マスロックやプログレ、JAZZ、フュージョンをポップソングに変換して歌うミュージシャン、川崎レオン。

基本的には弾き語りスタイルだが、昨年からはバンド形式でライブをすることも増えていったという。曲作りの際には作詞と作曲を同時に行い、かつ弾き語り用とバンド用で曲を分けている。そのことから、いかに引き出しが多いかが分かるだろう。さらに姉が漫画家で、自身も漫画を描いているというから音楽以外の引き出しも多いといえる。
そんな彼女の大きな特徴は、3オクターブ出るその音域にある。男性の声をイメージして歌っているという歌声は、とても低く響く。
本格的にライブ活動を始めたのは2013年から。その翌々年、2015年には「Summer Sonic 2015」にてgreenfield street Liveに出演。翌2016年にはULTRA-VYBE presents 「BRAND NEW VYBES 2016」において最終投票審査へ選出。さらにモナレコードガールズオーディション「モナレコ女子!2016」においても決勝進出。そこでは準グランプリを受賞するなど、高い評価を受けた。
その後声帯結節による活動休止期間を経たが、2018年にアルバム「loopline」、2019年にシングル「MUSIC/Nikko」を発売するなど、現在もライブ活動やリリースなど積極的に活動中だ。




・川崎レオン – MUSIC 




特に低いトーンの歌声で始まる楽曲。第一声はほとんど男性ボーカルで、何の情報もなく音だけ聞いていたら、これが女性ボーカルの楽曲だと気が付くまでにしばらく時間がかかるだろう。 

そんな低いトーンだけではなく、滑らかに響き渡るピアノのフレーズも頭に残る。バッキングに徹するようにコードだけを聞かせるシーンもあるが、かなり高いテクニックを要するであろう、素早く手数の多いフレーズを引く時間も長い。ライブではそんな手数の多いピアノを弾きながら歌うということを考えると、いかに高いスキルを持つ人物かが分かる。
それでいてメロディーは極めてポップ。難解な音楽をしっかりとポップな音楽に変換するという、彼女のモットーとでもいうべき姿勢が強く感じられる一曲だ。




・川崎レオン – 1st full album『loopline』digest /improvisation studio live【Live Music Video】 




2018年4月27日に発売された1stフルアルバム「loopline」の全曲ダイジェスト動画。全曲ダイジェスト動画とはいっても、ただのダイジェスト動画ではなく、スタジオライブにおいて、アルバムlooplineの楽曲を全曲即興で弾き倒すという動画になっている。もともとライブにおいてもインプロビゼーションを交えている彼女にとっては、これは一つの得意分野だといえるだろう。 

このダイジェストを見ているだけでも、全10曲収録されているこのアルバムにはそれぞれ個性の違う楽曲が収録されているということが分かる。もはやラップ調ともいえるくらいに言葉が詰め込まれている曲もあれば、昔ながらの歌謡曲のような耳なじみの良いメロディーを奏でる楽曲があったり、ハンドクラップにすごく合うような民族的なコーラスを聞かせる楽曲があったりもする。
またスタジオライブでありながらピアノにも歌にも全然粗が感じられないというのも魅力的に映る。音源を聞きたいというだけではなく、ライブに足を運んでみたいと思わせる映像だ。



ライブでは「聴く」にこだわっているという彼女。バンド形式のライブもこれから増えていくが、それによって弾き語りライブに還元されるところもあるだろう。そうしてバンド形式、弾き語り形式共々、レベルの高いライブになっていくはずだ。 

今後「音楽以外ともコラボしていきたい」とも語る彼女のこれからには、要注目だ。




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