刹那的でノスタルジックな光景を、繊細なギターロックに乗せて描くバンド、NO BORDER。

静岡県伊豆の下田で高校の同級生4人によって結成された彼らは、平均年齢20歳という若手ながら密かに注目を集め始めている。

2016年2月の結成当初からオリジナル曲制作を進め、翌年2017年には上京を果たし、拠点を下北沢に移した。楽曲制作は、門脇がワンコーラスのデモをメンバーに送り、各々考え、スタジオで合わせているそうで、ロックバンドとしての生々しさを保ちつつも、アンサンブルには洗練されたまとまりが感じられる。

楽曲の歌詞には少年少女目線で描く情景とそれに反する現実世界を並列させ、世の中へのアンチテーゼ的な生々しいメッセージと合わさって、強烈なインパクトを形作る。「歌詞に意味はあるが、捉え方はそれぞれでいいと思う」というスタンスを持っているらしく、確かな情景を連想させながらも、聴き手の想像の余地をあえて残した言葉選びも印象的だ。

それらの歌詞がノスタルジックな楽器と合わさることによって独特な世界を作り出す。 メロディ、アンサンブル、歌詞の全てが緻密に絡み合うことで、懐かしくどこか寂しい情景を完成させているNO BORDER。その楽曲に、実際に触れてみよう。



●ヘリコプターが飛んだ夜に



NO BORDER初のMVも公開され、彼らの代表曲的な存在となっている「ヘリコプターが飛んだ夜に」。

邦楽ギターロックのド直球を進むロックナンバーとなっているこの曲には、2つのテーマが込められているという。

その1つが、「知人の突然の死」というショッキングな経験だ。胸を締めつけるような葛藤と寂しさを歌う歌詞には、揺れ動く感情をそのままの形で吐露したような生々しさが感じられる。

また、そこにもう1つ重なるテーマが「戦争」だ。規模や状況は違えど、どちらのテーマも「人の死」と密接に関わっていて、日常と非日常が並列に存在して物語色を強める、独特のストーリーが成り立っている。

タイトなリズム隊と涙腺を刺激するリードギターのフレーズ、そして大人と子どもの狭間を歩くような門脇のストレートなボーカル。

それぞれの要素が無駄なく揃うことで、NO BORDER独自の情景を描いている屈指の名曲だ。



初のMV公開も経て、ますますその活動を加速させているNO BORDER。

2018年12月13日には初のミニアルバム「シュノーケル」をリリース予定で、彼らに向けられる期待がさらに大きくなっていくのは間違いない。

これからの邦楽ロックシーンを切り開く存在になる可能性を持ったNO BORDERの活躍に、要注目だ。


【Twitter】https://twitter.com/noborder2222


【リリース情報】

2018年12月13日 (木)

NO BORDER 1st mini album 『シュノーケル』

¥1300

【収録曲】

1.ヘリコプターが飛んだ夜に 

2.BAD NEWS 

3.君の残像 

4.フィラの空 

5.小さな記憶


【イベント情報】

2018.12.13(木) 会場▶︎下北沢CLUB251 NO BORDER 1st mini album 『シュノーケル』release party 〜水中探検〜 

開場:18:00 開演18:30

チケット:2000円+1drink 

出演:

NO BORDER

HELLO HERO

balloon va rumba

furago