まるで往年のファンクやR&Bの名アーティストがよみがえったかのような、艶やかで伸びやかな歌声の持ち主、植松陽介。
楽曲にもそうしたブラックミュージックの影響は感じられ、声質との高い親和性を感じさせる。
しかし歌うテーマは一風変わっている。一般的に日本でよく歌われるようなテーマをそのまま歌にするのではなく、少し変わった視点で物事をとらえた楽曲が多い。例を挙げるならば下記で紹介する「garbage separation~ゴミの分別~」や「レーシック」、さらに「ダイエッたぁ」や「なんかヌルヌルしてる」というような曲など、タイトルだけ見ても異質さを感じる。
こうした楽曲を見ると普通は色物のアーティストのように思えるものだが、植松陽介には色物感はない。楽曲のクオリティの高さやチームの演奏力の高さやアレンジの巧みさなどで、本物感を漂わせる。実際AIやさかいゆうのコーラスサポートを務めるなど、実力は折り紙付きだ。
・植松陽介 – garbage separation~ゴミの分別~
ファンクやR&Bやゴスペルなど、ブラックミュージックの影響を色濃く感じる楽曲。そんな洋のムードにのせて歌い上げるのは「ゴミの分別」というすごく日本的、さらにいえば限定的なテーマだ。そのアンバランスさが絶妙で、センスの良さを感じさせる。
気持ちの良いコーラスやスキルフルなギター、跳ねるようなリズム隊、そして伸びやかな植松陽介の歌声。そんなほかにない高クオリティで、面白いテーマを歌っているからこそ、より面白く感じるのだということを改めて実感させられる。
・植松陽介 – レーシック
例によってゴスペルやブラックミュージックの影響を感じさせる、ムードの良い楽曲に乗せて、切なさをにじませた質感の歌声でレーシックについて歌い上げるといったやはりアンバランスな楽曲。
この楽曲にもやはり特有の面白さはあるものの、それ以上に楽曲の持つメロディックさに心を奪われる。もちろんブラックミュージック調ではあるものの、その中にJ-POP的な要素も強く感じるような、日本人であればだれもが好きなメロディー運びをする。特にギターソロ後のメロディーは王道J-POP然としている。
盛り上がるところと抑えるべきところの抑揚も抜群で、何度も聴きたくなるような楽曲だ。
・植松陽介 – 今なんつったか分かんなかったからもう一回言ってwith 白鶴山
ジャズ感の強いキーボードが気持ちの良いナンバー。楽曲のテーマはタイトル通りまさしく「今なんて言ったか分からなかったから、もう一回言って」というシーンだ。
付き合いたての彼女と憧れのクラブへいき、そこで彼女が自分に対して何かを言うのだが肝心なところでなんて言ったのかがわからない。そんなよくあるシーンを歌っている。
歌詞の表現も主人公の心情をそのまま詞にしたようなもので、小説や漫画を見ているような気分にさせられる。むしろムードの良い音楽やきらびやかな歌声に彩られている分、小説や漫画を超越しているといっても過言ではない。
現在はライブ活動や動画配信を主としている活動している植松陽介。
著名のアーティストも注目しているらしい。
多くの人を引き付ける楽曲の根底にあるのは、枠を作りたくないという思いだ。過去には厳しく枠を作り、その枠の中でストイックにやってきた。その反動から、枠を取っ払って自由な発想で音楽を生み出している。それが今の独自性に繋がっているのだ。
ライブでは都内以外にも行く機会は多いというので、都内以外の人でも今後、ライブを直接体験できる機会はあるだろう。貴重な機会を逃さぬよう、日々動向をチェックしておきたい。また、配信リリースされている3曲の楽曲にも注目だ。
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【リリース情報】
『Garbage Separation〜ゴミの分別〜』
iTunes Store
https://itun.es/jp/6084jb?i=1239666403
SPOTIFY
http://open.spotify.com/album/5TPchbfRLwA7E0z9WSQMCF
OTOTOY
https://ototoy.jp/_/default/p/75390『なんかヌルヌルしてる』
iTunes Store
SPOTIFY
http://open.spotify.com/album/2BlUPXvEllLzkLjYFhNYIuOTOTOY
https://ototoy.jp/_/default/p/95366
『天下一品』
iTunes Store
https://itunes.apple.com/jp/album/%E5%A4%A9%E4%B8%8B%E4%B8%80%E5%93%81-single/1346481987SPOTIFY
https://open.spotify.com/track/3iVmpt90uEbe3EQA1Xrv8W?si=r2lTvlqhSYqhH9f_Tn09UQ
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