私はちょうど1年前からmuevoのメインプラットフォームである「音楽専門クラウドファンディングサイト」のディレクターを務めている。 クラウドファンディング自体にはまだ賛否両論あるが、muevoの場合は資金調達以外に「アーティストプロモーション」や「ファンとの新しい音楽体験」を目的にキャンペーンを実施している。スタッフが現役、元バンドマンによって組織されていることから、アーティスト視点を持ったスタッフが付き、長期的にミュージシャンの音楽活動をお手伝いできるのが特徴である。
muevoのキャッチコピーには「アーティストとファンを繋ぐ」「新しい音楽体験の提供」とある。
だが実際はWEBプラットフォームという特性上、アーティストやファンと直接仕事で絡むことは少ない。アーティストの担当者と打ち合わせをし、あとはPCとスマホで完結してしまうことが多いのが実情だ。
何件か担当していくうちに「もっとアーティストやファンに近い距離で仕事がしたい」と思うようになった。
「アーティストとファンを繋ぐ」という場面を直に味わえる場所は何か。 アーティストとファンが直接顔を合わせる事ができる場所、また知らないファン同士がその空間を介して繋がれる場所とは、どこだろうか。
プラットフォームを運営する私達がもっと主体的に「アーティストとファンを繋ぐ」リアルな場所を作れないか。
元バンドマンの私はその特別な場所がライブ空間だと感じ、意を決して、イベント事業部を立ち上げることを希望した。
そんな経緯から私はクラウドファンディングのディレクターという仕事の傍ら、新しいイベントの立ち上げをすることになったのだ。
イベント第一回目は夏休み最終日に2daysという形で実施した。 初日の概要は下記の通り。
muevo presents. EX-CEED vol.1
8/30@渋谷Milkyway
asobius、THREEOUT、the twenties、THE MUSMUS、MELLOWSHiP、SILHOUETTE FROM THE SKYLIT
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8月30日、夏の終わりの渋谷にあるライブハウスmilky wayはTシャツ姿のキッズ、会社帰りと思しき女性、外国人のカップル……、様々な客層でごった返し、賑わいを見せていいた。本日ここで行われるのは音楽専門クラウドファンディングサービス「muevo」の「EX-CEED」と題されたライブイベントである。現在、シーンの最前線を担っているアーティストたちが集結するとあって、開演前のフロアはすでに熱気が溢れており、オーディエンスの高い期待値が伺えた。
◎asobius
さて、最初に力強い音を鳴らしたのは、asobiusだ。壮大なメロディー、そして甲斐(Vo)のやわらかで張りのある声が会場全体を満たしていく。中盤に披露されたポップチューン「It's a Small World」では、甲斐、海北(Ba)、髙橋(Gt)のフロントチームがここぞとばかりに飛び跳ねながらオーディエンスを煽るかのように演奏すると、その楽しさはすぐにフロアにも伝わり、オーディエンスからは自然と笑みがこぼれ落ちる。そして、最後に届けられたのは「一人ぼっちをなくしたいと思って作った曲です」と甲斐が語った「tonight」。演奏が終わる頃には大きな拍手と声援が場内から沸き上がり、最後まで笑顔の絶えることないasobiusらしいパフォーマンスを見せてくれた。
sons of the sun
window
It's a Small World
I'm in the love
starlight
tonight
◎THREEOUT
続いて登場したのは、舞台袖で気合を入れ、力いっぱいに飛び出してきたTHREEOUT。「あなたの心を盗みに来ました!!」と後藤(Vo./Gt.)の叫び声とともに始まった「MASTERPIECE」では、目まぐるしく回るレーザーと疾走感溢れるギターラインが攻撃的な世界観を場内に作りあげた。後藤が「最高の1日作ろうな!」と何度も叫び、milky wayの温度をグングンと上昇させていく。三戸(Dr./Cho.)の緩いMCで場内を和ませた後、畳み掛けるように始まったダンスチューン「Strike a Blow」、そしてラストまで激しく鋭く…!オーディエンスが力強く突き上げたたくさんの拳を先導するかのように、最後まで激しいパフォーマンスを披露してくれた。
<セットリスト>
MASTERPIECE
Faster
ARCADIA
TRINITY
Strike a Blow
Determination
◎the twenties
そして、続いて飛行機の離陸を思わせるような爆音の中、現れたのはthe twentiesだ。禍々しい色彩のライトの下、彼らの作り上げる轟音が聴く人の耳どころか頭の芯を痺れさせていく。野菜くん(Ba)の掻き鳴らすスラップとアンソニーダイナソー(Dr)の力強くもリズミカルなドラムが重なり合う。そんな彼らの作り出すメロディーにオーディエンスたちは、思わずノリノリで踊り、ダンスフロアへと一変したかのようなMilkywayは、まるで深夜のクラブのようだ。タカイリョウ(Vo./Gt.)がリズミカルに、そして、最高にクールに歌い上げた「Fire」を最後に披露して、ステージを後にしたthe twenties。我々を異世界へと誘うかのようなパフォーマンスと熱いロックンロールを存分に示してくれたステージは、さすが、お見事!
