2012年に前作コラボアルバム『DO ROCK』を発表後、自身のレーベルから「LIFE GOES ON」という楽曲を配信し、それを軸に5枚目のアルバム制作へ動いていた導楽。そんな彼に突如襲った病。頸椎症性脊髄症という診断を受け 2014年に無期限の休養を発表した。途中まで制作されて止まったままになっていた幻のアルバム。前作から4年、現場への復活を遂げた導楽は、クラウドファンディングでアルバム制作に臨むことになった。
諦めずに強く思い描けば、可能性は無限
――今回のキャンペーンは、闘病生活を経て「まだまだ生きまくってやる」という気持ちを形に残したい……とい目的でスタートしたものです。クラウドファンディングという手法でやってみよう!と思った一番の理由は何でしょうか?
導楽 制作費を集めたいというのは前提としてありますが、協力してくれる方々と共有できる物や時間が多くて、作品を作ってる段階から手に取ってもらうまでが、今までにない形で繋がれるという所が面白そうだなと思ったからですね!
――最初にクラウドファンディングを知ったのは何がきっかけですか?
導楽 ここ1〜2年でボンヤリとクラウドファンディングっていうワードとその内容は耳にしていました。わりと最近の映画で『この世界の片隅に』というのを観た時、観終わった時のエンドロールに、プロジェクト参加者の名前がずらっと並んでて、終わりまで見入ってしまっていた。応援してくれてる人の熱も作品に込められてるような気がしたし、こういう形で制作に関われるって何かいいなって胸が熱くなりました。そこから調べるようになった感じですね。
――リターン内容もDVDだけでなく、アコースティック・ライブ、キーホルダーなど多彩な内容ですが、リターンを考えている時はファンのことを思い浮かべながら色々決めることができたのでは?
導楽 俺自身が欲しい物ややりたい事でもあり、何が喜んでもらえるか。そこは常に考えてます。キーホルダーとかならずっと持っておいてもらえるし、そうしてもらえたら嬉しい。喜んでもらえるようなコトや物を作っていけたらいいし、それがパワーになって返ってくると思ってますね。
――支援者はキャンペーンページ内のコメント欄にコメントを残すことができるのですが、導楽さんへのコメントも多数寄せられました。それらはチェックしてましたか?
導楽 キャンペーン内でコメントくれた方には返信してます。言っても新しいシステムだし、まだ物体がなく、今後の導楽というアーティストに期待して投資してくれてるんですもんね! 本当にありがたいし、コメント見てより一層気合が入ります!!
――今回のクラウドファンディング開始後、ライブ会場やイベントの現場などで応援の声をかけられることはありましたか? また、周りの仲間からの反応はどうでしたか?
導楽 参加しましたー! 斬新で面白いね!など、色々声かけてもらってます。参加してくださってる方が一緒にワクワクしてくれてるのが伝わってきて嬉しいし、上手く使えれば、これからのアーティストにとっても凄い可能性のあるシステムだとも思います。
――今回のアルバムに収録される曲は闘病中に書かれたものがメインになるかと思いますが、ソングライティングを通して改めて音楽って凄いなと感じることはありましたか?
導楽 今まで自分の書いた曲が闘病中の自分に言ってるようにも感じました。だから気持ちで負けたら、自分の唄ってきた事が嘘になってしまう。そう思ったら自分の歌にも救われました。背伸びせず等身大で自分を音楽で表現できれば、そこに魂も込められるし、音楽のパワーを感じることが出来るなと
――昨年7月の葉山オアシスでの復帰ライブは導楽さんにとって、どんな体験になりましたか?
導楽 自分にとって音楽がどういう存在なのか再確認も出来たし、諦めずに強く思い描けば、可能性は無限だなと。あんな風にライブはもう出来ない、と思っていた時期があっただけに、ただただ嬉しかった。それを待ってくれてる人があんなにいることがこれからも心の支えになります。
――2017年、導楽さんの今後の活動において指標やテーマみたいなものがあれば教えてください。
導楽 夢や目標は細かく描くタイプでしたが、病気してから色々変わりました。今は今に没頭できることが一つのテーマにもなっています。作品を作りながら、支えてもらった人達に出来る限り自分の音楽を届けにライブしていきたいなと思ってます。ちゃんと活動を続けれる身体や環境をしっかり作り直して行くことですね!!
インタビュー・文:muevo編集部
導楽
神奈川県鎌倉市生まれ。歌もDeeJayも両方をこなす「シングジェイ」。高校卒業後、地元・鎌倉のアーティストに囲まれるうちに自身もレゲエアーティストになることを目指し、湘南・横浜のクラブを中心に活動を開始。2009年、ユニバーサルミュージックからメジャーデビュー。2014年から2年半におよぶ闘病生活を経て、2016年にはバンドのストーンドロッカーズとともに復活ライブを開催。2017年、クラウドファンディングにて復活アルバムの制作を発表する。
【導楽】4年ぶりの復活アルバムリリースへ