自分を死なせないために、自分の力で生きる。そう体現するように歌い、生きるソローアーティスト・里咲りさ。
彼女はソロシンガーとして活動するほか、作詞作曲も自ら行いセルフプロデュースを極めつつ、HAWHA MUSIC RECORDSの社長を務めるというバイタリティ溢れる活動で注目を集めている。
過去には江頭2:50命名のアイドルユニットに在籍。その後独立し、アイドルグループ・少女閣下のインターナショナルの運営兼メンバーを務めるという異例の活動を始める。
その後はソロ活動に専念し、ぼったくり物販などで、バラエティ番組に多数出演し、自身の名をさらに全国へ広めつつ、シンガーソングライターアイドル兼社長として現在に至る。彼女の活動は、実に斬新だ。
2016年には自身初の作品をCD-Rのまま全国流通させた。CD-Rとして史上初のオリコンランクインという記録を果たした。翌年2017年には個人名義でZepp DiverCity TOKYOをレンタルし、ツアーファイナルとして1000人規模のワンマンライブを成功させた。
里咲りさ名義は休止させ、音楽専門のアーティスト名義Pinokkoをスタートさせるが、ファンや関係者による熱い要望で個人名義としてもアーティスト活動を再開させる運びとなった。
そして先月9月26日に里咲りさ名義として『オールライト/中央快速ハミングバード』をタワーレコード限定でリリース。
10月後半からは「それでもやっぱり、ツアー」を開催するとのことだ。
今回は、新譜より「中央快速ハミングバード」をご紹介し、里咲りさに注目するべき理由について突き詰めたいと思う。
●里咲りさ 『中央快速ハミングバード』
以前muevo voiceでもご紹介したシンガーソングライター・大石理乃の人気ナンバー「中央快速ハミングバード」をカバー。
ギブソンの名器・ハミングバードに恋い焦がれるように、里咲の甘くてふわふわとした里咲のスイートボイスが響き渡る。ひっくり返るハイトーンボイスも、愛らしくて胸がキュンと高鳴る。
原曲のストレートなロックミュージックをそのままに活かし、里咲の歌声をより鮮明に聞かせている。
この絶妙にユルいボーカルが、なんともクセになってしまいそうだ。ファルセットになろうとも、持ち前の拙くて甘ったるい歌声はそのまま。まるで子供が無邪気に歌うような愛らしさが秘めているのも、里咲ならではの魅力である。
そんなボーカルがバンド・アンサンブルと交わることで、とびきりもエモさを見せる。
なんとも中毒性の高い仕上がりとなっている。一度聴けば、もう一度聴きたくなる。これが里咲マジックである。
本楽曲とは異なるギターではあるが、ユルい歌声にトレーナー姿、ジャズマスターを使用するというサブカル好きにはストライクなMVにもぜひ注目してほしい。
シンガーソングライター兼社長。すべてを自分ではじめなければ満足できない。そんな野心に溢れる里咲りさ。
幼少期から起業することへの憧れがあったという彼女は、芸能界への憧れも含めてすべて実現させてきた。
「明日死んでも後悔しないように」を信念に、彼女は今日も歌い続ける。
10月20日の大阪公演を皮切りに、全国を巡る里咲りさ全国ツアー2018「それでもやっぱり、ツアー」。全5公演、アコースティックセットからアイドルステージと、すべて違うテイストで行うという、どの公演も魅力満載のイベントとなりそうだ。ツアーラストは12月29日、新宿MARZで行われるとのこと。女の子一人が、世界を変える。その軌跡を、ぜひ直に見てほしいと思う。
現在は武道館でのワンマンライブ実現に夢中という里咲。今後の彼女の飛躍にも、大きな注目を寄せたい。