<セットリスト>
ロマンチスト
LET IT DIE
アイノウタ
Guilty
Come!!
keiki hAppy
Fire
◎THE MUSMUS
この日、唯一の女性ヴォーカルを引き連れたロックバンド・THE MUSMUS。
紅一点のCHIO(Vo.)が飛び跳ね、髪を振り乱しながらロックする姿は、我々の心を掴んで離さない。
そんな彼女が「君らの声が聞きたいねん!」と、始まった「BAPTISMA」では、場内を巻き込みながらオーディエンスの体温をグングン上げていく。「究極、裸になったらええやん。だからあたしは先に裸になったるんや!!」CHIOの放つ関西弁の力強いメッセージと共にまっすぐな歌詞が胸に刺さり、オーディエンスもそんな彼らに賛同して熱いステージを作り上げようと拳で参戦する!“生命力に満ちた芯の強い音楽を紡ぐ”、そんな言葉が似う彼らの今後の活躍に心から期待したい。
<セットリスト>
バイナリ
SSFMe
BAPTISMA
NEOPOLIS
砂の星
オメガリズム
カノジョ
◎MELLOWSHiP
ライブではお馴染みの「The Delicious Rap Show Massacre」では、Toshiki(Gt)がフロアに降り、オーディエンスと一緒に踊り、盛り上げる場面もあった。フロアの中心にサークルを作って、お馴染みのサークルモッシュ!キッズ達は、場内を楽しそうに走りまわり、心から彼らの音楽を楽しんでいるようだった。もちろん激しいだけが彼らの魅力ではない。「Re:revolution」では、疾走感あるメロディに乗せて$ENKIN(Vo)がオーディエンス一人ひとりを見渡しながら、力強くも伸びやかに歌い上げた。
ライブ映えする様々な楽曲で我々を楽しませてくれたMELLOWSHiPのアクトは、ステージが狭く感じられる存在感を放っていた。
OVERKILL
The Delicious Rap Show Massacre
Re:revolution
YOU&I
The Way
Tomorrow
◎SILHOUETTE FROM THE SKYLIT
トリを務めたのは、SILHOUETTE FROM THE SKYLIT。
キャッチーなロックナンバー「いいからテーピングだ。」を叫ぶように歌い上げた後、「ライブハウスって、超楽しいところだから!」というSeshiroX(Vo.)の言葉とともに放たれた「Beyond Six Degrees」では、大きなビーチボールが場内を跳ね回る。お馴染みのファンも、初見のロック好きも、ひとり参戦の人も…誰一人置き去りにしないのがSILHOUETTEの大いなる魅力だ。彼らのキラーチューンである「Emperor Time」では、SeshiroX(Vo.)とオーディエンスがビールで乾杯するところから曲が始まり、最後まで“オーディエンスを楽しませる!”という気持ちを忘れない彼ら。そして、大きなアンコールに応えて、再びステージに登場し、最後に披露してくれたメロディアスなロックナンバー「Blue Echo」では、SeshiroX(Vo.)の響かせる美しい歌声に場内は静かに聴き入っていた。演奏がすべて終わると、ライブバンドとしてのポテンシャルの高さを見せつけた圧倒的なパフォーマンスを披露してくれた彼らに最後に鳴りやまない大きな拍手と声援が送られた。
<セットリスト>
いいからテーピングだ。
Confessions
-MC-
Beyond Six Degrees
Closer
Emperor Time
ec.Blue Echo
(取材&文 小島沙耶)
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文・徳田 菜摘(muevo)
ライブ撮影・イトウユキ
EX-CEED公式サイト リンク→https://ex-ceed.tokyo/