ライブへの期待感と解散への焦燥、そしてこれから体感するであろう音の波に備えて、開演前のオーディエンスは異様な雰囲気に包まれていた。


ほどなくして会場は暗転、スクリーンに映し出されたメンバーからファンへの感謝の言葉が映し出され、大きな歓声が巻き起こる。


おぼろげに白いスクリーンにメンバーの姿が浮かび上がると、会場の熱は最高潮に達した。





 



鳴り響く轟音



打ち付けられる音の粒



呼応するように会場を埋め尽くしたオーディエンスが嬉々として躍動する



 



開演から早くもモッシュとダイブの海と化した会場を、FACTのサウンドがさらなる熱狂へと駆り立てる。


思えば、FACTはこの16年間ライブバンドとしてのキャリアをひたすらストイックに築き上げてきた。


2015年で解散を発表している彼らにとって、この『FACT "KTHEAT" JAPAN TOUR 2015』は、その活動の集大成を披露するツアーだと言えるだろう。


国内・海外問わず数多のライブを行いファンを魅了し続けた百戦錬磨の彼らの演奏は、解散を予定しているとは思えないほどの勢いを放ち、今この瞬間もバンドとしての成長を遂げているのだと実感させられた。



「tonight」では、Vo.Hiro がサークルピットを煽り、会場にはオーディエンスが産み出した大きな人の渦が出来上がる。


合間のMCでHiroが放った「最高の思い出がファンのお前らのおかげで出来ている」という言葉通り、オーディエンスは演奏の熱量に応えるかのように勢いを増していく。



一転、MC後の「 「over」のクリーントーンが会場に響くと、中盤には会場全体が手を挙げて合唱をはじめる。


まるで、FACTのメンバーが紡ぎ出す一音一音を一緒に確かめるように、オーディエンス全体が一体化した瞬間だった。






「FACTの前に結成したバンドでの初東京ライブですっげえ緊張して、客10~15人ぐらい。ライブ始まってもみんな体育座り。東京の洗礼を受けた。そっから年月がたってこれだけの人の前で話すことができるのは本当に嬉しい。」


- Guiter.Takahiro


 



 



長い音楽活動を感じさせるセリフ、改めてこの歳月がどれほどの重みを持っているのかを考えさせられる。


夢を見て上京し、いったいどれだけの苦しみや課題を乗り越えて今日このステージに立っているのだろうか。


束の間、「slip of the lip」のイントロがはじまる。



 


「甥っ子や姪っ子、家族や友達も今日来てるから、一緒にFACTってすげえんだぞってところをみせてくれねえかな?」


- Bass.Tomohiro


 



 



問いかけに応えるように、オーディエンスが飛び跳ねる。


ラウドなサウンドに再び火が付いた。





「fog」では会場全体が激しくジャンプ。


「the way down」の演奏が始まるとHiroの「歌いたいやつ、手をあげろよ!一緒に歌おうよ!わかんなくてもいいから」という言葉に大合唱でオーディエンスが応える。


その後「disclosure」ではスペシャルゲストを交えての演奏、ゲストの登場に会場は興奮の坩堝と化し、より一層ダイブとモッシュが激しさを増した。


そしてライブはいよいよ佳境を迎える。



 


「FACTっていう陽が落ちても、朝が来るって想いを込めた。メンバー6人を応援してください」


- Hiro


 



 



ファンに想いを伝え、「sunset」の演奏が始まる。



 


「一秒がこんなに寂しくて、こんなに楽しい時間は、もしかしたら今日が初めてかもしれません。本当にありがとうございました。」


- Hiro


 



 



演奏の最後をHiroが演奏する鉄琴の音とともに締めくくった。


ラストは代表曲「a fact of life」のイントロが流れ始めると、オーディエンスは待ってましたとばかりの大歓声と熱狂の渦に包まれる。


その後のファンのアンコールの呼びかけには、それぞれに想いを込めて「Pressure」「stretch my arms」といった楽曲を披露した。


最後には「今日は一つだけお願いがある」と、オーディエンスと記念撮影。


ファンとともに、終始熱狂と感動に満ちたライブを写真に収め、締めくくった。





 



