パンクバンド「響心SoundsorChestA」においてボーカルとギターを務めている、SO-RI。 

「音楽家」、「パンクロッカー」、「詩人」、「脚本家」、「てつがくしゃ」、「人間集会代表」といくつもの顔を持つが、響心SoundsorChestAだけを見てもCOUNT DOWN JAPANなど多くのフェスへの出演、企業への楽曲提供も行うなど、高い評価を受けている。
響心SoundsorChestAは、現在第5期。初期は「演説にドラムがついているようなやり方」でやっていたというが、そこからギターロック色の強いサウンドへと展開。ただそんな中一貫して言えるのは「文学ロック」と評されるような、言葉の強さだ。
本だらけの部屋に住んでいて、詩人として詩集も発売している彼。さらに心理学や哲学、脳科学に社会学、政治学などについての定期的な勉強会も開催していて、「小さい頃から哲学が好き」「哲学専門のユーチューバーになる」とも語ることからも、言葉の強さは想像できるだろう。
この2020年4月には新アルバム『2020/Les Demoiselles d'Avignon(2020年/アヴィニョンの娘たち)』をリリース。世界が未曽有の状態である今、ますます注目度を高めている存在だ。




・人間 / 響心SoundsorChestrA 




2017年3月にリリースされた音源集「Good-bye Good Music」に収録されている楽曲。タイトでソリッドなバンドサウンドの上で、まさに演説のように言葉が詰め込まれている。ポエトリーリーディングやラップとも違うその雰囲気は、一般的にイメージする音楽的なサウンドとは一線を画す。しかしそれでもなぜかむしろ音楽的に聞こえてくるのが、響心SoundsorChestrAの面白いところだろう。 

綴られているのはタイトル通り「人間」とはどんなものなのかということ。的確であり辛辣でもあるその言葉は、どんな人でもどこかハッとするところがあるはずだ。是非その言葉を見ながら聴いてもらいたい1曲。




・CDJ15/16 ギターへし折り 響心SoundsorChestrA 




日本でも屈指の人気を誇る音楽フェス、「COUNT DOWN JAPAN」に出演した際の映像。とはいえこの映像で見ることが出来るのは、その演奏模様や歌唱模様ではなく、ギターをへし折るというシーン。 

持っているギターを激しくステージにたたきつけ、へし折ってステージを去っていくSO-RI-の姿が確認できる。最後にモニターに映る折られたギターは、ある種衝撃映像だろう。
パンク魂溢れるワンシーンだ。




・「Ape to Ape」/響心SoundsorChestrA 




最新アルバム「2020/Les Demoiselles d'Avignon(2020年/アヴィニョンの娘たち)」からの楽曲「Ape to Ape」。冒頭2分20秒も無音の映像が続き、それから激しいノイズと共に楽曲が始まるというこのMVからしてすでにこだわりの強さが感じられる。 

ドコドコとしたドラムにノイズをまき散らしながらうなるギター。そして楽曲に厚みと深みを与えるベースといったバンドサウンドが抜群に気持ち良く、その上で舞う言葉もどこかメロディックで受け取りやすい。特に≪まともなやつ/表六玉に候≫≪見えて/見たは/ただの快楽の園だね≫と歌うメロディーから先の展開は、実にキャッチーだ。
ただもちろんパンクであり哲学でもあるので、古くからのファンも、これから入る新しいファンも、このバンドの核や芯ともいえる部分に触れられることも間違いない。



単純に音楽として楽しむというだけではなく、精神的、そして知的な勉強として彼の言葉に触れてみるというのも一つの聞き方だろう。 




【HP】https://www.souri.site/


【Twitter】https://twitter.com/kinajosouri?s=20


【リリース情報】 



「2020/Les Demoiselles d'Avignon(2020年/アヴィニョンの娘たち)」


収録曲
1.新・諸行無常宣言
2.Ape to Ape
3.Give & Give
4.DisHumanrights
5.実存的青年
6.Forever2月
7.透明へ
8.天才の行方
9.Guernica
10.白い手紙
11.世界の壊し方入門
12.愛して0人称