繊細さと切実な力強さを兼ね備えたボーカル、それを彩るアコースティックギターの音色、そこから映し出される人間らしい等身大のストーリーが魅力の彼女は、シンプルな弾き語りスタイルでその「歌」を響かせてきた。

2014年には島根の音楽レーベルSEVEN DOOR RECORDSに所属し、ライブハウスからホール、福祉施設まで幅広い場所でライブを行ってきた橙乃祐理。2016年には初のフルアルバム「生まれる。」をリリースし、柿木村で自主企画「かきのきむら」を開催した。その後も続いているこの企画では、毎回100人以上を動員しているという。

さらに、その後は活動の場を東京に移し、2019年4月からは3か月連続リリースという、自身のひとつの節目となるプロジェクトをスタート。サウンドプロデューサーにFzi（藤原隆之）を迎え、新たに自主レーベル「kotocoto records」を立ち上げるなど、その活動はますます躍進している。

そんな彼女の故郷・柿木村は、人口1800人あまりの小さな山村ながら、日本有数の棚田や独特の伝統行事で知られている。彼女が地元を離れて東京で音楽活動をしている背景には、柿木村のことをより広く知ってもらいたい、という願いもあるそうだ。

いかにも「それっぽい」常套句で飾られた、お手軽で冷たい否定の言葉。その裏に深い意味なんてなくても、人は簡単にその言葉で傷ついてしまう。

そんな非情な現実を前に、それでも「自分の生き方」を貫こうとするメッセージには、彼女が歌にかける想いがまっすぐ表れている。何気ない日常の風景の中に「人々が生きている」という美しさを見出す情景描写も合わさって、静かな感動をくれるバラードソングだ。

ただ甘く優しいわけでも、ただ世の中を悲観するわけでもない。リアルな世界を見つめてその中で希望を掴もうとする表現こそが、橙乃祐理の最大の魅力だ。

新しい一歩を踏み出す橙乃祐理の渾身の一曲が、この「夜戦応援歌」だ。

そのテーマは「布団の中で悶々と戦い続けるすべての人へ向けた応援歌」。誰もが経験したことのある、自己嫌悪と重圧に押しつぶされるような苦しみを、自身の体験も踏まえて描き出している。

今まさにそんな辛さを抱えている人に、当時苦しんでいた自分が何より欲しかった「大丈夫だよ」という言葉を伝える。そんな想いを込めて、この曲が作られたそうだ。

普段の曲作りではまず「書きたいテーマ」を弾き語りで形にして、プロデューサーを交えてそれをアレンジしていくという彼女。新たなプロデューサーのFzi（藤原隆之）と共に作られたこの曲は、自身初のバンドアレンジもなされるなど、より挑戦的な作品となっている。

新たな体制になり、さらに大きく活動の規模を広げていく橙乃祐理。3か月連続リリースやイベント開催を経て、その歌がより多くの人を魅了していくのは間違いないだろう。

活動を拡大させる一方で、今でもその根源は、故郷である柿木村にある。リリースの最後を飾る自主企画「かきのきむらVol.4」はこれまでのように地元の「島根かきのきむらふれあい会館」で開催されるそうで、「柿木村にたくさんの人を呼びたい」という彼女の想いが感じられる。

新たなリリース作品3作は、それぞれ発売日から公式HPで通販も開始されるという。橙乃祐理の優しく背中を押してくれる楽曲の数々に、CDやライブでぜひ触れてみてほしい。

【公式HP】https://www.tounoyuri.com/

【Twitter】https://twitter.com/touno_yuri

2019.06.30《かきのきむら vol.4》

@島根かきのきむらふれあい会館

Open/Start 14:00/14:30

Adv/Door ¥1500/¥2000

《出演》井上千秋/矢田太朗/aro（山梨）/平原謙吾（東京）/橙乃祐理

2019.07.11 《来ちみち！見ちみち！食べちみち！かきのきむら〜東京編〜》

@西荻窪ARTRION

Open/Start 18:30/19:30

Adv/Door ¥2500/¥3000(1D別)

出演：橙乃祐理

ゲスト：井上千秋　尾上明範　荒井光

島根県柿木村で開催するイベントかきのきむら、初の東京出張編！

柿木村の野菜、魚を使った料理、柿木村の日本酒や物産店（オリーブ油、鮎のナンプラー、コメ、味噌）、萬歳楽セット（お米とおかず）などなど出店予定。

 

2019.04.06 Single《夜戦応援歌》

¥1000［tax in］

2019.05.05 Single《透明人間》

¥1000［tax in］

2019.06.30《呼吸を掬い上げた手のひらから》

¥2000 ［tax in］