ライブの余韻に浸りながら、思い出を振り返る。


FACTとの出会いは強烈だった。


ギターキッズだった筆者がいつもの楽器店で見た雑誌の表紙に、見慣れない能面を付けたバンドが載っていた。


その見た目もさることながら、ソリッドでエッジの効いたギターリフ・早いだけではない変拍子も難なくこなす日本人離れしたドラミング・音の住み分けが出来ているボーカルのハイトーンボイス、エレクトロニカやダンスの要素を斬新に取り入れたその楽曲センス、etc,,,



アルバムを聴きこむたびに楽曲に散りばめられた音楽性を発見し、聴きこむ程に夢中になった。


2012年に新メンバーであるAdamが加入した際には、音楽性がどのように変わるのか若干の不安もあったが、ギターが三人になったことで音の厚みが増し、見事築き上げてきた音楽性を一つ上のステージへと昇華させた。



FACTは、間違いなく2000年代のラウドロックシーンを第一線で走り続けてきたバンドだ。


音楽に対するストイックな姿勢は、楽曲を聞くだけでアルバムごとにその想いを伺い知る事が出来た。


彼らがミュージックシーンに残してきた功績は、既にこの場で多くを語る必要もないだろう。



残念な事に、彼らは今年でその活動に終止符を打ってしまう。


解散に至った経緯は定かではないが、きっとその結論に辿り着くまでに、想像もつかないような紆余曲折があったのだろう。


答えの見つからない「なぜ?」という想いがぐるぐると頭の中を駆け巡る。



だが、詮索するのはもうやめよう


彼らは多くを語らない


いつだってFACTの語る「真実」は、彼らが私たちに残した楽曲の中にある



今回のライブは、FACTというバンドの生き様や歴史を感じる事のできる、最高のステージだった。


彼らがこれまで何を積み上げ、何を伝えたいと思ってきたのか、その想いを受け取る事が出来た。



幸いな事に、今現在まだFACTの活動は終わりを迎えてはいない。


今後も年内は精力的にツアーをこなしていくし、来月にはメンバーがセレクトした18曲に加え、新曲を2曲追加したベストアルバムのリリースも控えている。



立場上あまり大きな声では言えないが、会社や学校を休んででもFACTの演奏を観に行く価値がある。


解散を発表しても、彼らは何も変わってはいないのだと安心する事ができた。


泣いても笑っても、FACTのライブを味わう事が出来るのは今年で最後だ、あなたもぜひFACTのライブに足を運んでみてほしい。


ライブを目の当たりにしてきた私が断言しよう、FACTは今、バンドとして全盛期を迎えていると。



 



 



 



NEW RELEASE





メンバー自らがセレクトした初のフィジカル・ベスト。


このアルバムにのための完全オリジナル新曲2曲を含む20曲を収録予定。


DVD付き商品には、ラスト・ツアー「FACT”KTHEAT”JAPAN TOUR」@大阪、なんばHatchのライブ本編を収録!



BEST ALBUM『best+ 2009-2015』


11月11日発売


【CD+DVD】\ 3,800円 (TAX OUT)


【CD ONLY】\ 2,800円 (TAX OUT)



 



 



『FACT "KTHEAT" JAPAN TOUR 2015』



・2015.10.17 (土) 岡山:YEBISU YA PRO


・2015.10.18 (日) 広島:クラブクアトロ


・2015.10.20 (火) 兵庫:神戸 太陽と虎


・2015.10.22 (木) 長野:CLUB JUNK BOX


・2015.10.24 (土) 新潟:LOTS


・2015.10.25 (日) 石川:金沢AZ


・2015.10.30 (金) 愛知:名古屋Diamond Hall


・2015.11.06 (金) 茨城:水戸LIGHT HOUSE


・2015.11.07 (土) 福島:いわきclub SONIC iwaki


・2015.11.10 (火) 千葉K's Dream



 



FACT OFFICIAL HP:http://factjapan.com/



▶音楽専門クラウドファンディングサイトmuevo:http://www.muevo.jp