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奥華子 ━━ 切ない恋こそ、いとおしい。“失恋ソングの女王”が歌う本当のメッセージとは?

奥華子 ━━ 切ない恋こそ、いとおしい。“失恋ソングの女王”が歌う本当のメッセージとは?

muevo編集部にリクエストが寄せられた「気になるアーティスト」を紹介するmuevo pick up。今回は奥華子の登場です。


シンガーソングライター・奥華子(おく・はなこ)。千葉県船橋市出身。

路上ライブをきっかけに2005年にメジャーデビューを果たし、アニメーション版映画「時をかける少女」の主題歌「ガーネット」で注目を集める。

聴いた瞬間から心に染み入るメロディと歌詞、失恋を歌ったバラードからコミカルなCMソングまで、まっすぐな歌声は老若男女問わず幅広い世代の人々から支持を集めている。そして、今年11月26日「クリスマスの夜」を配信リリースした。

そんな彼女の楽曲制作は、まずテーマを決めるところから始まるという。
そのテーマを元にしてピアノを弾き語り、曲と詞を同時に作っていく同時進行タイプだ。
歌詞とメロディのマッチングが最も大切だというサビのメロディから練り、AメロBメロへと、全体を導いていくそうだ。
また、製作期間も、ゆとりがあるのは彼女に向いていないらしい。
締日があり、テーマがある。あらかじめ決められた状態で、物語を構築していくのが奥華子のスタイルなのだ。
そして、真っ直ぐな想いを歌うときは“僕”、女性ならではのドロドロとした想いを歌うときは“私”と、ストーリーに合わせて一人称を使い分け、たくさんのシーンを描いてきた奥。
“失恋ソングの女王”と呼ばれるほど、失恋がテーマとなった楽曲が多いのだが、そのどれもが誇張されたお涙ソングではなく、日常風景のワンシーンを切り取ったかのような、ありふれていて、でも大切で特別な一瞬を描いているのだ。
彼女の歌を聴くと、どうしてこんなにも切ない気持ちとあたたかい気持ちが入り交ざるのか。
3つの楽曲を用いて、奥華子の失恋ソングに込められたメッセージを紐解いていきたい。


●初恋/奥華子


最初にご紹介するのは、自身初のオリコン10位を記録したシングル「初恋」。ライブでも定番曲で、ファンの楽曲人気投票では2位にランクインするという奥にとっておなじみの楽曲の1つだ。
自身の楽曲に失恋ソングが多いことから、“失恋ソングの女王”と呼ばれる奥華子。究極の失恋ソングを作ろうという目的から生まれたのが「初恋」だという。
別れた恋人への断ち切れぬ想いをありのままに描いていて、奥のあたたかくも切ない歌声が“終わらせたくない愛”を痛烈に歌っている。
 “どん底に落ちるような曲”というイメージの元、作られただけあって、その歌詞はあまりに切なく、苦しい。愛の終わりを知った経験がある人には、より鮮明に聴こえるだろう。最後の最後まで、光が見えないようにすることで、リスナーに現実的な感情を呼び起こさせる。
失恋経験がある人にはそんな自分を思い出しては少し愛おしくなったりしてしまう。そして、「実際は前を向いていこうとか、すぐには思えないんだよ」という奥のメッセージに、あのときの自分を許してあげられるような、そんな気持ちになれるのだ。


●奥華子/クリスマスの夜【リリックムービー】


次にご紹介するのは先日公開された最新楽曲「クリスマスの夜」。今年11月に配信限定シングルとしてリリースされた、奥を代表するクリスマスソングとなった一曲である。
クリスマスソングといえば恋人たちが幸せに過ごす一日を描いたものがほとんどだが、今楽曲のテーマは“失恋”。
制作当初はハッピーな楽曲を作ろうと思って挑んだ奥だが、予定よりも切ない音楽としてできあがったという。
しんしんと降る雪を連想させるような、しっとりとしたピアノから始まり、奥華子独特の奥ゆかしいハイトーンボイスが合わさる。そこには、1人遠くへ想いを放つ切ないクリスマスが広がる。
別れてしまった人を想い続けるという経験は、誰にでもあるだろう。
好きな人の幸せは願いたい。けれども、あなたのことが好きだから、あなたの幸せを素直に願えない自分がいる。そういったもどかしい気持ちを胸に生きる、というとても現実的な感情を描いている。
いい人でありたい。誰もがそう願うけれど、実際はそんなにうまくいかないんだというリアルな部分を、奥はダイレクトに、そして巧みに描いている。
しかし、奥の音楽には次に繋がる懸け橋がある。
この曲もそうだ。最後には、別れた人の幸せを願えるほど強くはないが、1年に1度のクリスマスくらい相手の幸せを願いたい自分でありたい、と歌っている。
この曲は、失恋ソングでもあり。次の“自分”になるためのエールでもあるのだ。



●奥 華子/ガーネット(弾き語り)


最後にご紹介するのは、奥華子を代表する名曲「ガーネット」。
劇場版アニメーション「時をかける少女」のために書き下ろした楽曲で、脚本と絵コンテを元に「奥さんの好きなように作ってください」という指示のもと生まれたという。
最初にできたのは奥の別楽曲「変わらないもの」だったのだが、あまりに切なすぎるがゆえ、そちらは挿入歌としての使用に。その後、試行錯誤を重ねた結果、主題歌として完成したのがこの「ガーネット」だ。
「いつか他の誰かを好きになったとしても、 あなたはずっと特別で、 大切で」
このフレーズに涙した人も多いのではないだろうか。
失恋ソングとしても名高い今楽曲だが、涙する理由は悲しみではない。
先述のフレーズにもある通り、好きな人に出会ったこと、愛したことを経て知った“幸せ”に、私達は感動しているのだ。
忘れられない人に出会うということは、とても幸せなこと。その人と離ればなれになってしまう未来が訪れたとしても、その人は心にずっと生き続ける。愛する人が他に出来たとしても、その人を忘れることはない。
そんな人に出会えたこと自体が、幸せなのだと、奥は失恋をテーマに伝えている。
そんな失恋と幸せを掛け合わせた「ガーネット」は、デビューしたての奥に舞い込んできた大きなチャンスであり、結果として多くの人に愛される一曲となった。
映画とともに歴史に名を刻み、合唱曲やカラオケなどで歌ったという人も多い。
こちらもライブでの定番曲。この楽曲の持つ意味は、奥のしたたかで素直な歌声にこそ宿る。その美しい歌声とともに、ぜひライブで体感してほしい。


ライブでは客観的であることにこだわる奥。その思いは、「客観的でいる方が、音楽が、言葉が伝わる」という考えにある。
ライブでは弾き語りのときもあれば、バックバンドと共に盛大な演奏を行うときもあるそうだ。音源とはひと味違う生の奥華子の姿を、ぜひ直に体験していただきたい。
彼女の生まれ持つ美声と、リアルな世界観にどっぷりと触れるチャンスをお見逃しなく!



【ライブ情報】

「Merry Snow Christmas Special Live」

日時:12/23(日)16:00~

会場:ランドマークプラザ 1階 サカタのタネ ガーデンスクエア


【リリース情報】


奥華子/クリスマスの夜
発売元:ポニーキャニオン

■奥華子Official HP:http://okuhanako.com/
■奥華子Official Twitter:https://twitter.com/okuhanako (@okuhanako)

■奥華子Official BLOG:https://ameblo.jp/kokoroletter/



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