空気公団は1997年結成。現在は山崎ゆかり、(歌、作詞作曲担当)、戸川由幸(ベース、ギター、録音担当)、窪田渡(鍵盤楽器、編曲担当)の3人で活動中。
ささやかな日常語、アレンジを細やかにおりこんだ演奏、それらを重ねあわせた音源制作を中心に据えながらも、映像を大胆に取り入れたライヴや、様々な芸術家とのコラボレーションを軸にしたイベント、制作物等、枠にとらわれないアート志向の活動を独自の方法論で続けている。
最新作にアルバム『こんにちは、はじまり。』がある。2015年11月には空気公団インスト版『芯空2』が配信限定で発売された。
2016年2月には山崎ゆかりがトータルプロデュースした花澤香菜のニューシングル『透明な女の子』の発売が話題となり、今後の幅広い活躍が注目されている。
枠にとらわれない活動で独自の世界観を描き出す空気公団。2011年2月にリリースされたアルバム、『春愁秋思』では、あえてデモを制作せずにセッションを重ねて収録し、自由度の高い作品を創り上げた。
MV『なんとなく今日の為に』
『なんとなく今日の為に』というこの作品も、そんなアルバムに収録された楽曲のうちのひとつだ。のびやかで暖かくありがなら、どこか憂いを含んだ音色が、ちょうど今のような春のはじまりの季節に心地好い。日常の中の、なんでもない一場面。ふいに訪れる、深くて芯のある幸福感と充足感。当たり前に生きて、日々を過ごしていることの幸せを思い出させてくれる、そんな曲だ。
彼らの世界観を描き出す上で大切なものが、山崎ゆかりの紡ぎ出す歌詞だ。想像や空想の世界ではなく、現実とリンクしたその世界には、時代に左右されることのない普遍的な魅力がある。
MV 『はじまり』
「はじまりは終わらない はじまりが終わらない 僕らのそばにいつもはじまりがいるのさ」(lyric by 山崎ゆかり)
繰り返されるそんな言葉が、心の真ん中にすっと落ちていく。
MVは生音の一発録り音源を採用しており、地面を踏みしめる音、風のささやきや水の音といった、偶発的に生じたその場の音が入り込んでいる。ずっと昔からあるそんな自然の中で、いくつのものがはじまって、終わって、そしてまたはじまっていったのか。そして今この瞬間にも、何かが終わり、そしてはじまっていることを、空気公団の演奏を通して深く意識させられる。歌詞の世界がもつ重さを大切にしているという彼ら。「終わりがあるからはじまりがある」。そんなメッセージを込めたという。
ちなみに、この音源はMVだけのものであり、CDに収録されているものとは違うという。そんな二つの音源に見られる表情の変化も、聴きどころのひとつだろう。
また、空気公団の歌詞をまとめた詩集も出しており、歌詞としてだけでなく言葉として味わうことで、より一層彼らの世界に浸ることができるだろう。詩集は彼らの公式オンラインショップからも購入できるので、ぜひチェックしてみてほしい。
歌詞をつくる上で、”日本語”で書くことにこだわっているという作詞作曲担当の山崎。そんな山崎の出身は青森県。そこに古くから口頭伝承で受け継がれてきた曲があるという。それが『お山参詣登山囃子』だ。
MV『お山参詣登山囃子』
小さい頃から歌わされていたという歴史あるこの歌に、空気公団がアレンジを加え、新たな風を吹き込んだ。地元の新聞に取り上げられたこともあるようで、この曲がいかに地元の人々に愛されてきたかが分かる。
美しい日本語の響きと、彼らのどこか温かな音色を聴いていると、なぜ彼らが日本語にこだわるのか、その思想の一片が垣間見えるように思う。
昨年11月に配信限定でリリースした『芯空2』は、そんな言葉を大切にする彼らの楽曲から、あえて言葉を取り払い、既存の曲を再構築したアルバムだ。
MV『天空橋に』
この『天空橋に』も、『芯空2』に改めて収録された楽曲のひとつだ。
煌めきの中に、どこか息遣いや体温を感じる音色から、言葉の先にある彼らの想いを何となく見出せるような気がする。もともとこの“天空橋”というのは羽田空港前に実在する橋のことであるという。また、行ったことがあるからこの曲を書いたのではなく、曲ができてから初めて訪れたという、着眼点の独特さを表すようなエピソードも。ボーカルの山崎が作ったというMVにも注目だ。
常に独特な観点から、時には実験的な手法を用いながら音楽的アプローチを行っている彼ら。ライブではバンドサウンドで演奏を行っており、MVや音源とはまた違った表情を見ることができる。そんな彼らの最新情報は公式HP、Facebookからもチェックすることができるので、ぜひアクセスしてみてほしい。
→公式HP
■LIVE INFO
日時:2016年5月13日(金)~15日(日)
※空気公団の出演は5月15日(日)となります。
会場:大塚海浜緑地(ラグーナビーチ)
〒443-0014 愛知県蒲郡市海陽町2丁目39番
※ラグーナ蒲郡を目指してお越しください。ラグーナ蒲郡に面する海浜緑地が会場です。
チケット:前売:1,900円~ 公式HPお申込みフォーム他、各プレイガイドにて発売中
※チケット状況は公式HPにてご確認ください。
(問)GREENS tel 06-6882-1224LIVE:HARCO、空気公団、GOMES THE HITMAN
Guest:ヨーロッパ企画
開場:13:30 開演:14:00
※イベント会場は12:00オープン。FOODなど出店エリアをお楽しみください。
前売り:¥4,000 当日:¥4,500 全自由(税込)
子供料金:小学生前売り¥2,000 (通常の前売りチケットをご購入いただき、当日窓口にて2,000円キャッシュバック致します) ※未就学児童:入場無料・チケットぴあ [Pコード予約]0570-02-9999 Pコード:289-223
・ローソンチケット [Lコード予約]0570-084-003 Lコード:51382
・イープラス http://eplus.jp/