さまざまなテーマを持ったVtuberが活動する現在のバーチャルシーン。その中で「バーチャル文学少女」という独自のスタイルを展開しているのが、2019年から活動する読谷山文乃(よみやま ふみの)だ。 

いわゆる「個人勢」と呼ばれる自主制作スタイルで活動する読谷山文乃は、ゲーム実況を中心に朗読や雑談配信、謎解き、歌の配信、ウクレレ弾き語りなど幅広いジャンルの動画を投稿。独特の語り口や激しく上下するテンションなど、マイペースなキャラクターで個性を見せてきた。

一見おしとやかなヴィジュアルと、それとは裏腹にいい意味でどこかネジが外れたような言動。そのギャップからもたらされる魅力で、バーチャルシーンの中でもじわじわと支持を集めている。

また、歌ってみたカバーや弾き語り配信を中心に、音楽面でも活発に活動している彼女。どこかアンニュイな雰囲気をまとった歌唱スタイルと「文学少女」という属性を感じさせる詩的な表現で、独特の世界観を見せてくれている。




・【オリジナル曲】私の目は沈静している。【リリックビデオ】 




アーティストとしての読谷山文乃を象徴する作品が、この「私の目は沈静している。」。ポエトリーリーディングとポストピアノロック的で静謐なアンサンブルの融合が印象的なこの曲は、彼女の「文学少女」というテーマを体現している。 

どこか幻想的な情景描写でノスタルジーをくすぐるリリック、静と動で表現される感情の揺らぎ。サビではそれまでの語りから一転して甘く優しいメロディが広がり、透明感のあるボーカルと合わさることで、静けさの中にもエモーショナルな響きを生んでいる。

その世界観を存分に発揮して、バーチャルアーティストの界隈の中でも独自色を見せる一曲として必聴だ。作詞を彼女自身が手がけているのにも注目しよう。




・【 歌ってみた 】さいきんのこと 【 読谷山文乃 】 




読谷山文乃の音楽活動のはじまりになったのが、この歌ってみたカバーの投稿。 

トラックメイカーのひじりとボーカリスト真歩による楽曲をカバーしたこの動画は、ローファイな空気感とアクセントの効いたミディアムビートの中で、彼女の持ち味である儚げなウィスパーボイスが流れるように響いて聴き手を惹き込んでくれる。

感情の揺らぎを秘めた歌唱と、夜明け前の澄んだ世界を描く歌詞の融合。そこから生まれる魅力に聴き入ってほしい。




・【 読谷山文乃 】植物園【 歌ってみた 】 




人気ボカロPの宮沢もよよによる楽曲「植物園」をカバーしたこの動画。オルタナポップ色の強い原曲の音像と読谷山文乃の透き通るようなボーカルがマッチして、優しく聴かせてくれる。 

ストーリー性の強い詞世界も合わさって、「文学少女」としての彼女の一面も感じられる。心地よい浮遊感の中で、声と言葉の揺らぎの中に沈んでいくような作品だ。



現在はチャンネル登録者が4000人に迫るなど、順調に個人勢Vtuberとして支持を広げてきた読谷山文乃。歌、作詞、ウクレレ演奏など、音楽面での活動にもますます力を入れており、いつかライブを行うこともひとつの目標にしているという。 

配信者としての面白さ、トークの魅力はもちろん、音楽表現者としての彼女の今後にも注目したい。まずはチャンネル登録やTwitterフォローをして、彼女の活動を追ってみてほしい。




【YouTube】

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【Twitter】

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