wacci(ワッチ)が、昨年の夏に自身初のフルアルバム『日常ドラマチック』をリリースしてから、360度ライブや関東全県ライブ、学園祭ライブなど、全国を駆け巡ったが、2月4日に豊洲PITにて大成功のフィナーレを迎えた。



wacciとは?


橋口洋平(Vo, Gt)、小野裕基(Ba)、村中慧慈(Gt)、因幡始(Key)、横山祐介(Dr)。聴く人すべての「暮らし」の中にそっと入り込んでいけるようなPOPSを作るべく結成したバンド、wacci。泣いたあとにちょっと笑えるような、笑ったあとはもっと笑えるような歌を届けます。(※プロフィールより)
http://wacci.jp/



15時に開場した途端、豊洲PITの広大なフロアを埋め尽くすシーティングシートに続々と人が集まり始め、開演時刻の15時半近くにもなると今か今かとそわそわするファンの方で満員となった。中には子連れや年配の人もいて、改めて老若男女問わず愛されているバンドだと感じた。

メンバーが登場すると歓声が上がり、さらに音が鳴り始めると最前席から波のように皆立ち上がっていく。ボーカルの橋口が「wacciです! 東京ファイナルへようこそ! さぁ始めるよ!」と叫ぶと、一気にフロアの熱が上がっていくのがわかった。

メジャーデビューして3年半。念願だった1stフルアルバム『日常ドラマチック』を引っ提げた本ツアー。wacciがこれまで出してきたシングルを中心に、数々の名曲を完全網羅し、新曲も多数収録した傑作となっている。早速本作収録曲「歩み」からスタートしたライブは、続いて「僕らは『雨バンド』と呼ばれてるけど外は晴れました!」と「晴れるから」に繋がっていく。

3曲目の『キラメキ』終了後のMCで橋口は「大切な人を連れてきてる方も沢山いると思います。全力で楽しませるのでついてきてください!」とファンに伝えた。その言葉に安心したかのように、続いて「会いにいくよ」「じゃあね」「君なんだよ」で盛り上がっていく。

「今日はせっかく椅子があるので、皆さんぜひ座ってください」
「皆座るとセミナー感すごいな!」という言葉にフロアからは穏やかな笑いが溢れる。
昨年2月からwacciとドコモが「大丈夫」を応援歌として、全国津々浦々頑張っている人を応援しに行くキャンペーン「wacciがドコでモいくから、ダイジョー部 with docomo」をスタートさせていることもあり、彼らのファンは全国に広がっている。

「どこから来てくれたの?」というメンバーからの問いに、挙手で答えていくファン。
北は北海道から、南は九州まで、さらに台湾、タイ、オーストラリアといった海外からも駆けつけた方がいるということにとても驚いた。
wacciのライブの魅力はその演奏のみならず、緩やかにかつ思わず笑ってしまうようなMCも面白い。

ファンと一体になってきた彼らは次にバラードを披露した。CMソングで話題となった「君とシチューを食べよう」に続き、「羽田空港」「東京」に繋げていく。気持ちよさそうに聴き入っているファンであったが、ドラマ主題歌にもなり彼らの代表曲と言っても過言ではない「大丈夫」が始まると、一斉にスタンディングとなり手を振り上げていく。

「まっぴら!」では「恋なんてまっぴら!」というフレーズにのせて、ギターを手放した橋口がステージを目一杯使って歩き回りながらコールアンドレスポンス。お客さんと一緒に「世界一難易度の低いダンス(笑)」を披露し、インストゥルメンタルのパフォーマンスで客席の温度が上がった後は、「君に不採用」ではフロアに降りてすべてのお客さんと一緒にタオルを振り回しながら歌うというパフォーマンスをみせた。

サングラスをかけてPERFECT HUMANのパロディを入れた「Weakly Weekday」では、ファンも一斉にお決まりの振り付けを踊り始める。「誰ニモマケズ」、そして、本編最後の曲となった「リスタート」では銀テープが舞い降り、感動のフィナーレとなった。

メンバーが去った後、一通りの拍手が鳴り止むと、突然「せーの!」という一人のファンの合図をきっかけに、フロアの皆で「大丈夫」の合唱が始まった。会場中に響き渡る「大丈夫」の歌声。とても心が温まる、まるでシチューを食べた時の感覚になった。

アンコールでは「変身」「結」「サヨナラ」の3曲を演奏し、最後はフロアと一緒に記念写真を撮影して終了した。

ライブ中、橋口は何度も感謝の言葉を口にしていた。「20代後半で音楽が夢だと語ることは恥ずかしいと思っていたけれど、皆のおかげで恥ずかしいことなんかじゃないと改めて感じました! ありがとう!」。5月25日(木)の赤坂BLITZを初日とした全国ツアーが決定したwacci。多くのファンに愛されているバンドだと改めて感じた1日だった。