ストーリー性のある歌詞とジャズからロックまで多岐にわたるサウンドが特徴的な、19歳新進気鋭のボカロP夏山よつぎ。中学生の頃から曲を書いていた彼は、2018年5月2日にsecka*という名義で処女作となる「パラミシア」を投稿しボカロPとしての活動を始めた。初めは自分の作った楽曲を残しておきたいという気持ちで投稿をしたものの、徐々に再生数も増えていく中で、自分の曲が世の中に認知されていく感覚を担っていった。「少年Kの憐憫と杞憂、狭隘な空への憧憬」を投稿した時から“夏山よつぎ”の名義となったが、一度は活動を休止。2020年の3月9日、「幻の絵本」から活動を再開した彼は、本格的にボカロPとしての活動をすることを決意した。彼の高校最後の曲であり、代表曲でもある「夜離れ」はyou tubeにて3万回再生を超え、全楽曲の累計再生回数は11万回を超えている。 




・“夜離れ” 




高校時代最後の曲であり、夏山よつぎの代表曲でもある楽曲。 

一聴して、高校生とは思えないほどの完成度を持った楽曲だと感じた。突如訪れる転調は、オリジナリティに溢れている。高校時代の作品だけあって、ミックスやマスタリングはまだまだ成長の余地があるが、それを差し引いても余りあるアーティスト性がある楽曲だ。孤悲と書いて(こい)と読むのは、彼のこだわりでありずっと使ってみたかった表現方法だという。転調や歌詞のギミックなどを含め、「夏山よつぎ」というジャンルの作品だと言っても過言ではない。彼のモットーでもある、「音楽の楽しみ方は無限。」を体現したような楽曲である。




・“半透明ピエロ” 




変拍子を織り込んだロックでもありジャズでもありEDMでもある楽曲。 

なにより驚きなのは楽曲のMVも夏山自身が手掛けている点だ。

ストーリー性もさることながら、独特な変拍子と転調が次々と展開されるので、聴いている身としてはひたすらにドキドキしてしまう。

楽曲自体は、2分48秒と短いがVOCALOIDならではの早口と高音で構成されており、かなりボリュームのある内容となっている。とはいえ、ひっきりなしに音楽性の高い面白みが展開されるこの曲は、本当にピエロの曲芸を見ているようだった。

非常に中毒性の高いナンバーだ。




・“マリオネット世に憚る” 




「爆発的」と形容されるイントロから始まり、耳触りの良いリリックに体が勝手に動いてしまうナンバー。実際のバンド編成に基づいて奏でられる側面と、明らかにアナログ楽器では再現できない側面が混ざり合って出来上がっているところを見ると、夏山自身の音楽造形の深さが感じられる。 

様々なサウンドを駆使して奏でられるこの楽曲は、さながらオーケストラやビッグバンドでも聞いている気持ちになる。耳に残る楽曲、夏山よつぎの世界に吸い込まれる気分は大変に心地よい。



今回紹介した3曲だけでも、彼の音楽性や才能に期待せざるを得ない。 

「音楽の楽しみ方は無限にあると思います。」 と語る夏山。 

これから先も楽しみながら、新しい音楽の形や楽しみ方を作り出し、音楽業界を大いに盛り上げてくれるだろう。

YouTubeだけでなく各種ストリーミングサービスでも彼の楽曲を聴くことができるので、ぜひ聴いてみてほしい。




《読者に一言》

このような状況の中ですが、音楽の楽しみ方は無限にあると思います。今だからこその楽しみ方を作り上げていけたらと思います。 



【YouTube】

https://www.youtube.com/channel/UClryHGaP83tejN3oGqvRZFA


【ニコニコ動画】

https://www.nicovideo.jp/mylist/68893474


【Twitter】

https://twitter.com/seckarium