ENTHはdaipon(Vo/Ba)、Naoki(Gt/Cho)、takumi(Dr/Cho)による3ピースメロディック・パンクバンドである。 名古屋を拠点に活動し、2013年4月にリリースした1st Mini Album『Get Started Together』は無名の新人ながら約2000枚のセールスを記録。 近年はDEADPOP FESTIVAL、VIVA LA ROCK、FREEDOM NAGOYAなど大型フェスへも多数出演し、今絶好調の彼ら。 そんな彼らが放つ待望のフルアルバム"HENT"が今年リリースされた。
メロディックパンクを基軸にしながらも、ラウド、スカ、歌モノ…と、シティポップ等枠に囚われないハイブリッドな音楽性が持ち味だという彼らの楽曲を早速聴いてみた。
SUMMER
強烈に夏を感じさせるギターリフから楽曲は始まる。レスポールらしい非常に骨太な音が心地良い。その裏ではドラムが4分音符でシンバルを叩きつつ、バスドラムでリフとユニゾンすることで音圧を更に高める。Aメロでテンポアップし、高速ブリッジミュートを軸にハイテンションで疾走していく。 ヴォーカル"daipon"の声はパンク系のジャンルに最適だろう。抜けがよく力強い声だ。 サビでは爽やかなバックコーラスが一層夏らしさを演出する。 曲を通してテンポチェンジが頻出するが、これが楽曲に絶妙なノリを生み出しているのが解かる。"Tonight there's nothing to stop us" "Enjoy my summer!"と、歌詞は何処までもハイテンション。聴き手を一瞬で夏へ誘ってくれるだろう。
TEARS
次の楽曲はメッセージ性の強い歌ものだ。 イントロは"456"と上昇していくコード進行。感情の昂ぶりを演出するかのようなリードギターがガツンと聴こえる。イントロから何処か涙腺を刺激されるようなサウンドだ。 英詩を多用する彼等であるが、本作ではサビ等の主要箇所を日本語で歌っている。 この英詩と日本詩の対比により、メッセージ性が際立つ。 "TEARS"というタイトルに相成った叙情感を持っていると思う。
HAHA
シンプルなベースリフから始まる、マイナーキーのハイテンポナンバー。 Aメロからベチベチのツインペダルの音が耳に刺さる。このまま爆走していくのかと思いきや、Bメロでクリーントーンの裏打ちと、動きのあるベースラインを披露。このパートはスカを意識しているのだろうか。 中盤は歌詞に合わせてブレイクダウン。気持ち良い重低音に思わず頭を振ってしまう。随所で差し込まれるギターリフはハードロック、メタルの雰囲気を醸し出している。キレのある音色。ギタリストの右手の強さを感じずにはいられない。 約2:40と短尺の曲であるが、めぐるましい変化に圧倒された。
パンク一辺倒にならず、多彩な音楽性を武器にしているという彼ら。 そんな彼らの凄みを十二分に感じ取ることができた。どれも説得力のある楽曲だ。
今後、彼らが生み出す音楽がとても楽しみだ。
【リリース情報】
『HENT』 2017/07/12 RELEASE
<CD>RCTR-1060 / 2130円(tax out.)
01.HENT
02.HAHA
03.SUMMER
04.TEARS
05.SUPER HAPPY TIME
06.ムーンレイカー
07.HANGOVER
08.NOW'S MY EX
09."TH"
10.Somewhere We Hope
11.LOVE ME MORE
12.ひじき