持ちが見えるのだ。
上記4曲収録の1st mini album「PLAYGIRL」は通常盤に加え、MV、インタビューのDVDがついた限定盤Aと写真や曲解説の収録されたフォトブック付きの限定盤Bとの3種類が発売されており、ライブ会場他彼女のHPでも購入することができる。
平林純 オフィシャルホームページ
平林純1st mini album[通常盤]
「PLAYGIRL」
【収録曲】
1.さよならbaby
2.愛しているよ
3.勘違いボーイ
4.ナイトライダー
¥1,000-
【限定盤A】
CD+DVD
収録曲全曲MV、インタビュー収録
¥1,500-
【限定盤B】
CD+フォトブック
アーティスト写真、自撮り、曲解説
¥1,500-
ライブ情報
9月7日@渋谷gee-ge
9月21日@下北沢ろくでもない夜 (スリーマンライブ!)