ピアノ弾き語りにフルートの音色を取り入れた表現スタイルで、独自の音楽世界を築くアーティスト、斐梨。


自らを「ピアノ弾き語り横笛人間」と呼ぶ彼女は、子どもの頃からR&Bやダンスミュージックを中心にpops、

歌謡曲、レゲエなど、年代やジャンルを問わずあらゆる音楽を聴いて育ったという。

18歳で作詞作曲を始め、翌(2017)年からライブ活動をスタート。

以降、地元静岡市や東京都内のライブハウスシーンで精力的な活動を続けている。


さらに、MixChannelやツイキャスなどでの弾き語りライブ配信を行い、インターネット上でも支持を集めてきた。

なかでもMixChannelの総視聴者数は2021年10月時点で70,000人に迫るなど、確かな注目度を見せている。

2019年6月にはトーナメント式ライブ「Mudia」で東日本ファイナルまで進出し、2020年2月に参加した

FMラジオ局K-mix主催の「ザ☆オーディションvol.12」ではファイナリストに選出されるなど、

メディア上でも実績を重ねている彼女。


なかでもK-mix主催のオーディションは、ルーパーを使ったピアノ弾き語り+フルートという

現在の演奏スタイルを確立するきっかけになったという。

小学生の頃からの憧れだったというフルートと、ルーパーで音を重ねていくピアノ。

そしてラップまで織り交ぜる自由なボーカルスタイル。

そんな挑戦的なスタイルで、確かな個性を見せているアーティストだ。




・脱アトランティス-斐梨 @御茶ノ水KAKADO Live



2019年に制作された楽曲「脱アトランティス」は、初めて自分の本当にやりたい音楽を作れたと思えた、

自身の音楽人生の転機になった楽曲だという。

もともとR&Bやラップが好きだったという彼女だが、実際にそうしたテイストを楽曲に取り入れるのは難しさもあり、

この曲で納得できるテイストやグルーヴを出すことができたそうだ。


コンセプトとなっているのはディズニー映画「リトルマーメイド」で、

劇中歌「パート・オブ・ユア・ワールド」が歌われるシーンに影響を受けて作ったという。

歌詞も「人間の世界に憧れているけれど、それを周りに理解されない人魚」というコンセプトに沿ったものになっている。

ピアノサウンドをループさせながら歌とフルートを融合させる……という表現スタイルもこの曲を作った頃から確立されたという。

彼女の表現スタイルが詰まった一曲としてまず聴いてみてほしい。



・飲食店のゴキブリ-斐梨 @大塚MEETS 【LIVE movie】



不思議なタイトルが目を引く楽曲「飲食店のゴキブリ」は、

ユーモラスな世界観で「アイドルの恋愛」を歌っている。

大行列ができる人気の飲食店なら、その裏にはきっとゴキブリも寄り着いてくる。

ゴキブリの存在はある意味で、名店の証でもある。


しかし、実際にゴキブリが表に見えてしまったら客は不快になる。

それと同じで、多くの人に愛される魅力的なアイドルなら、きっと特別な誰かがいる。

それは薄々分かっているけれど、その姿はできることなら見たくない……

そんな複雑な心情が、斐梨らしいスタイルで描かれたコミカルで少し切ない一曲だ。


・ゔぃだ-斐梨 piano&flute弾き語り 〜short size



スペイン語で人生を意味するvidaという言葉を、「いちばん苦しそうに見える」

という理由でひらがなにしてタイトルに冠した「ゔぃだ」。

芸術を追い求めていくストーリーの映画からインスパイアを得て作ったというこの曲では

「好きなものを追い求めて生きていく生涯の葛藤、苦悩」を歌い上げている。


フルートソロパートでは低音を活かしたややダークな雰囲気の表現がなされていて、

悩みもがいている感情が表現されている。

高音を鳴らすイメージの強いフルートの意外な一面を見せる演出に注目だ。




自身のYouTubeチャンネルではライブ動画からオリジナル曲の宅録動画、

さらにはカバー動画まで、幅広いコンテンツを公開している斐梨。

今はチャンネル登録者数1,000人を目指しているそうだ。


また、今後は作品制作にも力を入れ、編曲にも挑戦しながら、

オリジナル曲を音源化していきたいと考えているという。

今後の彼女のさらなる躍進に要注目だ。

斐梨の活動の最新情報は、SNSなどからチェックしていこう。