Nakanoまるは福岡県出身のシンガーソングライターだ。 

2012年より開催されているオーディションプロジェクト”ミスiD”にて、2017年度に審査員特別賞を受賞したことをきっかけに、彼女の名前は日本中に広く発信された。 儚げな雰囲気と可愛さ溢れるルックスを活かし、モデルなどの活動や、”ミスiD”オーディションの先輩でもある水野しずが主催するアートパフォーマンス集団「カリスマサイド」に参加するなど、その活動も多岐に渡る。 

自ら曲を作り、ギターを弾く彼女が得意とするのは、ガールズ感満載・ハツラツとしたポップなフォークロックと独特な”まる”ボイス。 彼女のハイトーンボイスは彼女の憧れるYUKIのようなインパクトある甲高さに加え、どこまで高音に引き上げていってもヨレない正真正銘の歌唱パワーが魅力的だ。 

目に見える形で実力を備えている彼女は、同世代の女性アーティストの中でも群を抜いた歌唱力を持っていると言えるだろう。 

そんな彼女の音楽について、11月に発売されたファーストフルアルバム『MOM』収録曲を通して、Nakanoまるのひねりを効かせた楽曲とキュートなボイスとポップ×フォークロックの合わせ技について紹介しよう。


●笑う女の子 


晴れやかなキュートボイスからスタートし、リスナーを一気に引き込むこの曲。 ビタミンカラーが弾けるMVだけでなく、随所に入れ込む笑い声や、比喩と真実が織り交ざった独創的な歌詞など、多彩な遊び心がふんだんに詰まっている。 イレギュラーなラインを描くボーカルはハキハキと言葉を並べるのに対し、この曲の一番響くフレーズである「笑う女の子、いつも可愛い」の最後にふにゃっとなるNakano まるの素直なかわいらしい声にぐっと魅了されてしまう。 高らかに歌い上げる彼女の歌声は、清楚できれいでもあり、クセのあるちょっと捻くれたひっかかり方も見せる。その両方が彼女の魅力となるのだ。


●メルヘンチックじゃない



電子音や効果音のようなエフェクトが力強く打ち込まれている「メルヘンチックじゃない」は、その通りメルヘンチックじゃない。 キラキラエフェクトサウンドは大体ぼやけた甘いボーカルが使用されるメルヘンなチューンが多いのに対し、同じような音を使うもまるで髪を振り乱して身体をまるごと激しく揺らすNakano まるを彷彿させるように、アグレッシブな音楽となってる。 

特に中盤から貪欲に叫ぶ姿は、彼女の外見やこれまでのイメージを覆すほどのエネルギッシュな一面を見せている。


●はんぶんこ 



アルバム『MOM』のラストを飾るこの曲はフォークロック×現代ミュージックの複合体である。懐かしみと親しみのあるあたたかなメロディラインに、おしとやかで素朴なボーカルがどうにもいとおしい光景を生み出す。 

ベーシックなリフを繰り返すギターに魔法のようにエフェクトをひとつずつきらりと落とすサウンドはノスタルジックで、やさしく心に染みる。

Nakanoまるの澄んだ歌声が最大限に活かされている楽曲だろう。


アルバム『MOM』も無事世に解き放たれ、現在はより多くの人たちに届けるため、ライブやインストアイベントを精力的に行っている。 

ちょっとひねりを入れた、可愛いのに癖のあるシンガーソングライター・Nakano まる。 

きっと大物になるので、今のうちにチェックしてみてはいかが?


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