東京都出身のジャズピアニスト・作曲家、守屋純子。 

早稲田大学卒業後、マンハッタン音楽院修士課程修了。2005年にリリースしたCD “Points Of Departure”は、第18回ミュージック・ペンクラブ賞を受賞。同年、米国セロニアス・モンク・コンペティション作曲部門で、東洋人としてまた女性として初の優勝に輝くなど、その評価は高い。

海外でもたびたび演奏しており、2008年には“モンタレージャズフェスティバル”を初めとした米国ツアーを経験。さらに同年および2009年にフランス・ツアー。2014年より毎年、7回のロシア公演を行っている。

2018年7月には国宝「松林図」「楓図」などで人気の画家「長谷川等伯」の作品をモチーフにした5曲からなる「長谷川等伯ジャズ組曲」を中心とした9枚目のリーダーCD(ビッグバンド作品としては6枚目)“Art in Motion”を発表。アートが音として動き出す意欲作でさらにその音が届く範囲を広げた。

教育活動にも熱心で、 “山野ビッグバンドコンテスト”“浅草ジャズコンテスト”等の審査員や、全国で学生・社会人ビッグバンドの指導なども行う。さらに昭和音楽大学・尚美学園大学非常勤講師、早稲田大学エクステンションセンター講師を務めるなど、活躍の幅は広い。

新型コロナウイルスの影響でイベントもなくなってきている昨今。今後は動画配信にも力を入れていく予定で、自分の演奏だけでなく、教育動画などの配信も行う。ますます広い活躍が期待されるジャズピアニスト・作曲家だ。




・Junko Moriya Jazz Orchestra / Art in Motion



 

こちらは、2018年7月18日にリリースされたアルバム「Art in Motion」の解説動画。 

「安土桃山時代に活躍した画家・長谷川等伯の絵を見て、“それをジャズとコラボレーションさせたらどうなるか”という考えから作曲にするに至った」と、「長谷川等伯ジャズ組曲」について説明する。同作にはさらに「Duke Ellington」「John Coltrane」「Bill Evans」「Charlie Parker」というジャズのレジェンドたち、ジャズの巨人たちに捧ぐ組曲「Tribute To Four Jazz Giants」も収録。

ジャズファンはもちろんのこと、アートファン、さらにはアートにもジャズにも普段はあまり触れたことがないという方まで、広く楽しめる作品となっている。




・Waltz For Gil 




2020年2月、渋谷さくらホールにて行われた公演より、「ギル・エバンス」に捧げて書いた楽曲「Waltz For Gil」のパフォーマンス模様だ。 

アダルトなムードで始まりを告げる1曲だが、ピアノが入ってくると雰囲気は一変。ラテンの雰囲気を纏った、どこかロックな印象すらある気持ちを駆り立てるサウンドで、どんどん楽曲の中に引き込まれていく。

ジャズといえば、バーで流れているような穏やかなものをイメージする方もいるかもしれないが、この楽曲にあるのはそれとはまた表情の異なるアツいジャズサウンド。ジャズというジャンルのかっこいい一面を広く、そして強く伝える1曲だといえるだろう。




・Walking Down The Nakamise Street 




同じく2月に行われた公演からの1曲「Walking Down The Nakamise Street」。 

この楽曲は、そのタイトルからも分かる通り、浅草の街の賑わいをジャズで表現した1曲。軽やかで跳ねる様なピアノサウンド、華やかで明るい管楽器たちの音色。もちろんジャズのそれでありながらも、すごくポップかつキャッチーに聞こえてくるメロディーなど、まさに浅草を思わせるようなサウンドとなっている。

そんな楽曲だけに、聴いていると自然にどんどん気分を引き上げてくれる。心を落ち着かせてくれるのもまたジャズの良いところであれば、こうして心を持ち上げてくれるのもまたジャズの良いところなのだということが、ひしひしと伝わってくるだろう。



この2020年の後半について話を聞いてみると、「デジタルと生演奏をうまく組み合わせながらやっていきたい。デジタルとアナログをうまく組み合わせていきたい」とまだまだ意欲的に進化を続ける姿勢を見せてくれた彼女。 

渋谷さくらホールでの定期公演は、2021年2月26日に開催。直接触れるとまた格別なことは間違いないので、是非そこで本物のジャズに触れてみていただきたい。




【読者に一言】 

私はジャズの中でも特に、大人数でのアンサンブルに拘ってきました。コロナ禍により、世の中は、リモート演奏・オンライン演奏などが急激に増えてきています。それは一つの音楽の進化で、私も積極的に取り入れています。

同時に、そんな時代だからこそ、多くのミュージシャンが一斉に音を出すことがますます貴重になってきていると思います。

同じ空間・時間の中でしか味わえない生演奏の醍醐味、贅沢が今ほど切実に感じられる時代はありません。感染症対策には十分配慮しておりますので、ぜひライブ会場に足を運んでいただきたいと思います。




【HP】 

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【ライブ情報】

  2020/10/16(金)@船橋コクリコット・フォルテ1周年記念 (配信あり)   

佐藤潤一(B)、利光玲奈 (drs)

https://coquelicot-jazz.com/


2020/10/17(土)@南青山Body& Soul   

<守屋純子Sextet>岡崎好朗(TP)、近藤和彦(AS)、岡崎正典(TS)、高瀬裕(B)、加納樹麻(DRS)

https://www.bodyandsoul.co.jp/


2020/10/30(金)@水道橋Bon Courage    

<守屋純子Trio>佐瀬正(B)、高橋徹(DRS)

http://bon-courage.tokyo/


2021/11/25(水)@六本木Satin Doll 

<守屋純子オーケストラ>

RHY:守屋純子(P, Arr)、納浩一(B)、広瀬潤次(Drs)、岡部洋一(perc)

SAX:近藤和彦、緑川英徳(AS)、岡崎正典、曽我部泰紀(TS)、Andy Wulf(BS)

TP:佐久間勲、木幡光邦、奥村晶、岡崎好朗

TB :佐野聡、佐藤春樹、東條あづさ、山城純子

http://www.satin-doll.jp/


2020/12/5(土)@船橋コクリコット・フォルテ  

Chaka(VO)

https://coquelicot-jazz.com/


2020/12/16(水)@池袋Independence   

<守屋純子Trio> 高瀬裕(B)、高橋徹(DRS)

http://jazz-independence.com/


2020/12/20(日)@蕨Our Delight (午後4時より、配信あり)

<守屋純子Sextet>岡崎好朗(TP)、近藤和彦(AS)、岡崎正典(TS)、安カ川大樹(B)、加納樹麻(DRS)

https://www.bodyandsoul.co.jp/


2021/1/9 (土)@南青山Body& Soul   

<守屋純子Sextet>岡崎好朗(TP)、近藤和彦(AS)、岡崎正典(TS)、高瀬裕(B)、加納樹麻(DRS)

https://www.bodyandsoul.co.jp/


2021/02/26(金)@渋谷さくらホール  

<守屋純子オーケストラ 定期公演>

12/1 チケット発売予定。配信もあり。詳細はH Pをご覧ください。