ボーカロイド音楽シーンの黎明期から活動し、ボカロ界隈のみならず同人音楽シーン・インターネット音楽シーンで広く活躍するクリエイター、ガルナ(オワタP)。
主にボカロPとして広く知られる彼は、ゲーム音楽のピアノアレンジ動画をニコニコ動画上で公開することから活動をスタート。同時期にオリジナルのボーカロイド楽曲の投稿も開始し、中でもトルコ行進曲をコミカルにアレンジした「トルコ行進曲 - オワタ\(^o^)/」が絶大なブームを巻き起こしたことで一気に人気を集めた。
その後もこのトルコ行進曲シリーズや、代表曲「パラジクロロベンゼン」をはじめとした「ベンゼン」シリーズなど、ハイペースに作品を公開。一方でピアノアレンジ動画の投稿も続け、最近ではゲーム実況配信にも力を入れており、ポップカルチャーシーンで幅広く自由な活動を続けている。
また、これまでに商業CD「THE BEST of オワタP 無難。」をはじめ、CDや小説、漫画など各方面でオリジナル作品や関連作品を展開。同人音楽界を超えて支持を集める存在だ。
音楽関連の活動はあくまで「趣味」としており、普段は本業を持ち、一児の父でもあるというガルナ(オワタP)。最近は「娘にパパがYouTuberだとバレないかひやひやしている」という悩みも抱えているという。
・【鏡音レン】パラジクロロベンゼン【ガルナ/オワタP】
ガルナ(オワタP)の名前を聴いて多くのボカロリスナーが最初に思い浮かべる曲が、代表曲のひとつ「パラジクロロベンゼン」だろう。
ボカロ音楽文化が本格的に広がり始めた2009年に投稿され、現時点で460万再生を突破しているこの曲は、どこか退廃的で仄暗いメロディの中で内省的なストーリーを綴ったナンバーに仕上がっている。持ち味であるピアノサウンドが詞世界と巧みに絡み合って、シンプルなアンサンブルの中にも聴き手の感情を揺さぶる強烈なインパクトを持っているのが印象的だ。
シリーズ曲である「ニトロベンゼン」や「アンチクロロベンゼン」、他のボーカロイドによるアレンジver.なども投稿されているので、そちらと合わせて多彩に広がる世界観を体感してみてほしい。
・【初音ミク、巡音ルカ】リンちゃんなう!【ガルナ/オワタP】
ガルナ(オワタP)の作風の特徴として、ボーカロイドのキャラクターとしての魅力にスポットを当てた明るくコミカルな楽曲が多く発表されている、というポイントがある。
この「リンちゃんなう!」もそんな楽曲のひとつで、タイトルからも分かるように鏡音リンを主人公にハイテンションな世界観がくり広げられている。いわゆる電波ソング的な中毒性を持つサウンドの中で、リンへの愛が全開で伝わってくるのが魅力のポイントだ。
また、特技のひとつとして、「ボーカロイドに喋らせる」という表現をよく使ってきたガルナ(オワタP)。この曲でもそのテクニックがさく裂していて、超高速の語りが展開されている。
関連漫画や小説、フィギュアもあるので、併せて要チェックだ。
・【初音ミク】トルコ行進曲 - オワタ\(^o^)/【ガルナ/オワタP】
ガルナ(オワタP)を知る上で欠かせない作品のひとつが、ネットカルチャーで一大ムーヴメントを巻き起こした「トルコ行進曲 - オワタ\(^o^)/」だ。
タイトル通りトルコ行進曲でありながら、そこに自作の歌詞と初音ミクの歌唱が乗っているのが注目ポイント。立て続けの不運とネガティブな絶望を歌う詞世界はまさに「オワタ」と言うしかない状態で、何とも言えないリアルな悲壮感が漂うストーリーとどこか能天気に響くトルコ行進曲のメロディ、コミカルなイラストが合わさって、絶妙にシュールな笑いを誘ってくれる。
投稿されたのは2008年。それから10年以上経ってもまだまだ愛され続ける名曲ボカロソングとして必聴だ。
目まぐるしく変化するネット音楽シーンの中で、どこまでも自由な作風と活動スタイルによって人気を集め続けるガルナ(オワタP)。その遊び心あふれる作品の数々で。これからもボカロ音楽ファンやネットカルチャーファンを楽しませてくれるのは間違いない。
現在は週3回~のペースでゲーム配信などを行っているそうなので、楽曲と合わせてそちらも要チェックだ。
【公式HP】
【Twitter】
【ニコニコ動画】
https://www.nicovideo.jp/user/1320776
【YouTube】
https://www.youtube.com/c/garunan