DIR EN GREY、倉木麻衣に創作の影響を受けた寺治爽子は福島県南相馬市出身。傷も救いも哀しみも喜びも、生死も内包して歌い上げるアーティスト。

2014年10月から音楽活動を開始した背景には、震災での経験とそこで受けた心の傷があるという彼女。
そのサウンドは他にもラウドロックやゴシックロック、メロディックデスメタル、北欧トラッドなど幅広いジャンルの色彩を取り込んで冷たくもエモーショナルな表情を見せ、詞世界は文学的な言葉選びで自らの傷をさらけ出して聴き手の感情を抉り、多大なインパクトを残してきた。
あえてメディア上では顔を出さない活動スタイルで言葉と音の重みをもってその世界観を伝え、コンスタントなライブ活動で着実に話題に。2019年7月には自身初の全国流通盤となるアルバム「合鍵」をリリースし、研ぎ澄まされた楽曲が生み出すストーリーで大きな注目を集めた。
確かなセンスと表現力で、命の物語を紡ぐアーティストだ。



・寺治爽子 アルバム「合鍵」ダイジェスト版




寺治爽子のこれまでの活動を象徴する一枚となった「合鍵」。そこに込められているのは「或る少女の物語であり、遺書である。」というテーマだ。

彼女の活動の理由となってきた過去の経験。それは同時に、足枷として自身を縛るものでもあったそうだ。そこから脱却するための作品でもあるというこのアルバムには、表題曲「合鍵」やひとつの時系列になっている「シオン」「最果て」「精霊流し」など、全7曲が収録されている。

その活動の、大きな区切りとなる一枚として聴いてみてほしい。




・憂い紡ぐは、蒼き日々。




寺治爽子のプロモーション動画「憂い紡ぐは、蒼き日々。」は、これまでの音楽活動とともにあった自身の半生を炙り出すようなポエトリーリーディングな作品だ。バックに流れている楽曲は「合鍵」に収録されている「最果て」を起用している。

生々しく、ぶちまけるように晒される自身の行動と思いのたけ。聴き手の心を締めつけるような言葉のひとつひとつが、低体温で哀しいピアノの音色と合わさって緊張感を生んでいる。

まるで小説を読んでいるような文学的な響きがあり、それでいて一人の少女の懺悔を聞いているようでもある。




・寺治爽子-春は修羅




こちらも彼女の楽曲のひとつ「春は修羅」。複雑な詞世界で「春」をとらえて描き出すシリアスなナンバーとなっている。

重厚なピアノの旋律に乗せてくり出されるハスキーな歌声は、真に迫るインパクトを感じさせる。「弾き語りであって、弾き語りでない」とも評される彼女の表現スタイルを、真っすぐに体感することができる一曲だ。

「合鍵」のリリース以降も、レコ発イベントなど精力的な活動を展開してきた寺治爽子。12月13日には、今回のリリースのファイナルとなる単独公演も予定している。
今後はより「アーティスト」としての活動を追求し、インストゥルメンタルなどピアノの表現も高めていく展望を持っているという彼女。「憧れているアーティスト、ADAM atと堂々と肩を並べて立てるようになりたい」という目標も掲げているそうで、音楽的な前進を極めていくであろうその道のりに、ますます期待が高まる。

聴き手に対しては「偶然に出会ったこの音を、偶然が紡いだ命で感じてほしい」という思いを抱いているという。そんな寺治爽子が紡ぎ出すサウンドとストーリーに、要注目だ。



2019年12月13日(金)

吉祥寺曼荼羅 
単独公演「夜更け綴るは、明日の遺書。」
OPEN 18:30 START 19:30

前売 2500円 当日 3000円


※本公演はソールドアウトしております


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