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午前3時と退屈 ——『海を見ている』からみる個性派バンドの音楽性

午前3時と退屈 ——『海を見ている』からみる個性派バンドの音楽性

2013年に結成されたバンド、午前3時と退屈は2017年10月25日にシングル『海を見ている』をリリースした。その作品に込められた思いや、音楽性の深層を知るべく、インタビューを決行した。


——今回、muevo voice初登場ということで、初めにバンドのご紹介をお願いします。


あにそにん(Vo / Key):バンド結成の経緯としては、私とドラムのりいちゃんが幼稚園の頃からの幼馴染で、昔からバンドやりたいねっていう話をよくしていました。そして、高校生になって二人で中学時代の同級生を誘って組んだバンドが「午前3時の退屈」です。メンバーの入れ替わりも経て、現在は航星(Gt)、高のしま(Ba)、りいちゃん(Dr)の4人で活動しています!


——バンドメンバーの皆さんはどんなキャラクターですか?


あにそにん:ベースの高のしまは……、そうですね。ちょっと性格が抜けているのですが、いつも明るいバンドのムードメーカーです。ドラムのりいちゃんはホワホワしていて、いつも3cmくらい浮いているような人(笑)。でもメンバーの中で一番しっかりしていて、お金の管理やスタジオの予約とか率先してやってくれています。そして、ギターの星くん(航星)は、とても音楽に詳しい人で、一番思考がロジカルだと思います。星くん以外の女性陣は割と感覚派なので、楽曲制作も感覚重視でやっていましたが、彼がバンドに加入してからの作品は非常に考えて作られた音楽が多いかと思います。


航星(Gt):そにちゃん(あにそにん)は私とは違って感覚で音楽を作る人ですね。私と彼女が中心となってこのバンドの楽曲を作っているのですが、そにちゃんの感覚派ならではのスピード感がバンドの中核を担っていると思います。


あにそにん:確かに私たちの曲作りって真逆だよね。星くんの曲作りは自分にとってすごく刺激的で、勉強になります。


——2017年10月の上旬からカナダで「海を見ている」のリリースツアーを行なっていましたが、ファンの方々の反応はいかがでしたか?


あにそにん:カナダのリリースツアーでは、お客さんに翻訳した歌詞カードを配っていたのですが、ライブ終演後一人のお客さんに「歌詞がすごく良かった!サイン書いてください。」と言われたことがすごく印象的でした。言葉が通じない海外でのライブで、歌詞の内容が伝わり、私たちの「言葉」を良いと思ってくれたことは本当に嬉しかったです。


航星:日本ではこの曲が良かったからこのCDを買う、というような人が多いですが、カナダの人は感覚的にいいと思ったらCDを買ってくれていた印象が強いです。そのようなところに国民性の違いを感じたりもするツアーでした。


——シングル『海を見ている』の作品についてエピソードを聞かせてください。


あにそにん:シングルのタイトル曲「海を見ている」は、坂口安吾さんの著書「私は海を抱きしめていたい」という小説に心動かされて作りました。私は昔から文学小説を読むのがすごく好きなんですけど、この作品を何度も何度も読み返して“綺麗なものをみて綺麗なものを残そう”というふうに思ったのがきっかけで作りました。一口に海といっても色々なイメージがあると思いますが、私がここで表現したかったのは、無機質で感情を持たない海です。自分なりにそのイメージを大切にしながら作りました。また、私が曲を作って、その後にメンバー全員でアレンジをしたのですが、すごくシンプルな仕上がりだけど、初めてメンバーみんなの作りたいものができた!というような感覚がありました。


——航星さんが作詞作曲された「私の隣で」のエピソードも教えてください。


航星:この楽曲は、楽曲と歌詞のイメージがあっていないところが面白いところですね。あと音楽って所詮娯楽だし、歌詞の意味なんてそんなに気にしないかもしれないけれど、私は歌詞の一節の意味を考えるのが好きでその言葉のカラクリを紐解いていくことにも面白さを感じるので、そのような自分なりのこだわりを持って歌詞を書いています。


——「海を見ている」のMV撮影はいかがでしたか?


あにそにん:スタッフが撮影終了後に「もう我慢できない!」って言って遊泳禁止の海に飛び込んだんですよ(笑)。みんなテンションが上がっちゃって、私たちも一緒になって、衣装のまま飛び込みました(笑)。最後まですごく楽しい撮影現場だったなと思います。


航星:その日は曇りだったんですけど、そのどんよりした天気が作品の雰囲気や世界観と非常に合っていてよかったなと思います。


●海を見ている MV



——最後にmuevo voice読者の方に一言メッセージをお願いします!


航星:このバンドに入ってから『海を見ている』は2作品目になりますが、前作より私自身がバンドに溶け込めた楽曲に仕上がっていると思います。みなさんに新たな「午前3時と退屈」を感じてもらえる作品になっていると思うので、是非聴いていただき、ライブに足を運んでいただきたいなと思っています。


あにそにん:この世の中に私たちより優れている音楽は山ほどあるけれど、「午前3時と退屈」の音楽に対して、何か少しでも他と違うものを感じて聴いていただけたら嬉しいです。


【リリース情報】 

『海を見ている』


¥500

・海を見ている

・黴

・私の隣

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