青春の匂いを感じるギターロックを鳴らす4人組ロックバンドGrege。 

それとはまた少し趣の異なる、電子的で儚いサウンドを鳴らすKAFUNÉ。

そんな二つのグループで活動するのが楠木郁だ。GregeではGt./Vo.を担当し、KAFUNÉではソングライティングと歌唱を担当。毛色の異なる二つのバンドで、異なる表情を見せている。

どちらかといえば低めに響く歌声の持ち主で、ぐっと声量が高まるパートでは、切なさを伴う歪みが生じる。Gregeではそんな特性を生かして、楽曲の持つなんとも言えないセンチメンタル感をさらに強調させており、ロックサウンドとの相性の良さが感じられる。KAFUNÉでは高音を聞かせるパートも多く、それが電子的なサウンドの儚さや浮遊感と見事にリンク。毛色の違う楽曲を生み出すソングライティング力だけではなく、それぞれのグループに合わせて自身の良さをしっかりと引き出す歌唱ができる、ボーカルとしての質の高さも感じられる。

1999年生まれの若き才能。これからに大いに期待したくなるミュージシャンの一人だ。




・ice. / KAFUNÉ : MUSIC VIDEO


 


儚さを抱えながらも、踊れる楽曲「ice.」。こちらはKAFUNÉの楽曲だ。 

ノリの良い電子音とバキバキのベースラインは実にダンサブルながら、全体でコードを鳴らすサウンドの響きや「余命宣告を受けている男性を愛する女性の気持ちを愛す=iceという意味が込められている」という歌詞の世界観やメロディーラインは儚げ。そんなバランス感覚が現代的で面白い1曲だ。

自身でも「海に沈んで行っている感覚の楽曲で、耳心地の良いサウンドになっています。」と語る楽曲で、聴いているときの気持ちよさは格別。難しいことは気にせず、単純にそのサウンド感の気持ちよさに身を任せながら聴くのもおすすめできる。




・杪春




からっとした芳醇な歪みのギターに、キラキラしたフレーズを鳴らすギターが絡む、ギターロック楽曲「杪春」。こちらはGregeの楽曲となっている。 

「物語調で書いており、マイナスの感情が込められている」と語るこの楽曲で描かれている風景はやはり青春のそれ。

≪時間が経って“思い出”に、想い出も風化して“記録”になって≫≪そして、別の人と恋に落ちて気づけば煩わしくなって≫≪邪魔になって色褪せて忘れてくと思ってた≫。でも、≪時間が経ってもまだ僕は思うまま≫で、≪ずっと、君が好きで≫≪ずっと、側にいたくて≫と歌う。

誰もが経験したそんな忘れがたい恋の甘酢っぱさや切なさ、痛みが蒼く染められた1曲だ。




・たった僕の 




Gregeの楽曲「たった僕の」。 

突き刺さるような鋭利なギターフレーズが印象的なこの楽曲には、「人生の歌です」というコメントが付く。

≪きっと世界は永遠じゃない≫。だからそんな永遠じゃない今を大切にしながら、≪徐々に失って消えゆく未来でも ここに最後に何も残せなくても≫日々を生きていこうと、足に力を与えてくれる。

歌声やサウンドなど全体に色濃く漂うエモーショナルな雰囲気も心地よい。「最近スマートに生きようとしてるなぁ」と思うことがある人には、ぜひこのサウンドや歌声に触れてみてもらいたい。きっと感化されてしまうことだろう。



「自分たちの個性を表現し、自分たちの音楽が時代になれるように、活動を続けていきたい」という彼。毛色の異なる二つのサウンドで、それぞれしっかりとした世界観ある楽曲を描ける若き俊英が、これから先のシーンの象徴になる可能性は十分ある。 

単純に、二つのサウンドを鳴らすミュージシャンを追いかけていくことには、それ自体に面白みもある。ぜひ楠木郁という才能に注目していただきたい。




【Twitter】 

楠木郁:https://twitter.com/Grege_iku_81

KAFUNÉ:https://twitter.com/kafune_1999

Grege:https://twitter.com/Grege_band


【YouTube】

https://www.youtube.com/channel/UCEQAIGBw1Nz7rXWijv4KlQw


【ライブ情報】

7/27(月) 

大塚Deepa presents.

 “our music”第八夜


w/

コバヤシカン(SAICO GIRL)

たてべ なお(coemie)


?START 20:00〜

?¥1,500


[購入用URL]

https://twitcasting.tv/deepasubaccount/shopcart/14837

※チケット購入時、必ず備考欄にお目当てのアーティスト名をご記入ください。