歌手・作詞家として活動中のアーティスト、Sennzai。
2010年に音楽活動を開始すると、翌2011年からは同人作品にも参加し始める。2015年からは国内外の音楽ゲームを中心に数多くの作品にボーカリストあるいは作詞家として参加し、少しずつその音が届く範囲を広げていった。
2016年には自身のレーベルSeardrop(スィアドロップ)の活動もスタート。自身でディレクションを務めながら、継続的に作品をリリースしている。
その歌声の大きな特徴は、感情的にも無機質にも響かせられる多彩な声色にある。ロックやポップス、あるいは民族音楽やクラブミュージックまで様々なジャンルの楽曲を歌いこなしてきた経験から、どんなサウンドの楽曲でもそこに適した歌声で世界観を拡張することが可能だ。
また、伸びやかに澄んでいく特徴的なファルセットも一つの魅力。声楽経験も影響しているであろうそのファルセットや超高音域のロングトーン、感情揺さぶるビブラートは圧巻だ。
2020年5月には1st mini album「Ambivalen¢e」をリリース。改めて注目度を高めているシンガー/リリシストだ。
・PSYQUI feat.Sennzai / Swelling (Official Audio)
2018年12月にリリースされた3枚目のソロアルバム「Fleurix」に収録されている楽曲。
美しさの中に漂う無常観と異質さ。そんなサウンドに覆われて進んでいく楽曲だが、サビで一気に花開く。4つ打ちのダンサブルなムードと華やかなムード、そして荒々しさが入り乱れるサビは爆発力抜群だ。
そんな様々な表情を見せる楽曲の中で響くSennzaiのボーカルも、やはり同様に多彩。繊細に言葉を伝えるような歌唱もあれば、吐息に合わせて感情が溢れていくような歌唱もある。そしてサビでは力強い歌声の中でその特徴的なファルセット・高音を響かせる。
楽曲として聴き応えが抜群というだけではなく、シンガーとしての彼女の質の高さをしっかりと堪能できる1曲だ。
・【Full ver.】Powerless feat.Sennzai / Tødestrieb (Official Audio)
2019年12月に発売された4枚目のソロアルバム「Tødestrieb」収録曲。
ハードな歪みを伴うインダストリアル感のあるギターサウンド。ギターサウンドと対比的に美しく響き渡るピアノやストリングス。この楽曲は、そんな二つの異なるサウンドを調和させるように、Sennzaiの歌声に荒廃的な美しさが感じられる1曲だ。美して儚くて切ない、そんな歌声に感情が支配されるだろう。
≪手を伸ばすたびに 視界が眩んだ≫≪歪んだ世界で 捉える幻想から 壊して≫と歌う歌詞の世界観もどこか荒廃的な美しさ・無常的な美しさを持って響く。
・【C98/女性Vo】Sennzai 1st mini album『Ambivalen¢e』XFD 【2020.5.19 Release】
2020年5月にリリースされた1stミニアルバム「Ambivalen¢e」のティザー動画。このアルバムは「1つの曲の中でかわいい歌声と大人っぽい歌声が混じっている」というその言葉の通り、自身が二つの声色を使って楽曲を彩る、挑戦的な作品となっている。
極めてキャッチーであり熱量の高いサビが印象的な1曲目「星誕アンビバレンス」。隙間のあるダンサブルなサウンドの中でチリーに躍らせる2曲目「SickCrazy」。「辛いことがあっても歌で生きていく」という思いが込められている3曲目「ワタシは夢と君の為に」。抜群の浮遊感とチル感に没入できる4曲目「Rugie(droplamp Remix)」。と、様々なタイプの楽曲を二つの声色で着色し、唯一無二の音を描く。
その中には「コロナの状況でも歌で元気を与えたい」という想いが込められており、芸術性の高さの裏に熱量の高さが隠れている1枚だといえる。
「歌で一生生きていくのを目標に活動を続けていきたい」という彼女。
「同人というジャンルに限らずいろんな人たちに聞いてもらいたい」という思いもあり、今後またどんどん活動の幅を広げていく可能性もあるだろう。ここからどんな存在になっていくのか、また改めて注目したくなるアーティストだ。
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