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The Doggy Paddle ━━ 90年代ロックンロールから得た“美学”と流行に屈しない“挑戦”

The Doggy Paddle ━━ 90年代ロックンロールから得た“美学”と流行に屈しない“挑戦”

muevo編集部にリクエストが寄せられた「気になるアーティスト」を紹介するmuevo pick up。今回は4ピースロックバンド、The Doggy Paddle(ザ・ドギーパドル)の登場です。


ロックンロールは終わらない。そう叫ぶように、しゃがれた音を掻き鳴らすThe Doggy Paddle(ザ・ドギーパドル)。恵守佑太(Vo&Gt)、横道孟(Gt)、村田慎太郎(Ba)、中村 虎太朗(Dr)から成る4ピースロックバンドだ。2008年に恵守と横道を中心に結成。のちにサポートメンバーであった中村、村田が順に加入し、現在に至る。 

2012年に自身初の全国流通音源『101 dog party』をリリースしてから、タワーレコード限定シングル『モラトリアム人間/P.P.D』や、全国流通に先駆けて会場限定で特別仕様のアルバム&EPを同時リリースなど、計13作品を発表してきた。なかでも、2017年にカセットテープ形式でリリースした『アイボリー / ヴァニラアイス』はイベントにて即日完売を記録するなど、リリース毎にあらゆる形態の販売方法にチャレンジしてきた。その後も、カセットテープの祭典を祝う国際的な年次イベント・CASSETTE STORE DAY JAPANから公式リリースとしてコンピレーションカセット『Cassette Hound』を発表するなど、挑戦を結果として形に残した。

カセットテープというアナログな手法が彼らの音楽に嵌ったことが、この結果に繋がったのだろう。それもそのはず、彼らの音楽は世間の流行に流されない、古き良き時代を生きたロックンロールなのだから。

THEE MICHELLE GUN ELEPHANTやNIRVANAから影響を受けたというThe Doggy Paddleの音楽は、ガレージロックをベースに、ハードロック、グラムロックを掛け合わせた90年代ロックを彷彿とさせる。そこに、ディスコチューンやリズミカルな曲調、爽快なビートを掛け合わせることで、古き良きロックンロールの魅力はThe Doggy Paddleにより“新たな音楽”の一部として今を生きることとなった。

新しい世代に、新旧それぞれのロックの良さを伝えるThe Doggy Paddleに見る、“ロックンロールの美学”について迫りたい。



●嵐が丘【MV】/ The Doggy Paddle 



2016年にリリースされたファーストEP『before the storm-EP』は、村田がサポートから正式に加入して一発目の作品。ジャパニーズロック色が強い「嵐が丘」は、まさに彼らの基礎的楽曲だ。シンプルなコード進行の中、哀愁漂うギターソロにルートじゃ収まらないうねるベースが活きた泥臭いロックミュージック。歌詞の描く“男”の強気な姿勢と垣間見える弱さを巧みに表現し、大人視点の世界をしゃがれた声で叫びあげている。90年代ロックが好きな男性にはしっくりとくるサウンドだろう。しかし、メロディ自体はとてもキャッチーで耳馴染みも良く、幅広いリスナーを獲得できるであろう一曲となっている。合間には手拍子も入り、みんなが楽しめるというライブでも盛り上がり必須のナンバーだ。



●アイボリー【MV】/ The Doggy Paddle



2017年に数量限定&会場限定としてカセットテープで販売され、のちにフルアルバムにも収録されたこの楽曲は、彼らの人気を知らしめた一曲だ。

ゴリゴリのガレージロックにドラマチックな曲展開を加えた新感覚ソングで、リズミカルに嵌る歌詞やテンポ感が気持ち良い。横道のギターはいつもながら尖った音を鳴らし、印象的なギターソロを奏でるが、全体的な音はとてもマイルド。ギターのジャキジャキ感と、ずっしり重たいけれどあたたかみのあるリズムセクションのバランスが良いので、耳あたりもとても良い。

現行の流行にストレートに沿うことはないが、時代遅れなわけでもない。彼らは彼らで新境地を目指している。その一環として、リズミカルな曲調やドラマチックな展開、わかりやすい曲の印象づくりを盛り込んだ挑戦的一曲として出来上がったのが「アイボリー」なのだ。“90年代ロックンロール”や“ガレージロック”という彼らの根源的なキーワードはそのままに、新しいエッセンスを取り入れる。現行に負けないサウンドに、古き良きロックンロールの魅力をのせているのだ。それが彼らの美学であり、挑戦である。



●あなたに届け【MV】/ The Doggy Paddle 



最後は最新MVである「あなたに届け」をご紹介しよう。

ヘヴィーなドラミングや躍動感を担うベースラインがビートを刻み、その上を暴れ狂うギターソロが駆け抜けていく。サウンドの厚みも増し、曲展開の差が生まれたことで、ドラマチックな展開にも磨きがかかった。恵守のハスキーボイスはさらに魅力を増し、独り言を零すような優しげな声から、熱烈に張り上げて叫ぶお馴染みの歌声まで、彼の持ち味を余すことなく堪能できる。キャッチーなメロディと共に、この叫び声が頭に焼き付いて離れない。「あなたに届け」そう擦り切れるような声で、心から絞り出された叫び声。そこに連なるガレージロックやグランジ由来のストレートで重たいバンド・アンサンブル。双方のアツい魂のぶつかり合いがThe Doggy Paddleの音楽であり、 新旧を繋ぐ“ロックンロールの美学”を、今の時代に提示証拠である。



今年2月にファーストフルアルバム『Kinema Rock’n’Roll』をリリースしたThe Doggy Paddleは、全国ツアーを敢行。5月にはTSUTAYA O-WESTという大舞台にてツアーファイルナルを開催。大盛況を収めた。今後も、持ち前の“ロックンロールの美学”を掲げ、独自の道をゆく彼らは、日本の音楽シーンにロックを生き返らせる重要な存在となるに違いない。彼らの生きるロックな音楽道に、今後も注目したい。


【CD情報】

1st full album 『Kinema Rock ‘n’ Roll』


1.black bunny sweet girl

2.エレジーは夕闇に鳴る

3.グッドメロディ

4.Weak anthem

5.ユーフォルビア

6.ガーベラ

7.ノイローゼ

8.アイボリー(Remastering)

9.エレクトリック・シープドッグ

10.Bandit!

11.あなたに届け(Remastering)

12.no title

13.キネマ・ロックンロール


【Twitter】https://twitter.com/thedoggypaddle

【HP】http://thedoggypaddle.jp


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